死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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魔法学園

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あんなに沢山人がいたのに、すぐに自分の順番が回ってきた。


「はい、じゃあここに手をかざしてね~」


係りの人らしき人はそう言って透明な水晶玉を指差した。
ど、ドキドキする…。
手で胸を押さえながらもう片方の手を水晶玉にかざすと、青・紫・白と色が変わりまた透明に戻った。


「もう大丈夫だよ~ステータスを見れるようになったから、あとで確認しておいてね~」
「は、はいっ」


コクコクと頷けば係りの人はニコッと笑って「次の人~」と僕の後ろに並んでいたシルを呼んだ。
青は水で紫と白はなんだろう?えへへ、姉さんと同じ属性だ~。
それが嬉しくてニコニコと笑っていたが、父さんの存在を思い出してハッと見上げる。
……何か難しい顔をしているぞ。どうしたんだろう。


「…父様?」
「……ん?どうした?」
「いえ…難しい顔をされていたので…何かあったのかなぁって」
「ふふ、なんでもないよ。さぁ、フェリチタのお友達が終わったらあちらで確認をしようね」
「…はい」


尋ねてみても父さんはパッと顔を変えて何でもないと首を振るだけだった。
俺が幼いからって誤魔化したな!むー……だめだ。精神年齢まで引っ張られる…でもなぁ。俺、学校に行った事ないし、いくら前の年齢が15歳だったからって大人な対応出来る訳でもないし………。

決めた!この俺も可愛げのある幼い子になろう!うん!そっちの方がいい気がする!
どうせなんもわかんないし、丁度いい機会だ。


「フェル、ステータスもう見たか?」
「シル!ううん、シルが来るまで待ってようねって、父様が言ったからまだだよ」
「そっか!じゃあ今から一緒に見ようぜ!」
「うんっ」


ニカッと笑って俺の手を引くシルに友達っていいなぁと思った。
みんなこうやって一緒に遊んで、学んで楽しく過ごしていくんだね……!!


「それじゃあ2人共。ステータスは心の中で言えば、自分だけ見えるからね。それじゃあ、やってみようか」
「「はーい」」


えっと…『ステータス』!
心の中で唱えればブォンという重い音と共に自分の名前や魔法の属性が表示された。
ひゃーすごい…!ハイテクだぁ…機械も何も通さず目の前にパネルが浮いてる…。


「フェル、どうだった?俺、やっぱり火と風だったぜー」
「うんとね、僕は……水と………闇と光?」
「ん?水しか聞こえなかったぜ!なんだ?」
「えっとね…」


闇と光が一緒に存在する事なんてあるんだと驚いてそこだけ小声になっていたのか、シルが耳を近づけてきたのでもう一度言おうと口を開くと「フェリチタ」と父さんに呼ばれた。
首を傾げて父さんを見れば無言で首を横に振られて、もしかしてこれ言ったらダメなやつなのかなと思い「水だけだったよ」と咄嗟に嘘をついた。
シルは納得したのかしてないのかわからないけど「ふぅん?まっいいや。後は寮に行くだけだなー」と話を変えてくれた。

……俺、闇と光より火とか土の魔法がよかったなぁ…。色々役に立ちそうだよね。キャンプとか!
ずーっと行ってみたいなって思ってたんだけど流石にこの歳じゃ無理だし…。
はぁ…楽しみな事だらけだなぁ~。

そんな風にこれからの事を考えていると父さんに耳元で「その2つは誰にも話してはいけないよ。……仲の良い、友人でもね」と囁かれた。
どうして、と思ったけど父さんの顔を見ると何も聞き返してはいけないような気がして、俺はただ黙って頷いただけだった。

…………俺、秘密とか苦手なんだけど大丈夫かな。













****
魔法の属性は水晶玉にうつった色で、わかる人にはわかりますが基本他人だと誰も覗く事は出来ません。
血の繋がっている者のみ見る事が出来ます。これは割と適当につけた設定なのであまり気にせずで大丈夫です。笑
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