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突然スタートさせられた異世界生活
保守派
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「そういえば、ギルミアがなぜ保守派種族と云われているか理由はご存知ですか?」
ラヴァルさんにそう聞かれたが、言われてみれば知らなかった。
「そもそも森の民はアルテミス神の系譜の種族ですから皆美形です。森に住み、狩猟を生業とした弓の名手が多いですね。元々あまり社交的な種族ではありませんでしたが、人間に奴隷として売られる事が多発してから更に排他的で人間嫌いに拍車がかかりました。
他にも人間嫌いの種族は多いですが、魔族は今、人間に報復をしたい一派である革新派と、犠牲に目を瞑り今の平穏を維持したい一派の保守派の二つに分かれています。人間領へ攻め込むことに対して、保守派で強く反対している筆頭種族がエルフ族という訳です。」
なるほど…。人間嫌いなのか…。ならばあの態度も頷ける。
「ちなみに、古代種族の巨人族やドラゴン族、アラクネ族、一つ目族等力の強い種族は今の所、革新派ですね。定期的に各族長が集まる族長会議があるんですが、話は膠着状態でしてね。」
だから、アノーリオンさんもツニートも報復に賛成だったんだね。というかカーミラさんも革新派なんだ。
「革新派の中にアラクネ族が入っているのは、いつも反物や縫った服の倉庫が人間に襲撃されてうんざりしているからですね。カーミラがいつも忙しくしているのはその対策に追われているからですよ。」
ほんと欲深な人間。地獄に落ちればいいのに。というか奪う前に自分で縫えばいいのに。何横着してんだ。
「話を戻しますが、膠着している所に異世界人である貴方という旗頭があったらどうでしょう?しかもガイアのお目覚め付きですよ?」
何だろう。こう、「クククッ。」って悪巧みの声が聞こえてきそうな笑顔。
「私に良い考えがあります。ふふっ、楽しみですね。」
何だろ、嫌な予感しかしない…。でも復讐に近づいてきている予感がした。
◇◇◇◇◇
それから数日後の朝。
「ララさん。明日から授業は暫く休みですから、少しゆっくりしていて下さい。」
とラヴァルさん。
「そうよぉ。ツニートは留守番で置いていくんだけどぉ、皆外しちゃうから屋敷の襲撃とか気をつけてねぇ?危なくなったら一人でも逃げるのよぉ?」
とカーミラさん。
え、屋敷襲撃されるの!?そんな大事な用事って何!?
「ここから少し南西に行った所で族長会議があるんです。機会があれば是非ララさんも招待したいところですが。」
とラヴァルさん。
「血の気が多い奴が多くて嫌になるよ。殴り合いがなかった事なんて一度もないし。」
とギルミアさん。
「私たちはアノーリオンに乗せてもらって参加するんだけどね?去年なんてアノーリオンたら、飛んでる最中に行き先も何で自分が飛んでるかも忘れて、私たち背中から振り落とされて大変だったのよぉ!」
それはヤバいわ…。乗らないで行く方法はないのかな?
「自力で行こうとしたら片道一週間はかかるんだけど、アノーリオンに乗せてもらうと一日半でつくしね。」
とギルミアさん。
あれ?ここにいる皆さんってツニートを除いて元族長だから参加する必要ってないんじゃ…?
「ものすごい根に持たれておるの…。儂らは引退したが議題は魔族の存続をかけたものでな、族長を引退した者でも参加出来る者は参加する決まりなのじゃ。」
とアノーリオンさん。
そして、なんで屋敷が襲撃されるの…?
『屋敷の湖、狙われる。』
とツニート。
湖?私が川流しにあったところだ。確か、四宮 守さんの身体が眠っているんだよね。
『魔族、人間に売ろう、考える奴らも、いる。金になるから』
なるほど…。魔族にも色々あるわけね…。
ラヴァルさんにそう聞かれたが、言われてみれば知らなかった。
「そもそも森の民はアルテミス神の系譜の種族ですから皆美形です。森に住み、狩猟を生業とした弓の名手が多いですね。元々あまり社交的な種族ではありませんでしたが、人間に奴隷として売られる事が多発してから更に排他的で人間嫌いに拍車がかかりました。
他にも人間嫌いの種族は多いですが、魔族は今、人間に報復をしたい一派である革新派と、犠牲に目を瞑り今の平穏を維持したい一派の保守派の二つに分かれています。人間領へ攻め込むことに対して、保守派で強く反対している筆頭種族がエルフ族という訳です。」
なるほど…。人間嫌いなのか…。ならばあの態度も頷ける。
「ちなみに、古代種族の巨人族やドラゴン族、アラクネ族、一つ目族等力の強い種族は今の所、革新派ですね。定期的に各族長が集まる族長会議があるんですが、話は膠着状態でしてね。」
だから、アノーリオンさんもツニートも報復に賛成だったんだね。というかカーミラさんも革新派なんだ。
「革新派の中にアラクネ族が入っているのは、いつも反物や縫った服の倉庫が人間に襲撃されてうんざりしているからですね。カーミラがいつも忙しくしているのはその対策に追われているからですよ。」
ほんと欲深な人間。地獄に落ちればいいのに。というか奪う前に自分で縫えばいいのに。何横着してんだ。
「話を戻しますが、膠着している所に異世界人である貴方という旗頭があったらどうでしょう?しかもガイアのお目覚め付きですよ?」
何だろう。こう、「クククッ。」って悪巧みの声が聞こえてきそうな笑顔。
「私に良い考えがあります。ふふっ、楽しみですね。」
何だろ、嫌な予感しかしない…。でも復讐に近づいてきている予感がした。
◇◇◇◇◇
それから数日後の朝。
「ララさん。明日から授業は暫く休みですから、少しゆっくりしていて下さい。」
とラヴァルさん。
「そうよぉ。ツニートは留守番で置いていくんだけどぉ、皆外しちゃうから屋敷の襲撃とか気をつけてねぇ?危なくなったら一人でも逃げるのよぉ?」
とカーミラさん。
え、屋敷襲撃されるの!?そんな大事な用事って何!?
「ここから少し南西に行った所で族長会議があるんです。機会があれば是非ララさんも招待したいところですが。」
とラヴァルさん。
「血の気が多い奴が多くて嫌になるよ。殴り合いがなかった事なんて一度もないし。」
とギルミアさん。
「私たちはアノーリオンに乗せてもらって参加するんだけどね?去年なんてアノーリオンたら、飛んでる最中に行き先も何で自分が飛んでるかも忘れて、私たち背中から振り落とされて大変だったのよぉ!」
それはヤバいわ…。乗らないで行く方法はないのかな?
「自力で行こうとしたら片道一週間はかかるんだけど、アノーリオンに乗せてもらうと一日半でつくしね。」
とギルミアさん。
あれ?ここにいる皆さんってツニートを除いて元族長だから参加する必要ってないんじゃ…?
「ものすごい根に持たれておるの…。儂らは引退したが議題は魔族の存続をかけたものでな、族長を引退した者でも参加出来る者は参加する決まりなのじゃ。」
とアノーリオンさん。
そして、なんで屋敷が襲撃されるの…?
『屋敷の湖、狙われる。』
とツニート。
湖?私が川流しにあったところだ。確か、四宮 守さんの身体が眠っているんだよね。
『魔族、人間に売ろう、考える奴らも、いる。金になるから』
なるほど…。魔族にも色々あるわけね…。
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