死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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俺、爆誕

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あれから何冊か読んで好奇心がおさまらないので、今日から魔法の練習をしようと思います!!
ジャグに「危険ですからまだお止め下さい!」と何度も言われたけどその度に「ジャグは、ぼくのことなんておうえんしてくれないんだね…」とか「ジャグならだいじょぶって、いってくれるとおもったのに…」とうるるんとした目で言い続けてたら折れた。ちょろい。


「ジャグ!はやくはやく!」
「ああっフェリチタ様!あんまり走られるとお身体に障りますよ!」
「だいじょぶだよぅ!…んぶっ」
「フェリチタ様!」
「いたた…あ!ラルア兄様!」


魔法の練習が出来る事が嬉しくてジャグが止めるのも構わずに走って庭に向かっていたら、前方から来ていた人物に気付かずぶつかってしまった。お鼻がぺちゃんこになっちゃう。
鼻を押さえながら上を見上げたらそこにはにこにこと笑顔を浮かべた、ラルア兄さんがいた。
因みになんで兄様呼びなのかと言うと、兄様以外で呼ぶとめちゃくちゃうる……しつこいからである。
ラルア兄さんはしゃがんで俺と目線を合わせるとぶつけた俺の鼻を撫でた。


「そんなに急いでどうしたんだい?怪我は…ああ、かわいい鼻が赤くなってしまっているね」
「いいえ、だいじょぶ、ですよ?」
「いや、もしかしたら後から痛むかもしれないからね。…ヒール」
「…ありがとう、ございます、ラルア兄様」
「ふふ、いいんだよ。僕の方こそぶつかってごめんね。ところで、どこに行くんだい?」


敬語で喋るとどうしてもつっかえちゃうなぁ。幼児の滑舌ってどうしようもないよね。
俺がぶつかったのに過保護の兄さんはよしよしと頭を撫でながら謝ってくる。
別に痛くもなんともなかったけど、治癒魔法をかけられちゃった。
うーん。理由を言ったら止められる未来が見えるけど、嘘をついても後が面倒臭すぎる…。
仕方ないよね。ここは本当のことを言って、許してもらおう!


「ええっと…まほうのれんしゅーをしようとおもって、おにわにいくんです」
「魔法!?だ、だめだよ!危険だ!…ジャグ!何故止めない!」
「申し訳ございません」
「に、兄様!ジャグは、わるくないんです!ぼくがむりやり、きちゃったんです…」
「フェリチタ…」


あ~ほらぁ~…ジャグごめんね…。
でも、俺は諦めませーん!折角外に行けたりするのに!しかも魔法が使えるのに!
行かないなんて選択肢は、ございません!!

表情だけは悲しそうな、泣きそうな顔をしてラルア兄さんを見つめる。
するとそれを見た兄さんはうっと詰まったような反応をした。
よし、これはいける。


「…ラルア兄様も、ぼくがダメな子って、いう?」
「え?」
「みんな、ぼくがダメな子だから…兄様達みたいに、できないから……だから、あぶないって止めるんでしょ…?」
「ちっ違うよ!」
「でも…ぐすっ…」
「くっ…!…フェリチタはダメな子なんかじゃないよ。とても優しい、僕たちの可愛い弟だ」
「ひっく…ほんと?」


こういう時は甘えるように敬語を外して目に涙をためればおっけー!
俺はこの生で生きていく上で学んだんだよ…!!
それに、ダメな子って言われたのは本当だしなぁ。まあ気にしてなんかないけどね。
病弱だし、兄さん達みたいに綺麗じゃないのは本当だし。
ぐすぐすと嘘泣きしながら(何故かバレない。バレてるのかもしれないけど)ちらりと兄さんを見れば………あれ?なんか怒ってる?


「ああ、本当だよ。………あと、そのダメな子って言ってたのは、誰かなぁ?」
「に、兄様…ぼく、まほーのれんしゅーしても、いい?」
「ん?いいよ。…そのの名前を言ったらね?」


うわーん!笑顔なのに怖いよー!



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