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魔法学園
24歩
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暫く父さんと話していると突然会場内がシンーーっと静まり返った。
え、何々!?釣られて俺も黙っちゃったけど、今この状況を把握してないの俺だけっぽいよ!?
でもきょろきょろと辺りを見渡すのは恥ずかしかったので大人しくステージの方を向いている。
……あ、ステージに人が立ってるからか……いつの間に?
ステージに立っていた人は司会のようで、淡々と何かを紹介し始めた。
…入学式ってこんな風に始まるんだぁ…。
と、それにさえ俺は感動していて話はちゃんと耳には入っていなかった。
「ーー…以上で全体の流れの説明を終わります。…この後ステータスの確認になりますので、皆様は保護者の方と共に移動して頂きます」
ステータス!!
その言葉が聞こえた瞬間俺はピシッと背筋を伸ばして思わず父さんを見る。俺の視線に気付いた父さんは「ちゃんと前を向きなさい」と苦笑いした。だってだってだって!やっと、待ちに待ったステータスを見れるんだよ!!
そわそわと揺れる体を抑える事は出来ず隣にいた見知らぬ子に「トイレ我慢してんの?」と揶揄われてしまった。
「ち、違うよぅ……早くステータス見たいから…」
「ふーーん?別にステータスなんて見ても見なくてもどっちでもよくねぇ?俺、あんまり興味ねーかも」
「えぇ!?で、でもでもっ使える魔法とか属性とか、知りたくなあい!?」
「んー…まあ、確かに属性は知ってないと意味ねぇけどさ……なんとなく、分かるだろ。ソレは」
ぞ、属性が!?なんとなく!?そうなの!?俺ちっとも分かんないだけど…!?
驚いている俺に気付いたのかその子は首を傾げて「魔法、使った事ねーの?」と聞いてきた。
「…日常魔法は、覚えたけど…それ以外は、ステータス見てからにしようと思ってて………もしかしてみんな普通に知ってるの?」
「自分の属性を知ってる奴はそんなにいないんじゃね?俺もなんとなくってだけで、本当にそうなのかとか詳細は知らねー…っと、そろそろ俺たちの順番みたいだぜ。行くぞ」
「えっあ、うん!父様、行きましょう!」
男の子とぼそぼそと会話していたら順番が来てしまった。はぐれてはまずい、と父様と手をつなぎ歩き始めると反対の手をぎゅっと誰かに握られた。驚いてそちらを見れば先程会話していた男の子で俺が見ている事に気づくと、にししと笑うだけで離してくれそうにない。
……いや、まあいいんだけどね。人と手を繋ぐ事なんて早々なかったから、嬉しいもん。
チラリと父さんが男の子を見た気がしたけど特に何も言われなかったし、多分気のせい。
歩きながら俺たちはまた会話を再開する。
「そういえば君の名前はなんていうの?僕はフェリチタ。フェリチタ・リシャール」
「俺はシルヴァン・デュヴォア。よろしくな、フェル」
「フェル…?」
「あ?フェリチタってちっと長ぇから、そう呼びたいんだけどダメか?」
「全然!…えへへ、嬉しい。えっとえっと…僕はシルって呼んでもいいかな?」
なるほど、こんな風に略すんだね。大体の人はフェリチタって呼ぶから、俺の名前って言いやすいもんだと思ってた。なんだか友達って感じがしてゆるゆるの顔になっちゃう。
喜びと、感動で顔が赤くなっている気がするし、ちょっとだけ涙も出ちゃった。
でも俺の気持ちなんてシルは知らないからぷいっと顔を背けられてしまった。ぐすん。
「…おう」
「やったぁ!宜しくね、シル!」
「………おー…」
にこーっと笑みを向けたまま言えばそっぽは向いたままだけど耳が赤くなっている事に気付いた。……照れ屋さんなのか!ここは気付いてない振りをしなければ!
そう思っているとシルが握っている手をにぎにぎと握ってきたので、俺もお返しをする。自分の手だけど、小さな子の手ってちいちゃくてかわいいよね。
何はともあれ、友達2人目ができましたっ!
俺の学園生活は楽しくなりそうだ!
***
新しく名前を出したはいいけど、めちゃくちゃ言いにくい。
お気に入り300超えありがとうございます!!うれしいです!!
