ヤンキーに飽きたので真面目に生きることにしました

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オレ、驚き桃の木…。

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「わぁ…なにここ、すごいね!」
「…はは、そんなに喜んでくれるなんて思わなかった」
「だってすごいよ!…空気が澄んでる気がする。…なんてね」

真崎くんが連れてきてくれた場所は、庭園のようなところだった。
そよそよと花や木を揺らす風が気持ちいい。思わず深呼吸をしてしまった。
それを見た真崎くんはクスクスと笑ってまたオレの腕を引いてベンチへと促した。

2人でベンチに座ってしばらくぼーっとしていると真崎くんが「俺がブーツ履いてる理由も聞いた?」と前を見たまま訪ねてきたので「好きな人が自分より背が高いって聞いたよ」と返す。

「はぁ…そんな事まで言ったの、あいつ」
「…ごめんね、オレがしつこくしちゃったからなの…楢原は悪くなくてね、あの…」
「…んーいいよ。大丈夫。ただ、恥ずかしいだけだから」

ちょっとだけ顔を赤らめて笑う真崎くんはイケメンなのにすごく可愛くて、つられてオレも顔を赤くしてしまった。
図体の大きい男2人で照れてるの、側から見たら中々だな…。

「…好きな人の名前、聞いた?」
「え!?ううん!!流石にそこまでは楢原も言わないよ!」
「…そっか。そうだよね…もし聞いてたらこんなに話してくれなさそうだし」
「へ?」

きょとんとした表情で真崎くんを見れば真崎くんはオレの目をじっと見つめて手を握った。
…え、え、なにこれ。なんで真崎くん近づいてきてるの。
緊張した面持ちで真崎くんは口を開く。

「あのね、オレの好きな人はね…」
「はい、ちょっと待ったー。お前、近すぎ」
「っ楢原!」
「…なにしてんの、こんなところで?」
「どっかの誰かさんがこいつに連れてかれるの見えたから、追いかけてきたんだっての」
「え、なんで?」
「なんでって…」

ぐいっと後ろに引っ張られるのと同時に耳に馴染んだ声が聞こえてきた。
あー真崎くんの好きな人の名前聞けると思ったのにぃ。
ごめんね、真崎くん。と謝ると苦笑気味にううん、と首を振られた。

「ほら、行くぞ」
「えー!!折角話せたのに!おーぼーだ!」
「はいはい。…じゃあな、真崎」
「…またね~」
「ばっばいばい!また話そう、ちょ!な、ならはらぁ!」
「もう黙っとけ」

ぐいぐいと強い力で引っ張られて足がもつれそうになりながらも、後ろを振り向いて真崎くんに手を振る。
するともっとスピードを上げる楢原に文句を言えば怒ったような口調で黙ってろと言われ、素直に黙った。ひどい。
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