息の仕方を教えてよ。

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目を開けて見えたそこは空でも海の中でもなく、真っ白な天井だった。


……僕はまた、戻ってきてしまった。


起き上がろうと腕を動かそうとしたが、何かに握られていて動かせなかった。
僕が動いた事でその何かは飛び跳ねるように体を起こして僕の顔を凝視する。


「……」
「……」


お互い無言で見つめ合う。
怒られるかなぁ。約束を破ったから。別にそれでもいいけど。
どうせ柿沼さんのところには戻らないし。

だけど僕のしていた予想とは違って、柿沼さんは泣きながら僕を抱きしめたのだ。

僕はどうしたらいいか分からず、ただただ困惑していた。

どうして泣いているんだろうか。


ああ、ペットが死にかけたみたいなものだから?

それは申し訳ない事をしてしまった。
これでトラウマにならずに、婚約者と幸せに暮らしてほしいな。


「なんで……!なんでっ!」
「?……柿沼さん、ごめんなさい」


僕が謝ると抱きしめる力が強くなる。


「何に対しての謝罪だ!?なんでお前は俺の前から消えたんだ!?」
「えっと……かわいがってたペットが勝手に脱走して、死にかけちゃったから?あと、なんでって聞かれても……」
「かわいがってたペット……!?……はぁ……っ」


なんだか色々違うらしい。よくわからない。

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