8 / 21
8.
しおりを挟む
あれから色々とあって、僕は彼方と遊ぶことも連絡することもやめていた。彼方からはずっと連絡がきているし僕に声を掛けようとしているけど…あの日、あれを見てから僕の心はぐちゃぐちゃのままで親友のままでいいと決めたのは僕なのに、けりをつけることさえ出来ないでいた。
だけどそれも長くは続かなくて、とうとう彼方に捕まってしまった。
「おいっ!なんで俺を避けるんだよ!」
「さ、避けてなんかっ」
「ない、なんて言わせねーぞ。頼むから…俺が納得する理由を言ってくれ」
「……」
そんなの、言える訳ないじゃん。
彼方と水無月さんが寄り添っている所を見るのが辛い。だから側にいたくないなんて。
言ったところで、何になるの?なんの取り柄もない、平凡な僕がそんな事言ったところで気持ち悪がられて終わりだよ。
だんまりを決め込む僕に痺れを切らしたのか、人が多いところで言えないと思われたのか、人気の少ない場所へと連れて行かれた。
「…なあ、俺がなんかしちゃったのか?だから、俺を避けるのか?」
「…それは、違う…けど」
「けど?」
「……水無月さんは、いいの?待ってるんじゃないの?」
「水無月?あぁ…あいつは、別に…後で連絡すればいいし。でも、今はお前…大和が大事」
…後で連絡するんだ……って、そりゃそうか。付き合ってるんだもんね。
…はぁ…僕、何してるんだろ。親友って言われて喜んでたのは僕の方で、彼方もそうだと思っているのに。突然その親友が避け始めたら、嫌な気持ちにもなるよね…。馬鹿だなぁ。
「…ごめん。だけど、本当に避けてたとかじゃなくてさ…なんか、気まずくて」
「なんで?」
「なんでって…彼方と水無月さん、付き合ってるんだろ?その邪魔しちゃ悪いじゃん」
こんな事、言わせるなよ。
自分で言ってめちゃくちゃショック受けてる。ださ。
だけどそれも長くは続かなくて、とうとう彼方に捕まってしまった。
「おいっ!なんで俺を避けるんだよ!」
「さ、避けてなんかっ」
「ない、なんて言わせねーぞ。頼むから…俺が納得する理由を言ってくれ」
「……」
そんなの、言える訳ないじゃん。
彼方と水無月さんが寄り添っている所を見るのが辛い。だから側にいたくないなんて。
言ったところで、何になるの?なんの取り柄もない、平凡な僕がそんな事言ったところで気持ち悪がられて終わりだよ。
だんまりを決め込む僕に痺れを切らしたのか、人が多いところで言えないと思われたのか、人気の少ない場所へと連れて行かれた。
「…なあ、俺がなんかしちゃったのか?だから、俺を避けるのか?」
「…それは、違う…けど」
「けど?」
「……水無月さんは、いいの?待ってるんじゃないの?」
「水無月?あぁ…あいつは、別に…後で連絡すればいいし。でも、今はお前…大和が大事」
…後で連絡するんだ……って、そりゃそうか。付き合ってるんだもんね。
…はぁ…僕、何してるんだろ。親友って言われて喜んでたのは僕の方で、彼方もそうだと思っているのに。突然その親友が避け始めたら、嫌な気持ちにもなるよね…。馬鹿だなぁ。
「…ごめん。だけど、本当に避けてたとかじゃなくてさ…なんか、気まずくて」
「なんで?」
「なんでって…彼方と水無月さん、付き合ってるんだろ?その邪魔しちゃ悪いじゃん」
こんな事、言わせるなよ。
自分で言ってめちゃくちゃショック受けてる。ださ。
230
お気に入りに追加
252
あなたにおすすめの小説

末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。
めちゅう
BL
末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。
お読みくださりありがとうございます。

捨てられオメガの幸せは
ホロロン
BL
家族に愛されていると思っていたが実はそうではない事実を知ってもなお家族と仲良くしたいがためにずっと好きだった人と喧嘩別れしてしまった。
幸せになれると思ったのに…番になる前に捨てられて行き場をなくした時に会ったのは、あの大好きな彼だった。

本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。

彼の理想に
いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。
人は違ってもそれだけは変わらなかった。
だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。
優しくする努力をした。
本当はそんな人間なんかじゃないのに。
俺はあの人の恋人になりたい。
だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。
心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。


キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる