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魔法学園
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3人で食堂に向かっていると、廊下で話している人達が俺たち…というかウィルとシルを見てひそひそと何か言っている事に気が付いた。…きゃっきゃ言ってる…。まあ、確かに2人は系統は違うけど、イケメン属性だもんね。俺も友達じゃなかったらびっくりすると思う。友達でもびっくりしたけど。
「みんなウィルとシル見てるね」
「……そうだね」
「?…あ、確かにあんまりじろじろ見られるのって、気にしちゃうよね?早く行こう?」
こそっと2人に伝えれば納得いかないような顔をされて俺は首を傾げた。
よく分かんないけど、早くここを抜け出した方がよさそうだ。
「なぁ、ウィリアム。やっぱりフェルって…自分の見た目、理解してねーのか?」
「…そうだと思うよ。さっき部屋で話していたけど、フェイは自分の事過小評価している」
「………大丈夫かねぇ」
「どうだろ」
「ウィル?シル?行かないの?」
何やら2人で話していて俺には聞こえない。べ、別に仲間はずれにされたなんて思ってないけどね!?
でも俺、友達付き合いなんて分かんないからどうしたらいいのか分かんない!
取り敢えず2人をもう少し静かな場所に連れていってあげたい…!
ごめんねってウィルに言われて俺は首をぶんぶんと横に振った。怒ってないもん。
代わりに俺は笑顔を向けて「お腹ぺこぺこだね」って言ったらウィルとシルは笑ってくれた。
食いしん坊だと思われちゃったかもしれない。恥ずかしい…。
「ーーわぁ~ひろーい!」
「フェル、迷子になるなよ」
「むっ!ならないもんっ!でもこれどうやって注文するの?」
「このパネルで注文出来るみたいだよ」
それはもう、食堂は広かった。生徒の人数を考えたら納得の広さだけど、やっぱり凄い。
シルに揶揄われながらも空いていた席に座り首を傾げると、ウィルがテーブルに置かれたパネルを指差した。
ふぉぉ…ここでもハイテクぶりを感じるとは…!
少し楽しくなってパネルをひたすらいじっていたらシルに「壊す気か?」と取り上げられた。
そして俺が選んだのはオムライス。オムライスってふわふわしてて美味しいよねぇ~!
初めて食べた日はあまりにも美味しすぎて泣いちゃったもん。母さんと父さんにめちゃくちゃ心配されて、恥ずかしかった。
しかも俺が泣いちゃったから料理を作った人が何かしてしまったのかって青褪めてて…本当に悪い事しちゃった。
すぐに誤解も解けてシェフさんも安心したように笑ってくれたけど……誰にも知られたくない話だ。
ぼんやりその日の事を思い出していると料理が運ばれてきた。
えっもう!?早い…!
ウェイトレスさんが丁寧な仕草でオムライスを俺の目の前に置いたので「ありがとうございますっ」とお礼を言えば少しだけ驚いた顔をされたけどすぐに笑みを浮かべて礼をした。
ふわあぁぁ~~!!美味しそ~~!!
俺は目の前にあるオムライスから目が離せない。
早く食べてってオムライスが言ってる…!!
心なしか、キラキラ光っているようにも見える。
「い、いただきます…!」
ゆっくりと掬って口に運び咀嚼する。
その瞬間あまりの美味しさに俺はほっぺたが落ちるかと思った。
いや!本当に!…俺、これならいくらでも食べれそう…。
「…美味そうに食うなぁ…俺も食べよーっと」
「……フェイ、ここについているよ」
「へ?どこ?ここ?」
「……ここ」
美味しくて美味しくてもぐもぐと夢中で食べていたらウィルにそう言われて俺は手で探るけど中々取れない。
それを見かねたウィルが優しく指で掬ってくれて、そのままパクリと食べた。……パクリと……食べた!?!?!?
「うぃっウィル!?」
「ん?ほら、まだ残っているよ?」
「ぅ……あり、がとう……」
「うん」
……ウィルって弟とか妹がいるのかな……いないとこんな事しないよね。うん、きっとそうだ。
と、自己解決したので俺はウィルにお礼を言ってまたオムライスを食べ始めた。
「…キザなこって」
「なんのことかな?」
「……俺、お前だけは敵に回したくねぇわ」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
食べていると横から「ここ座ってもいーい?」と声をかけられたのでそちらを向けば、くるくるとした髪の毛に熊さんのような耳、そして丸い大きな目をした子がいた。
…か、かわいい…!!
「ど、どうぞ…」
「ありがと~ボク、リュカっていうんだ♪よろしくね」
「僕はフェリチタ!えっとウィリアムと、シルヴァンだよ」
「ふーん。ま、よろしく。ねぇ、フェリチタの事フィーって呼んでもいいかな?」
「うんっ呼びやすいんだったらなんでもいいよ」
順番にウィルとシルを紹介したけど一瞥しただけでまた俺を見て可愛らしく首を傾げた。
…うん?と思ったけど今つっこむ事ではないのかなと思って特に何も言わなかった。
「ボク、知り合いもだーれもいないからすっごく心細いんだぁ~フィー友達になってくれる?」
「へ?えへへ、僕でよければっ。…ウィルとシルもだよ…ね?」
「もっちろ~ん。…よろしくね、お2人さん」
「ソウダナ」
「フェイがいる所では、ね」
…なんだか、ばちばちって音が聞こえるのは気のせいでしょうか…?