そして、学園に入ってステータスが判明するまではほぼ話が進みません…すみません。
+登場人物公開しました。名前と関係性のみなのでわからなくなったら見る。ぐらいで丁度いいかなと思います。
え、何々!?釣られて俺も黙っちゃったけど、今この状況を把握してないの俺だけっぽいよ!?
でもきょろきょろと辺りを見渡すのは恥ずかしかったので大人しくステージの方を向いている。
……あ、ステージに人が立ってるからか……いつの間に?
ステージに立っていた人は司会のようで、淡々と何かを紹介し始めた。
…入学式ってこんな風に始まるんだぁ…。
と、それにさえ俺は感動していて話はちゃんと耳には入っていなかった。
「ーー…以上で全体の流れの説明を終わります。…この後ステータスの確認になりますので、皆様は保護者の方と共に移動して頂きます」
ステータス!!
その言葉が聞こえた瞬間俺はピシッと背筋を伸ばして思わず父さんを見る。俺の視線に気付いた父さんは「ちゃんと前を向きなさい」と苦笑いした。だってだってだって!やっと、待ちに待ったステータスを見れるんだよ!!
そわそわと揺れる体を抑える事は出来ず隣にいた見知らぬ子に「トイレ我慢してんの?」と揶揄われてしまった。
「ち、違うよぅ……早くステータス見たいから…」
「ふーーん?別にステータスなんて見ても見なくてもどっちでもよくねぇ?俺、あんまり興味ねーかも」
「えぇ!?で、でもでもっ使える魔法とか属性とか、知りたくなあい!?」
「んー…まあ、確かに属性は知ってないと意味ねぇけどさ……なんとなく、分かるだろ。ソレは」
ぞ、属性が!?なんとなく!?そうなの!?俺ちっとも分かんないだけど…!?
驚いている俺に気付いたのかその子は首を傾げて「魔法、使った事ねーの?」と聞いてきた。
「…日常魔法は、覚えたけど…それ以外は、ステータス見てからにしようと思ってて………もしかしてみんな普通に知ってるの?」
「自分の属性を知ってる奴はそんなにいないんじゃね?俺もなんとなくってだけで、本当にそうなのかとか詳細は知らねー…っと、そろそろ俺たちの順番みたいだぜ。行くぞ」
「えっあ、うん!父様、行きましょう!」
男の子とぼそぼそと会話していたら順番が来てしまった。はぐれてはまずい、と父様と手をつなぎ歩き始めると反対の手をぎゅっと誰かに握られた。驚いてそちらを見れば先程会話していた男の子で俺が見ている事に気づくと、にししと笑うだけで離してくれそうにない。
……いや、まあいいんだけどね。人と手を繋ぐ事なんて早々なかったから、嬉しいもん。
チラリと父さんが男の子を見た気がしたけど特に何も言われなかったし、多分気のせい。
歩きながら俺たちはまた会話を再開する。
「そういえば君の名前はなんていうの?僕はフェリチタ。フェリチタ・リシャール」
「俺はシルヴァン・デュヴォア。よろしくな、フェル」
「フェル…?」
「あ?フェリチタってちっと長ぇから、そう呼びたいんだけどダメか?」
「全然!…えへへ、嬉しい。えっとえっと…僕はシルって呼んでもいいかな?」
なるほど、こんな風に略すんだね。大体の人はフェリチタって呼ぶから、俺の名前って言いやすいもんだと思ってた。なんだか友達って感じがしてゆるゆるの顔になっちゃう。
喜びと、感動で顔が赤くなっている気がするし、ちょっとだけ涙も出ちゃった。
でも俺の気持ちなんてシルは知らないからぷいっと顔を背けられてしまった。ぐすん。
「…おう」
「やったぁ!宜しくね、シル!」
「………おー…」
にこーっと笑みを向けたまま言えばそっぽは向いたままだけど耳が赤くなっている事に気付いた。……照れ屋さんなのか!ここは気付いてない振りをしなければ!
そう思っているとシルが握っている手をにぎにぎと握ってきたので、俺もお返しをする。自分の手だけど、小さな子の手ってちいちゃくてかわいいよね。
何はともあれ、友達2人目ができましたっ!
俺の学園生活は楽しくなりそうだ!
***
新しく名前を出したはいいけど、めちゃくちゃ言いにくい。
お気に入り300超えありがとうございます!!うれしいです!!
そして、学園に入ってステータスが判明するまではほぼ話が進みません…すみません。
+登場人物公開しました。名前と関係性のみなのでわからなくなったら見る。ぐらいで丁度いいかなと思います。
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