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【結】 俺たちの答え

ー side 嵐 ー 1

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 兄ちゃんが壊れた。

 俺にはそう見える。
 毎日ニコニコ笑って今まで以上に従順になった。いつもはベッドの上でしかその態度を見せなかったのに。
 それは兄ちゃんが "兄ちゃん" をやめたことに直結してる。けど、兄ちゃんが "兄ちゃん" をやめたのに、それは俺の知る高島蘭真でもなくなった。

「兄ちゃん……」

 呼ぶとちゃんとこちらを見るけど、優しく笑って首を傾げる。

「もう兄ちゃんなんて呼ぶなよ」

 そんなことを言って……。
 でも俺の知る高島蘭真は、いつまで経っても "兄ちゃん" だ。そうであって欲しいと思う。あんなに年の差を憎らしく思っていたのに。

 けど、全然知らない高島蘭真になっても、俺は兄ちゃんを嫌いにはなれなくて、"兄ちゃん" をしている時より、ずっとずっと兄ちゃんの愛情を受け取ることが出来た。
 愛されてるって怖いほど感じるようになった。あの男じゃなくて、兄ちゃんは俺を選んだんだって自信も持てた。嬉しかった。幸せだった。

 けど、やっぱりどこか違うんだ。

 俺の上に跨り腰を振る兄ちゃん。頬を染めながら喘ぎ、ベッドを軋ませながら上下する。

 正月六日目。兄ちゃんは店をスタッフに任せ、オープンしてから初めて自分の休みを取った。真昼間からエッチしてる。おばさんは昨日から仕事が始まり、今日も出ている。

「んっ、ん、あぁ。すご……奥っ」

 兄ちゃんはエロい。本当にエッチだと思う。俺の上で腰を振りながら、自分の胸を弄って感じてるんだから。

「エッチだね、蘭真」

 一人で動いてくれる兄ちゃんを見上げて言うと、また更に頬を染めながら、きっとさっきより強めにその突起を摘んで捻った。

「んぅぁッ!」

 俺は何もしてない。全部兄ちゃんが一人でしてる。なのに兄ちゃんはエッチな目で俺を見下ろし、「馬鹿ぁ」と甘えた声を出した。

 何なんだよ……なんなんだよ、これ。


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