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しおりを挟むある日、柿沼さんが聞いてきた。
「あの日、どうして海に潜っていたの?」
と。
僕は、はて?と首を傾げた。
それに釣られるように柿沼さんも首を傾げる。
「俺が終を救い上げた日だよ」
「……あぁ、その日ですか」
「えぇ!?逆にその日しかなくない?」
「……」
きょとんとされても。僕は潜っていたつもりはなかったから、思い出すのに時間がかかってしまっただけで。
だけどそれを言うとまた面倒な事になりそうだと今までの経験から思ったので口を噤む。
「……特に意味はないですけど……なんですか、その顔」
「意味もなくあんな寒い日に海に入るかね~~!?おばか!」
まあ、しいて言うのであれば。
「僕の本来の住む場所は、あっちだったのかなと思って」
ぼぅっと窓の外を見ながら言ったので、柿沼さんがどんな表情をしているかは分からなかった。
きっと、何も思ってない。
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