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俺、爆誕
11歩
しおりを挟む魔法の練習を始めて半年…漸く4歳になった。
あと半年で5歳になる。…そして、念願の学校…!!
自分の属性とステータスがわかるのも楽しみだけど、学校に通える事が待ち遠しくて毎日ドキドキが治らない。
「フェリチタ、準備は出来た?」
「おかあさま!はい!…でも、僕のこの格好おかしくはないですか…?」
「まあ、何を言っているの?とても似合っているわ。本当に、天使に見えるわぁ」
それはない。
今日は俺の生誕祭という事でパーティーが開かれる。…なんていうか、貴族って凄いんだなぁって感じ。
誕生日ってケーキとかあるのかな?…前はそんなの食べれなかったし、ちょっと楽しみ。
…って、ああ、そうだった。ケーキの事を考えていて忘れてたけど、俺は今それ用の格好をしている。
これがまた…煌びやか~っていうのかな。絵本に出てくる王子様とかが着てそうな服…ではなく、お姫様のようなふわふわとした服で…断じてスカートではない。それっぽく見えるだけで。
俺のこの顔にこれはちょっと…と思ってそれとなく回避しようとしたんだけど、お母様の圧が凄くて無理だった。
「…おかあさま…」
「あらあら。そんな不安そうな顔をしないで?フェリチタ。さぁ、行きましょう」
「…はい」
お母様が前を向いたのを確認して溜息を吐いた。
俺なんかがこんな格好をして人前に出たら笑われるだけだろうに…。これがきっと兄さんや姉さんだったら、すごく似合っているんだろうけどさぁ…。…兄さんは無理か。
というか人前に出たくないよぉ…身内だけのお祝いでいいのに、なんでパーティーなんて開くの?
「かえりたいなぁ…」
「…フェリチタ様、具合でも?」
「え?…ううん。だいじょうぶだよ。ごめんね」
「もしご気分が優れないようでしたら、すぐにお申し付け下さい」
「ありがとう、ジャグ」
少しでも落ち込んでいるとジャグはいつも気にかけてくれるし、過保護になるんだけど…あーやっぱり体調が悪いって言って帰ればよかった……いや、でも集まってくれてる人がいるのならすごく失礼だ…………い、いるのかな…?
ちょっとドキドキしてきちゃった。あ、でも特に挨拶なんてしないだろうし、俺と同い年の子なんていないかぁ。
つまんないの。
「フェリチタ?…ふふ、どうしたの?かわいいお口を尖らせて」
「あっこ、これは…!」
「…本当に可愛くて、拐われてしまわないか心配だわ…ジャグ、必ずフェリチタを守るのよ」
「この命に代えても」
「えっえっ?」
突然振り向いたお母様に見られバッと口を隠すも時すでに遅し。くすくすと笑われてしまった。…恥ずかしい…。
そこからの会話はよくわからなくて2人の顔を交互に見ていたけど、俺は可愛くなんかないし拐う可笑しな人なんていないと思うよ。
「…さぁ、フェリチタ着いたわ。…お誕生日、おめでとう。今日は5歳の誕生日の予行練習だと思って頂戴ね」
「……へ?」
一際目立つ大きな扉の前へと到着した時お母様に小声で告げられた言葉に俺は目をまん丸くした。
……5歳の誕生日の予行練習……?
どういうことなのかと問う前に扉は開かれ、俺の疑問は大きな歓声に溶けていった。
……うん、やっぱり貴族なんていやだ。
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