34 / 52
魔法学園
28歩
しおりを挟む「じゃあ、荷物確認したらそっちに行くわ」
「うん!」
そう言ってシルと部屋の前で別れてウィルと共に部屋に入る。
荷物といっても、俺はそんなにない。どうやらウィルも同じようで「…少し休もうか」と笑った。
思いの外部屋は広く自室となる部屋も右と左に分かれており、快適そうだ。
リビングに備え付けてあったソファに並んで座り俺はウィルに尋ねた。
「ウィルはどっちの部屋がいいですか?僕はどっちでもいいんですけど…」
「私もどちらでもいいかな。フェイが決めていいよ。…それと、なんで私には敬語なんだい?」
「じゃあ、右の部屋にします。……ウィルって王子様みたいで、緊張しちゃって……つい」
「王子様?…ふふ、そっか。でも、敬語なんてやめてシルヴァンに話すみたいにしてほしい」
「うぅ……わか、った…」
本当は言いたくなかったんだけどウィルの無言の圧力っていうのかな!?怖くてつい言っちゃった!!
顔が赤いのが分かるから俯いたまま返事をしたらウィルはクスクス笑ってた。…ぐぬぬ。
だけど、ウィルってば本当に王子様じゃないの?ってぐらいキラキラしてる。
サラサラの金髪の髪に青い瞳……碧眼っていうんだっけ。透き通るような青い瞳はずっと見てると吸い込まれそうだ。
…家にあった絵本に出て来た王子様がこんな感じだからっていうのもあるんだけど、掘りも深いし笑顔は優しいし……完璧だぁ。
でもツノもないし、尻尾もない……隠してる?
…ウィルってなんの種族なんだろう?こういうのって聞いてもいいのかな。
じーっとウィルを見ていたら ん? と首を傾げられた。
「あっ……ウィルの種族ってなんなのかなぁって……」
「あぁ、種族ね。何も聞いてこないから分かってるのかと思っていたよ」
「ううん、分かんなかった。…聞いてもよかったの?」
「ん?構わないよ。私は吸血鬼だよ。…ほら、牙があるだろう?」
そう言ってウィルは牙を見せてくれた。…鋭い……なるほど、確かにこれぐらい鋭かったら首に刺さる。
吸血鬼ってなんとなく黒髪赤目なのかと思ってたけど、違うんだね。
「フェイは?」
「へ?あ、僕は……妖精族…だよ」
「へぇ…妖精」
「全然そう見えないでしょう?だから、あんまり言いたくないんだけど…」
「どうして?何か嫌な事でも?」
そう言って聞いてくるウィルは本当に分からないらしく、きょとんとした表情で俺を見ている。
……嫌な事っていうか、だってこの見た目で妖精族なんて言ったら…絶対みんなにバカにされる……。
え?これが?って!!分かってるよ!そんなの、俺だって…!
「だって、妖精族ってみんな美しい容姿なのに……僕は……」
「…フェイは十分美しいじゃないか。何をそんな…」
「ぼ、僕が!?…ウィルってば優しいんだね。僕なんかにそんな事言ってくれるなんて」
「……なるほど。……私はフェイはとても可愛らしくて、綺麗だと思うよ」
「うん。ありがとう。でも、いいんだよ」
そんなお世辞なんて。友達になってくれただけ有難いっていうか!
もうこの話は終わり!と自分から振っておいてなんだけど無理矢理終わらせたら、ウィルは苦笑いを浮かべながらも「そろそろシルヴァンが来そうだしね」と文句を言わずに終わらせてくれた。
そしてタイミングがいいのか悪いのか、丁度部屋のインターフォンが鳴り出てみるとやはりそこにはシルがいた。
…シルが獣人なのはわかる。ふわふわの尻尾を触りたい…。
そう思いつつシルと話していると「尻尾見過ぎ」とデコピンされた。
………うぅ。
****
タグ付けやあらすじを書く事が苦手で毎回簡潔にしてしまいます。
語彙力もないし、もっと勉強しておけばよかった……。
28
お気に入りに追加
847
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?


主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
王道学園なのに、王道じゃない!!
主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。
レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる