ココア番外編

2wei

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答えはYES

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 こういうこと、楽しげに聞いてくるし。

「う…、あっ!」

 挿入される快感と言うのは、思っている以上に強烈だ。身体中が性感帯になったみたいに、どこを触られてもおかしな声があがってしまう。
 それがすごく嫌だった。

 けど、抱かれること自体はたぶん嫌いじゃない。ただ、ベッドに押し倒されて、女みたいに攻めたてられ、たまらず声をあげ、浮きそうになる腰を……よがってしまいそうになるこの衝動を、どうしても好きにはなれなかった。

 何してんだ、俺。

 本気でそんな疑問がよぎるから。
 もっとも、気持ちいいからそんな理性じみた考えはすぐにぶっ飛ぶんだけど、それでも最中、きっと十数回俺は自分にそう問いかけている。

「腰、前みたいに振ってよ。すごくエッチなんだよね」

 比呂人は熱い息を吐きながら、俺の太ももを弄った。

「無……、理っ」

 息も絶え絶えお断りを入れ、比呂人の枕を引っつかんで顔を隠した。感じている顔を見られるのが恥ずかしくて、毎回隠してしまう。比呂人はもうそれを取ろうとはしない。最初は枕を奪おうとしていたけど、いつの頃からか諦めたみたいだ。

 やらしい水音、肌のぶつかる音、比呂人の荒い息。恥ずかしい。だがしかし、何よりも聞きたくも出したくもないのは己の喘ぎ声だ。

 比呂人のこの寝室は、以前の寝室より随分狭くなった。でも二人だけの住処みたいで俺は好きだ。部屋が狭いだけで、妙に比呂人との距離が近い気がする。

「あっ、あ…っ、んぅ」

 必死に声を堪えようとするけど、前立腺の快感はそんな単純なものじゃない。頭がおかしくなりそうだ。

 壊れる~~!なんて、AV女優が叫ぶ快感が如何程のものかはわからないけど、前立腺の快感はまさに、壊れる~~!に匹敵するだろう。
 比呂人に壊されそうになりながら、俺の腰は結局浮いて、右に左に動いてしまう。それでも比呂人は口の中で「エロ…」と小さく呟くだけで、そんな俺を絶対に揶揄ったりしない。俺ならいじらずにはいられないんだけど、大人な比呂人はベッドの上の俺をいじらない。

 たまに……そう、さっきみたいに「気持ちいい?」とか言ってくるけど、返事しなくても比呂人は怒らない。どうやら返事はしなくてもいいみたいだ。

 玄関チャイムが鳴ったのは俺が一度果てた直後だった。比呂人の腰が一瞬止まったけど、居留守を決め込むつもりか、また平然と腰を打ち付け始めた。しかしチャイムはもう一度鳴り、それでも比呂人は無視を決め込んだ。

 一度果てたことで更に水音の増す俺のソレをぐちゃぐちゃに扱きながら、比呂人は比呂人なりにさっさと終わらせようとしているのか。そう思ったけど……いや、どうやらそうでもなさそうである。

 どういうつもりだと枕を退け、「客!」と訴えると、ちょうど三度目のチャイムが鳴った。だけど比呂人はうっすらと微笑み、「出るわけないだろ。じっくり抱きたいんだよ、今日は」と吐息交じりの囁いた。

 長丁場か……。
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