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第一章:ミステリアスでスリリング
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しおりを挟む ヒビキ「ハッピーバレンタイン♪」
クロード「おや、今日はしょっぱなから記念日の紹介ですか。いえ、今日も?」
ヒビキ「本日2月14日は『バレンタインデー』。前振りなんて必要ないくらい有名な記念日だからね」
クロード「確か、女性が意中の男性にチョコレートを贈る日でしたっけ?」
ヒビキ「チョコレート云々は日本のみの風習だけどね。はい、クロード」
クロード「ラッピングされた小箱? ……もしかして、これは」
ヒビキ「俺からクロードにハッピーバレンタイン!」
クロード「ヒ、ヒヒヒ、ヒビキ様から本命チョコ!? ドッキーン!」
ヒビキ「ただの友チョコだよ」
クロード「……そんな淡々と言わないでください。実際に他の意思があったらあったで問題ですけど、そうさらりと言われるのは切ないです」
ヒビキ「ほろ苦いチョコレートのように」
クロード「上手く言おうともしなくていいですよ……そういえば、意中の相手にチョコレートを贈るのはヒビキ様の国だけの風習とさっき仰っていましたが、外国ではどのように『バレンタインデー』を祝うのですか?」
ヒビキ「西欧では、性別に関係なく恋人や親しい人に花やケーキ、カードなどの贈り物をするのが一般的かな」
クロード「となると、ヒビキ様のやり方は西欧的には普通の行為ということですか」
ヒビキ「最近では日本でも割と自由になっているけどね。本命チョコに義理チョコ、友達に贈る友チョコに、確か男同士で贈るチョコは『強敵チョコ』だったはず」
クロード「……となると、私とヒビキ様にはライバル関係などないので、やはりこれは本命チョコということに――」
ヒビキ「ならないね」
クロード「なりませんか……そういえば、『バレンタインデー』というのは西欧で信仰されている聖人の記念日が由来だとか?」
ヒビキ「恋人たちの守護聖人『聖ウァレンティヌス』のことだね。3世紀頃にいたとされるキリスト教の聖職者で、当時のローマ皇帝が兵士に禁止していた結婚を彼が無視して執り行ったことが、記念日制定の由来じゃなかったかな」
クロード「そもそもなんで結婚を禁止していたんでしょう?」
ヒビキ「兵士の士気が下がる恐れがあるとかないとか」
クロード「むしろ結婚した方が士気は高まりそうな気もしますけど」
ヒビキ「離れたくない、戦って死にたくないから逃げたいと思うかもよ?」
クロード「逆に、生き残って帰るために全力で挑むかもしれませんよ?」
ヒビキ「要するに、どちらにでも解釈できるってことだよ。聖ウァレンティヌスも一種の悪法だと思ったから無視したのかもしれないね」
クロード「まさに愛の聖職者だったわけですね。1500年以上も前の出来事からこのような記念日が生まれるとは、これもまた愛ゆえでしょうか」
ヒビキ「愛の力は偉大だね」
クロード「愛の力……やはりこのチョコは本命チョ」
ヒビキ「じゃないから」
クロード「……食い気味に言い返さないでください。切ないです、寂しいです」
ヒビキ「それはそうと、来月の『ホワイトデー』はよろしくね」
クロード「ほわいとでー?」
ヒビキ「バレンタインデーにチョコをもらった人がお返しを贈る日だよ。基本は3倍返しだね。楽しみだなぁ、わくわく!」
クロード「3倍返し? ……まさか、それが目的で私にチョコをくれたとか……」
ヒビキ「わくわく♪」
クロード「……と、友チョコ! これは友愛の心がこもったチョコレート! 決して3倍返しのために贈られた打算的なチョコでは断じてない!」
ヒビキ「ソウダヨ、アイハアルヨー」
クロード「棒読みはやめてええええええええええええええ!」
★★★★★
その他の記念日『ふんどしの日』
※日本ふんどし協会が2011年に制定。
※『ふんどし』=『ふん(2)どし(14)』の語呂合わせ。
クロード「『ふん』も『どし』も、語呂合わせというには少々強引な気がします」
ヒビキ「クロード、ふんどし用意したよ」
クロード「履きませんよ?」
ヒビキ「しっぽがあるとどう巻いたらいいのかな?」
クロード「履きませんからね?」
ヒビキ「えーと、ここをこうしてこうやって……あ、ここをこうすればしっぽも」
クロード「絶対に履きませんからね!」
