死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

15

文字の大きさ
上 下
15 / 52
俺、爆誕

11歩

しおりを挟む

魔法の練習を始めて半年…漸く4歳になった。
あと半年で5歳になる。…そして、念願の学校…!!
自分の属性とステータスがわかるのも楽しみだけど、学校に通える事が待ち遠しくて毎日ドキドキが治らない。


「フェリチタ、準備は出来た?」
「おかあさま!はい!…でも、僕のこの格好おかしくはないですか…?」
「まあ、何を言っているの?とても似合っているわ。本当に、天使に見えるわぁ」


それはない。

今日は俺の生誕祭という事でパーティーが開かれる。…なんていうか、貴族って凄いんだなぁって感じ。
誕生日ってケーキとかあるのかな?…前はそんなの食べれなかったし、ちょっと楽しみ。
…って、ああ、そうだった。ケーキの事を考えていて忘れてたけど、俺は今それ用の格好をしている。
これがまた…煌びやか~っていうのかな。絵本に出てくる王子様とかが着てそうな服…ではなく、お姫様のようなふわふわとした服で…断じてスカートではない。それっぽく見えるだけで。
俺のこの顔にこれはちょっと…と思ってそれとなく回避しようとしたんだけど、お母様の圧が凄くて無理だった。


「…おかあさま…」
「あらあら。そんな不安そうな顔をしないで?フェリチタ。さぁ、行きましょう」
「…はい」


お母様が前を向いたのを確認して溜息を吐いた。
俺なんかがこんな格好をして人前に出たら笑われるだけだろうに…。これがきっと兄さんや姉さんだったら、すごく似合っているんだろうけどさぁ…。…兄さんは無理か。
というか人前に出たくないよぉ…身内だけのお祝いでいいのに、なんでパーティーなんて開くの?


「かえりたいなぁ…」
「…フェリチタ様、具合でも?」
「え?…ううん。だいじょうぶだよ。ごめんね」
「もしご気分が優れないようでしたら、すぐにお申し付け下さい」
「ありがとう、ジャグ」


少しでも落ち込んでいるとジャグはいつも気にかけてくれるし、過保護になるんだけど…あーやっぱり体調が悪いって言って帰ればよかった……いや、でも集まってくれてる人がいるのならすごく失礼だ…………い、いるのかな…?
ちょっとドキドキしてきちゃった。あ、でも特に挨拶なんてしないだろうし、俺と同い年の子なんていないかぁ。
つまんないの。


「フェリチタ?…ふふ、どうしたの?かわいいお口を尖らせて」
「あっこ、これは…!」
「…本当に可愛くて、拐われてしまわないか心配だわ…ジャグ、必ずフェリチタを守るのよ」
「この命に代えても」
「えっえっ?」


突然振り向いたお母様に見られバッと口を隠すも時すでに遅し。くすくすと笑われてしまった。…恥ずかしい…。
そこからの会話はよくわからなくて2人の顔を交互に見ていたけど、俺は可愛くなんかないし拐う可笑しな人なんていないと思うよ。


「…さぁ、フェリチタ着いたわ。…お誕生日、おめでとう。今日は5歳の誕生日の予行練習だと思って頂戴ね」
「……へ?」


一際目立つ大きな扉の前へと到着した時お母様に小声で告げられた言葉に俺は目をまん丸くした。
……5歳の誕生日の予行練習……?
どういうことなのかと問う前に扉は開かれ、俺の疑問は大きな歓声に溶けていった。



……うん、やっぱり貴族なんていやだ。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

悪役令嬢に転生したが弟が可愛すぎた!

ルカ
BL
悪役令嬢に転生したが男だった! ヒロインそっちのけで物語が進みゲームにはいなかった弟まで登場(弟は可愛い) 僕はいったいどうなるのー!

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

王道学園なのに、王道じゃない!!

主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。 レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ‪‪.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…

処理中です...