「みんなウィルとシル見てるね」
「……そうだね」
「?…あ、確かにあんまりじろじろ見られるのって、気にしちゃうよね?早く行こう?」
こそっと2人に伝えれば納得いかないような顔をされて俺は首を傾げた。
よく分かんないけど、早くここを抜け出した方がよさそうだ。
「なぁ、ウィリアム。やっぱりフェルって…自分の見た目、理解してねーのか?」
「…そうだと思うよ。さっき部屋で話していたけど、フェイは自分の事過小評価している」
「………大丈夫かねぇ」
「どうだろ」
「ウィル?シル?行かないの?」
何やら2人で話していて俺には聞こえない。べ、別に仲間はずれにされたなんて思ってないけどね!?
でも俺、友達付き合いなんて分かんないからどうしたらいいのか分かんない!
取り敢えず2人をもう少し静かな場所に連れていってあげたい…!
ごめんねってウィルに言われて俺は首をぶんぶんと横に振った。怒ってないもん。
代わりに俺は笑顔を向けて「お腹ぺこぺこだね」って言ったらウィルとシルは笑ってくれた。
食いしん坊だと思われちゃったかもしれない。恥ずかしい…。
「ーーわぁ~ひろーい!」
「フェル、迷子になるなよ」
「むっ!ならないもんっ!でもこれどうやって注文するの?」
「このパネルで注文出来るみたいだよ」
それはもう、食堂は広かった。生徒の人数を考えたら納得の広さだけど、やっぱり凄い。
シルに揶揄われながらも空いていた席に座り首を傾げると、ウィルがテーブルに置かれたパネルを指差した。
ふぉぉ…ここでもハイテクぶりを感じるとは…!
少し楽しくなってパネルをひたすらいじっていたらシルに「壊す気か?」と取り上げられた。
そして俺が選んだのはオムライス。オムライスってふわふわしてて美味しいよねぇ~!
初めて食べた日はあまりにも美味しすぎて泣いちゃったもん。母さんと父さんにめちゃくちゃ心配されて、恥ずかしかった。
しかも俺が泣いちゃったから料理を作った人が何かしてしまったのかって青褪めてて…本当に悪い事しちゃった。
すぐに誤解も解けてシェフさんも安心したように笑ってくれたけど……誰にも知られたくない話だ。
ぼんやりその日の事を思い出していると料理が運ばれてきた。
えっもう!?早い…!
ウェイトレスさんが丁寧な仕草でオムライスを俺の目の前に置いたので「ありがとうございますっ」とお礼を言えば少しだけ驚いた顔をされたけどすぐに笑みを浮かべて礼をした。
ふわあぁぁ~~!!美味しそ~~!!
俺は目の前にあるオムライスから目が離せない。
早く食べてってオムライスが言ってる…!!
心なしか、キラキラ光っているようにも見える。
「い、いただきます…!」
ゆっくりと掬って口に運び咀嚼する。
その瞬間あまりの美味しさに俺はほっぺたが落ちるかと思った。
いや!本当に!…俺、これならいくらでも食べれそう…。
「…美味そうに食うなぁ…俺も食べよーっと」
「……フェイ、ここについているよ」
「へ?どこ?ここ?」
「……ここ」
美味しくて美味しくてもぐもぐと夢中で食べていたらウィルにそう言われて俺は手で探るけど中々取れない。
それを見かねたウィルが優しく指で掬ってくれて、そのままパクリと食べた。……パクリと……食べた!?!?!?
「うぃっウィル!?」
「ん?ほら、まだ残っているよ?」
「ぅ……あり、がとう……」
「うん」
……ウィルって弟とか妹がいるのかな……いないとこんな事しないよね。うん、きっとそうだ。
と、自己解決したので俺はウィルにお礼を言ってまたオムライスを食べ始めた。
「…キザなこって」
「なんのことかな?」
「……俺、お前だけは敵に回したくねぇわ」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
食べていると横から「ここ座ってもいーい?」と声をかけられたのでそちらを向けば、くるくるとした髪の毛に熊さんのような耳、そして丸い大きな目をした子がいた。
…か、かわいい…!!
「ど、どうぞ…」
「ありがと~ボク、リュカっていうんだ♪よろしくね」
「僕はフェリチタ!えっとウィリアムと、シルヴァンだよ」
「ふーん。ま、よろしく。ねぇ、フェリチタの事フィーって呼んでもいいかな?」
「うんっ呼びやすいんだったらなんでもいいよ」
順番にウィルとシルを紹介したけど一瞥しただけでまた俺を見て可愛らしく首を傾げた。
…うん?と思ったけど今つっこむ事ではないのかなと思って特に何も言わなかった。
「ボク、知り合いもだーれもいないからすっごく心細いんだぁ~フィー友達になってくれる?」
「へ?えへへ、僕でよければっ。…ウィルとシルもだよ…ね?」
「もっちろ~ん。…よろしくね、お2人さん」
「ソウダナ」
「フェイがいる所では、ね」
…なんだか、ばちばちって音が聞こえるのは気のせいでしょうか…?
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