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登校:カフェオレがお好み
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高校に入学した。少し大きめのYシャツと、少し長めのズボンと、肩幅が気になるジャケットを着こみ、全体的にちょっとダボついた制服で学校へ通う。地元の男子校、白枝高等学校。偏差値はそんなに高くないけど、制服がカッコイイことで有名だ。公立高校のわりに、お洒落なデザインだと思う。
入学して早くも二か月。季節は梅雨真っ只中だ。部活は映画部に入った。小さい頃から映画が好きで、よく親と一緒に映画館へ通った。
基本的にジャンルは問わないが、やはりSFが一番好きかもしれない。だが、入部した映画部でSF映画を作るのはさすがに無理があるだろう。というか、たぶん高校三年間の内で映画を撮ることは、ぶっちゃけ不可能だと思われる。なにせ現在、部員三名で成り立っている部活なのだ。しかも、各学年一名ずつ。三年生の花岡正斗先輩(通称まーくん先輩)と、二年生の諏訪田篤郎先輩(通称あっちゃん先輩)、そして新入部員の僕、井川梓の三名だ。
この人数でどうやって映画を撮れというのだ。まーくん先輩が卒業してしまえばあっちゃん先輩と二人きりになるわけで、来年、新入部員が入ってくる、なんていう優しい保障はない。それはもちろん再来年にだって言えるわけだ。僕が三年生の時には、部員が僕だけ、なんていう悲しい現実が待ち受けている可能性だって、決してゼロではないだろう。
今現在、部活はそれぞれのオススメ映画を持ち寄って鑑賞することが主な活動内容になっている。
「いや~、今回も素晴らしかったよ!」
まーくん先輩が拍手をして映画は幕を閉じた。
「やっぱり俺は沼田監督の映画好きだな!」
「わかります! 情景描写がうまく心情にマッチしていて、すごく心を動かされます!」
「いいよね! ぐっとくるよね!」
あっちゃん先輩がDVDケースを手に取り、「この子、演技上手かったね」と演者の名前を指さした。
「あ! 今、地下鉄メトロ物語に出てるはずですよ、この子!」
今やっているドラマのタイトルをあげると、まーくん先輩が頷いた。
「あー、出てる出てる! そこでも異彩を放った演技をしてるよね!」
「わかります! すごい存在感があって惹きつけられます!」
「まじか~! それ一話目見逃したから見るのやめたんだよ~!」
「今からでも見ましょうよ、先輩! 面白いですよ!」
僕らの会話は映画だけじゃない。ドラマにだって発展するし、アニメにだって派生する。『動く物語』なら、僕らは基本的によく話が合った。ほんの二か月前に出会った仲とは思えないほど気が合い、馬が合っている。一応敬語を使うようにはしてるけど、それでも先輩たちはタメ口でいいと言ってくれている。現にあっちゃん先輩はまーくん先輩にタメ口だ。
入学して早くも二か月。季節は梅雨真っ只中だ。部活は映画部に入った。小さい頃から映画が好きで、よく親と一緒に映画館へ通った。
基本的にジャンルは問わないが、やはりSFが一番好きかもしれない。だが、入部した映画部でSF映画を作るのはさすがに無理があるだろう。というか、たぶん高校三年間の内で映画を撮ることは、ぶっちゃけ不可能だと思われる。なにせ現在、部員三名で成り立っている部活なのだ。しかも、各学年一名ずつ。三年生の花岡正斗先輩(通称まーくん先輩)と、二年生の諏訪田篤郎先輩(通称あっちゃん先輩)、そして新入部員の僕、井川梓の三名だ。
この人数でどうやって映画を撮れというのだ。まーくん先輩が卒業してしまえばあっちゃん先輩と二人きりになるわけで、来年、新入部員が入ってくる、なんていう優しい保障はない。それはもちろん再来年にだって言えるわけだ。僕が三年生の時には、部員が僕だけ、なんていう悲しい現実が待ち受けている可能性だって、決してゼロではないだろう。
今現在、部活はそれぞれのオススメ映画を持ち寄って鑑賞することが主な活動内容になっている。
「いや~、今回も素晴らしかったよ!」
まーくん先輩が拍手をして映画は幕を閉じた。
「やっぱり俺は沼田監督の映画好きだな!」
「わかります! 情景描写がうまく心情にマッチしていて、すごく心を動かされます!」
「いいよね! ぐっとくるよね!」
あっちゃん先輩がDVDケースを手に取り、「この子、演技上手かったね」と演者の名前を指さした。
「あ! 今、地下鉄メトロ物語に出てるはずですよ、この子!」
今やっているドラマのタイトルをあげると、まーくん先輩が頷いた。
「あー、出てる出てる! そこでも異彩を放った演技をしてるよね!」
「わかります! すごい存在感があって惹きつけられます!」
「まじか~! それ一話目見逃したから見るのやめたんだよ~!」
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