死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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魔法学園

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食事を終えて寮に戻る道すがらリュカと話していて、リュカが熊と狐の混血の獣人である事を知った。
だから耳は熊さんみたいなのに尻尾はふさふさなんだね…!!
へぇ~!と言いつつゆらゆらと揺れる尻尾から目が離せないでいると、リュカはクスリと笑い「ちょっとだけなら触っていいよ」と言った。


「い、いいの!?」
「うん、フィーになら。…どーぞ♪」
「ふわあぁぁ…!!」


リュカは尻尾を器用に動かして俺の腕に巻きつけてきた。
もっふもふの、ふっわふわだぁ~!!
今までに経験した事のない触り心地に俺は夢中で撫でていた。


「ん…ぁ…っ、ちょ、フィー…ッ」
「リュカの尻尾はどこを触ってもふわふわだねぇ~ずっと触ってたい」
「わ、かったから…!一回離してっ」
「へ!?あ、ごめん!痛かった!?」
「や……大丈夫。…先に言ってなかったボクが完全に悪いけど、ここ…尻尾の付け根は無闇矢鱈に触るもんじゃないよ…」


ちょっと赤い顔で俺にそう言うリュカは何処か疲れていた。
うぅ…俺ってばダメダメだ…。
もし次触る事があってもまた夢中になっちゃうかもしれない。


「ごめんね…?もう、触りたいなんて言わない…」
「え!?や、べ、別に触らないでほしいわけじゃ…!!」
「ううん。…多分、僕また同じ事しちゃうから……少しだったけど、ふわふわで気持ちよかった!ありがとね、リュカ。あ、部屋についたみたい。…じゃあ、またね」
「あ……」


何回謝っても謝り足りないよ~~!!本当にリュカごめん!!
なんで触っちゃいけないのか、よくわかんないけど…触られたくない場所って誰にでもあるもんね。獣人さんだと尚更大変そうだもん。触らないに越したことはない!!
でもまた手を伸ばしちゃいそうだったから、すぐに部屋に入っちゃった。
絶対感じ悪かったよーー!!

はぁ…と溜息を吐くと一部始終を見ていたウィルが「そんなに落ち込まないで」と励ましてくれた。
……みんないい人過ぎて俺泣いちゃいそう…。


「…僕ってば感じ悪かったよね…?明日また会ったら謝らなきゃ…」
「うーん……どうだろう。まあ、フェイがそう思うならその方がいいかも知れないね」
「うぅ……僕、知らなかったんだぁ…触っちゃいけない所があるって…勉強してない僕が悪いんだけど…」
「…なるほど。じゃあ、私が教えてあげようか?獣人にとって尻尾の付け根が、私達にとってのどんな場所なのか」
「え?いいの?」
「勿論」
「お願いします!!」


顎に手を添えながら首を傾げるウィルにキラキラとした瞳を向けて頷けば、にっこりと笑みを浮かべて「じゃあそこのソファに座って?」とソファを指差した。

指示通りに座ってウィルを見上げようとした時 とん と肩を押されてソファに仰向けに倒れた。
……ん?なんで?


「ウィル…?」
「どうしたんだい?」
「えと……教えてくれるんじゃなかったの?」
「うん。教えてあげるよ?ーーフェイの身体で、ね」


そう言うや否やウィルは俺に口付けた。












****
私は亀(特にリクガメ)が好きです。
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