ヒビキ「見て、クロード。鎧を着たふんどし獣人画像に20万いいねが」
クロード「だから履かないって言ったのにいいいいいいい!」
クロード「おや、今日はしょっぱなから記念日の紹介ですか。いえ、今日も?」
ヒビキ「本日2月14日は『バレンタインデー』。前振りなんて必要ないくらい有名な記念日だからね」
クロード「確か、女性が意中の男性にチョコレートを贈る日でしたっけ?」
ヒビキ「チョコレート云々は日本のみの風習だけどね。はい、クロード」
クロード「ラッピングされた小箱? ……もしかして、これは」
ヒビキ「俺からクロードにハッピーバレンタイン!」
クロード「ヒ、ヒヒヒ、ヒビキ様から本命チョコ!? ドッキーン!」
ヒビキ「ただの友チョコだよ」
クロード「……そんな淡々と言わないでください。実際に他の意思があったらあったで問題ですけど、そうさらりと言われるのは切ないです」
ヒビキ「ほろ苦いチョコレートのように」
クロード「上手く言おうともしなくていいですよ……そういえば、意中の相手にチョコレートを贈るのはヒビキ様の国だけの風習とさっき仰っていましたが、外国ではどのように『バレンタインデー』を祝うのですか?」
ヒビキ「西欧では、性別に関係なく恋人や親しい人に花やケーキ、カードなどの贈り物をするのが一般的かな」
クロード「となると、ヒビキ様のやり方は西欧的には普通の行為ということですか」
ヒビキ「最近では日本でも割と自由になっているけどね。本命チョコに義理チョコ、友達に贈る友チョコに、確か男同士で贈るチョコは『強敵チョコ』だったはず」
クロード「……となると、私とヒビキ様にはライバル関係などないので、やはりこれは本命チョコということに――」
ヒビキ「ならないね」
クロード「なりませんか……そういえば、『バレンタインデー』というのは西欧で信仰されている聖人の記念日が由来だとか?」
ヒビキ「恋人たちの守護聖人『聖ウァレンティヌス』のことだね。3世紀頃にいたとされるキリスト教の聖職者で、当時のローマ皇帝が兵士に禁止していた結婚を彼が無視して執り行ったことが、記念日制定の由来じゃなかったかな」
クロード「そもそもなんで結婚を禁止していたんでしょう?」
ヒビキ「兵士の士気が下がる恐れがあるとかないとか」
クロード「むしろ結婚した方が士気は高まりそうな気もしますけど」
ヒビキ「離れたくない、戦って死にたくないから逃げたいと思うかもよ?」
クロード「逆に、生き残って帰るために全力で挑むかもしれませんよ?」
ヒビキ「要するに、どちらにでも解釈できるってことだよ。聖ウァレンティヌスも一種の悪法だと思ったから無視したのかもしれないね」
クロード「まさに愛の聖職者だったわけですね。1500年以上も前の出来事からこのような記念日が生まれるとは、これもまた愛ゆえでしょうか」
ヒビキ「愛の力は偉大だね」
クロード「愛の力……やはりこのチョコは本命チョ」
ヒビキ「じゃないから」
クロード「……食い気味に言い返さないでください。切ないです、寂しいです」
ヒビキ「それはそうと、来月の『ホワイトデー』はよろしくね」
クロード「ほわいとでー?」
ヒビキ「バレンタインデーにチョコをもらった人がお返しを贈る日だよ。基本は3倍返しだね。楽しみだなぁ、わくわく!」
クロード「3倍返し? ……まさか、それが目的で私にチョコをくれたとか……」
ヒビキ「わくわく♪」
クロード「……と、友チョコ! これは友愛の心がこもったチョコレート! 決して3倍返しのために贈られた打算的なチョコでは断じてない!」
ヒビキ「ソウダヨ、アイハアルヨー」
クロード「棒読みはやめてええええええええええええええ!」
★★★★★
その他の記念日『ふんどしの日』
※日本ふんどし協会が2011年に制定。
※『ふんどし』=『ふん(2)どし(14)』の語呂合わせ。
クロード「『ふん』も『どし』も、語呂合わせというには少々強引な気がします」
ヒビキ「クロード、ふんどし用意したよ」
クロード「履きませんよ?」
ヒビキ「しっぽがあるとどう巻いたらいいのかな?」
クロード「履きませんからね?」
ヒビキ「えーと、ここをこうしてこうやって……あ、ここをこうすればしっぽも」
クロード「絶対に履きませんからね!」
ヒビキ「見て、クロード。鎧を着たふんどし獣人画像に20万いいねが」
クロード「だから履かないって言ったのにいいいいいいい!」
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