死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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魔法学園

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「わぁ~~!!父様、ここにもお城が…!!」
「うん、そうだねぇ」


俺はまたしても大きな建物を前にはしゃいでいた。
それを見てただニコニコと笑みを浮かべる父さん。


「フェル、はしゃぎすぎだぞ!」
「そういうシルだってはしゃいでたじゃんっ」
「はは、2人共。迷子になってしまうよ」


さっきまで一緒にはしゃいでいたシルにむっとして頬を思わず膨らませながら返せば、そのやりとりを見ていた父さんが俺たちの頭に手をぽんっと置いた。


むー。シルってば意地悪だ!
ぷいっとシルから顔を背けたにも関わらずシルは「怒んなよ~」と俺の手をとり歩き出した。………絆されないぞ!
するとシルが吹き出した。


「…なに」
「いやぁ?怒ってるのに握り返すんだなーと思って!」
「これはっ…迷子になったらダメだから握り返しただけだし!」
「はいはい」


むーかーつーくー!!


「それでは皆さん。寮の部屋は基本2人部屋ですが、今回は人数が奇数になってしまったので1人になる人がいます。次の生徒が入ってくるまでは1人ですが…まあ、好きに過ごして頂いて大丈夫です。部屋分けをしたのでそこに出ているパネルを見て部屋の番号を確認して下さいね」


シルと一緒に部屋の番号を見に行くと、部屋は隣同士だった。
同室は………ウィリアム・シュヴァリエ…!?!?ウィリアム様だ!
やったぁ!俺、本当に心細くてどうにかなっちゃいそうだったんだよね。隣はシルで同室はウィリアム様か~!
俺ってばついてるっ。

喜びを隠しきれない笑みを浮かべパネルを見ていると横にいたシルに「なんでそんなに嬉しそうなんだよ」と不満気に言われた。


「だってシルと隣だよ?僕、凄く嬉しいのに……シルは嬉しくないの?」


嬉しくないとか言われたら俺流石に泣いちゃうけど!?
そう思って上目にちらりと見るとシルは うっ という顔をした。
見るに耐えない顔だとしてもそれは傷つく…。


「…どうせなら同室が良かったんだよ」
「え?…確かにシルが同室だと何も気にしなくていいかも~」
「おい、どういう意味で言ってんだそれ」
「えぇ~?」


くすくすとシルとふざけあっていると後ろから「私が同じ部屋だと何か気にしてしまうのかい?」と声がかけられた。
この声は!!


「あん?誰だ、お前」
「ちょっと、シル!…ウィリアム様、お久しぶりです!僕ウィリアム様と同じ部屋で嬉しいですよ?」
「なんだ、フェルの知り合いか?」
「フェル…?シル…?」
「あっフェルっていうのは、シルが…ええと、シルヴァンが決めたもので、えっと…あ、紹介した方がいいのか!えっとね、シル。この方がウィリアム・シュヴァリエ様で…ウィリアム様、この方はシルヴァン・デュヴォア様です!」


様ってつけた方がいいのかつけなくてもいいのか分かんなかったから、まあないよりあった方がいいかという判断でつけてみた。
それよりシルの名前言う時噛まなくてよかった…!!発音難しすぎ…!


「…今フェイが紹介してくれたが、私はウィリアム・シュヴァリエだ。どう呼んで貰っても構わない。宜しくな、シルヴァン」
「おー。よろしくなーウィリアム」
「……ウィリアム様、僕の事そんな呼び方でしたっけ……?」
「ふふ、こう呼んでも構わないかな?それと……私の事はウィルと呼んでほしい」


首を傾げてウィリアム様を見つめていると口に指を当てられた。
…ウィルがそう言うなら…とこくんと頷けばふんわりと花が咲くような笑みを向けられて、顔が熱くなる。
い、イケメンの笑顔って本当に眩しいんだね…!恐ろしい…!


「ウィル、ウィル……へへ、もっと仲良くなれたみたいで嬉しいなぁ」


頬を両手で包みじわじわと広がる嬉しさを噛み締めていた俺は、2人の


「……フェイはかわいいね」
「おい、ウィリアム。フェルは俺のだぞ」
「それはどうかな?私は同室だからね。君より過ごす時間は沢山ある」
「ぜっっっってーウィリアムには負けねーからな!」
「のぞむところだよ」


という会話は聞いていなかった。…コミュニケーション能力がある人ってすぐに仲良くなれるんだなぁと思ってたから、気にしてなかった。




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