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とけてつぶれる
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イく寸前に足で渡されたゴミ箱に濁った液を吐き出すと、決して溜まっていたわけじゃないのに、いつもより多くソレは体から噴き出した。そして、ここで初めて永井が庄野へ言葉を掛けた。
「悪い、中に出す……っ」
え?と思ったのも束の間。
お腹にじわっと熱を感じ、永井がイッたことを知った。
永井はすべてを庄野の中に出し切り、そしてそれを……まるで彼の身体の中に染み込ませるかのようにグリグリと腰を動かした。
しかし、それが体に染み込むことは無い。やればやるだけ泡立つようにして体からドロリと出てくるだけ。
自身を引き抜き、庄野のお尻から溢れ出てくる己の欲望の塊を見て、永井はそっと瞳を閉じた。この一滴にも満たないわずか一匹を体に染み込ませることが出来るのは、女という生き物だけ。この世のどこを探しても、男にその能力を持つ者は居ない。
けど、もしもそうやって男を支配出来るのだとしたら、永井はまた同じ男を選ぶのだろう。
そしてまたきっと、過ちを犯すのだ。
何故、他を探そうとしなかったのか。何故、自分のパーティーにはディッシュが一人しか居なかったのか。
そんなの決まっている。
彼以上の男に出会えなかったからだ。
だけど、本人はそれに気付いていない。好きな男を他所に作り、浮気され、激情し、彼に八つ当たりした。彼が他の男と関係を持てば持つほど、何故かそれは永井の優越だった。
俺の颯太はナンバーワンだろ?
その優越に、完全に溺れていたのだ。見失ったのはそれが愛だったことだ。
会えなくなって、会うことが許されなくなって初めて気付く。あぁ……好きだったのか、と。
認めたくなくて否定を続ける毎日だけど、否定し続けなければならないほど、永井はずっと颯太へ思いを馳せていた。
「……颯太」
けど、彼の心を癒す事が出来る男は、颯太ではない。会ってしまえば、また二人は捻じ曲がった関係を築いてゆくのだろう。こんなにもお互い愛し合っているのに、そこにまともな愛情は存在しないから。
颯太は絶対の服従を。永井は颯太の共有を、また繰り返すだろう。それは、愛故に。
庄野を優しく抱けたなら、それはきっと救いなのだ。颯太にしてやれなかったことをすべて出来たのだから、庄野が永井の救いとなる。たとえ、いつか二人に終わりが来たとしても、その時には永井の心はきっと前を向いているだろう。
【完】
「悪い、中に出す……っ」
え?と思ったのも束の間。
お腹にじわっと熱を感じ、永井がイッたことを知った。
永井はすべてを庄野の中に出し切り、そしてそれを……まるで彼の身体の中に染み込ませるかのようにグリグリと腰を動かした。
しかし、それが体に染み込むことは無い。やればやるだけ泡立つようにして体からドロリと出てくるだけ。
自身を引き抜き、庄野のお尻から溢れ出てくる己の欲望の塊を見て、永井はそっと瞳を閉じた。この一滴にも満たないわずか一匹を体に染み込ませることが出来るのは、女という生き物だけ。この世のどこを探しても、男にその能力を持つ者は居ない。
けど、もしもそうやって男を支配出来るのだとしたら、永井はまた同じ男を選ぶのだろう。
そしてまたきっと、過ちを犯すのだ。
何故、他を探そうとしなかったのか。何故、自分のパーティーにはディッシュが一人しか居なかったのか。
そんなの決まっている。
彼以上の男に出会えなかったからだ。
だけど、本人はそれに気付いていない。好きな男を他所に作り、浮気され、激情し、彼に八つ当たりした。彼が他の男と関係を持てば持つほど、何故かそれは永井の優越だった。
俺の颯太はナンバーワンだろ?
その優越に、完全に溺れていたのだ。見失ったのはそれが愛だったことだ。
会えなくなって、会うことが許されなくなって初めて気付く。あぁ……好きだったのか、と。
認めたくなくて否定を続ける毎日だけど、否定し続けなければならないほど、永井はずっと颯太へ思いを馳せていた。
「……颯太」
けど、彼の心を癒す事が出来る男は、颯太ではない。会ってしまえば、また二人は捻じ曲がった関係を築いてゆくのだろう。こんなにもお互い愛し合っているのに、そこにまともな愛情は存在しないから。
颯太は絶対の服従を。永井は颯太の共有を、また繰り返すだろう。それは、愛故に。
庄野を優しく抱けたなら、それはきっと救いなのだ。颯太にしてやれなかったことをすべて出来たのだから、庄野が永井の救いとなる。たとえ、いつか二人に終わりが来たとしても、その時には永井の心はきっと前を向いているだろう。
【完】
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