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魔法学園
20歩
しおりを挟む『魅了』の能力はあれから何度も練習をして、制御可能な能力になった。
…使う場面がまるで思いつかないけどいつか役に立つ日がくるのかな…。
自分の意思でしか発動しないようにしたし、もし気を抜いてしまっても大丈夫!……なハズ。
後ついでに舌足らずな喋り方を変えた。こればかりは本当に褒めて欲しい。
幼いからとはいえ、自分の感情と喋り方の相違があって気持ち悪かったんだ。
「…あとちょっとで入学式かぁ…」
「時の流れは早いものですね。…そういえば、フェリチタ様はここから通われるのですか?それとも…」
「……迷ってるんだよね。僕あんまり人付き合いが得意な方ではないし、兄上達と比べられるだろうし…あまり長くはいたくない…」
「では…!」
「だけどねー…ここからだと遠いんだよねー…」
テレポーションが使えるようにはなったけれど、毎度毎度それを使って学園に行くのも面倒である。
なので今、学園の敷地内にある寮に入るかこの家から通うのか……天秤にかけているんだけど全く結論が出ない。
別に寮に入って帰ってこれない訳でもないし…兄さん達は寮に帰ったり、家に帰ってきたりってどっちつかずっぽいけどさ…どちらかと言えば寮より?なのかな。
侍女がいれてくれたお茶を一口飲み、一息ついたところでジャグが何も喋らなくなっていたことに気付いた。
「…ジャグ?なんでそんな絶望した顔してるの?」
「フェ、フェリチタ様が寮に入られると…私は…私は…一体、どうなるのですか!?」
「えぇ…?知らないよ…」
涙を目にためながら言われ俺が引き気味に答えるともっと絶望した顔になった。…そんな事言われてもね。
それにジャグは俺専属でもなんでもないんだよ?今は平和だし特にする事もないから、俺についていても問題はないけど…一応この家の騎士なんだし。
あ、でも…そういえば。
「……一人だけ側に騎士をつけてもいいって書いてあったような……あ、気のせいかもだからそんなに期待した顔しないでくれる?えーっと……あーあったあった」
一人で百面相してるの面白いなぁ。見てて飽きないや。
ガサガサと学園の書類等が入っている机の引き出しを漁り、目当てのものを見つけ読めば確かに『※一人のみ、常時騎士を配置可』書いてあった。
…なんでだろうね。
「ど、どうですか…!?」
「…書いてあったけど、別にこなくて……ごめんってば。冗談だよ、冗談…来たいならどうぞ?他の人つけられても僕、嫌だし」
「フェリチタ様~~!!一生御仕えさせて頂きますぅうう!!」
「それよりさ、今日兄上達帰ってくるんだよね?」
「はい!そう聞いておりますが……珍しいですね」
「何が?」
「フェリチタ様がお兄様方の帰りを待つ事が、ですかね」
…まあ厳密に言えば兄さん達ではなくて、姉さんの帰りを待っているだけなんだけどね。
それは言う必要もないかなと思ってニコッと笑みだけ返しておいた。
今日、兄さん達はみんな揃ってこの家に帰ってくるらしい。
前に会ったのは…俺が体調を崩した時だから、結構前だな。
兄さん達は帰ってくる時いつもお土産と言って、甘いお菓子を買ってきてくれるからそれも1つの楽しみなんだよね。
「…早く帰って来ないかなぁ~」
と両手で頬杖をつき窓から外を眺め呟けばそれを見ていたジャグが鼻血を垂らしながら「…眼福…」と言っていてそれはもう、気持ち悪かった。
ずっとこんな調子だから俺のジャグに対するあたりが強くなっちゃったよ。
でもそれでも喜ぶんだから、やっぱり変態だよね。こわい。
****
一人称の変えどきを探っています。
絵はスマホでちびちび描いてるんですが、相性が悪すぎて…かと言って他の物を買って描くぐらいでもないという…。
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