死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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俺、爆誕

17.5歩(Side:ジョセフ)

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「ーー…はぁ……もう少し早かったら、危なかったな」


テレポーションで移動した先で俺は先程会話した小さな子供を思い出し、溜息を吐いて左手を見た。
…俺の左手には魔物の血がべっとりとついている。


「これを見られないで済んだだけでも、いいか……なんというか、運が良い子だな。本当」




数時間前ーー…。





「…おいおい……ここには入ってこないんじゃなかったのか…」

俺はこの屋敷の主人である、友人のユスクーーフェリチタの父親ーーに『最近ここいら周辺で魔物をよく見かける。原因を探って欲しい』と言われ、その調査に来ていた。
屋敷の者に危害が加わるから、と言っていたが一番の理由はーー…。


「……まあいい。お前がどこから入ってきたのか知らないが、俺のを傷つけられても困るんでね。ここで消えてもらおうか」


こちらを見てグルルルル…と牙を剥き出しにして威嚇してくる魔物に向かって、それ以上の威圧を出し睨めば少し怯んだものの逃げる気配はない。
…あまり攻撃はしたくなかったんだが…仕方ないか。


「…『ブラスト』!」
「ギャゥンッ!」
「…君もあまり無駄な怪我はしたくないだろう。もう、ここから出て行った方がいい」


爆風を起こし魔物を飛ばせば木に激突し、叫び声をあげてバタリと倒れた。
どうしてここに入ってきているのかがわからない…どこかに穴でも空いているのか?
それに……魔物の様子も何処かおかしい。
木に激突しただけでは倒れることなんてない魔物が、グルル…と唸りながらのたうち回っている。
当たりどころが悪かったか?近寄って見て見ると頭から血が出ていた。


「…うーん……『リサーチ』……なるほど…これはまた…高度な呪術がかかっているな…」


解けないことはないが…何故、魔物に…?誰が、どんな目的で…。


「…長くなりそうな頼みだな……取り敢えず、解いておこう」


魔物に手を翳し解除の術を唱えれば唸り声が段々と小さくなり、俺はほっとして「帰れるか?」と声をかけた。
因みに魔物は正気であれば言葉は発せないが、意思疎通は出来る。
今も正気に戻った魔物が「クゥン…」と鳴いて何処かへ去って行った。


「追いかけてみるか…?」


そう思い歩き出そうとした時に、フェリチタの声が聞こえ俺は驚いたがすぐにフェリチタへと笑いかけた。

本当はフェリチタに話す気はなかったが、この子はまだ幼い。しっかり話していないと何をするか分かったものではないしな。
何故かこの子には懐かれているし、素直で可愛いから俺も満更ではない。素直な子供は好きだよ。
それに…。
いや、今はあの魔物を追いかけねば。

そう思い直して早めに話を切り上げようとすれば、次はいつ来るのかとキラキラとした瞳で見つめられ思わず口籠る。
…この魔物の原因を突き止めてからの方がいいんだろうけど……この目で見つめられると、どうも弱いんだよな。

そして、次の約束をして俺はテレポーションを使い急いで魔物を追う。



「……気をつけて、か…」





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