28 / 60
【結】 俺たちの答え
3
しおりを挟む
わざわざそんな事言わなくていいんだよ! これじゃ五月蝿い寺島と同じじゃないか。お前は大人しくて紳士的な男じゃないのかよ!
恥ずかしくて、せめてもの抵抗として体を引き離してやろうとしたのだが、それよりも強い力で抱きしめ返される。
「ごめん……。嬉しくて、泣きそう」
そう言ったかと思ったら、本当に耳元で泣き出し「好きだよ」って何度も囁かれた。
何故こんな事で嵐が泣くのか分からなかったけど、やっぱり昨夜感じた嵐の ”寂しさ” や ”不安” は、ちゃんと嵐の中にあるんだと思った。
やっぱり……嵐は、あの頃の俺だ。
きっと俺がいくら愛してると言っても、満足しないんだろう。お前しかいないと、お前がいないと生きられないと、寺島みたいな言葉を伝えたところで、嵐はきっと全部を疑う。信用しない。……俺と同じように。
「……なぁ、嵐」
すすり泣く嵐の背中を優しく撫で、もう動いてくれない二本の指を体から引き抜いた。
「俺……大人だよな」
もしも年齢がもう少し近ければ、俺たちはこんなに迷わずに済んだのだろう。
「ごめんな……。兄ちゃん、お前より大人で……」
泣き崩れる嵐を支えて、俺は椅子を降り、二人でフローリングに座り込む。ひんやりした床は俺の興奮した体を一気に冷ましていくみたいだ。
「怖いよな……、不安だよな? すげぇ分かるよ。なのに俺は、”早く追いつかなきゃ” ってお前が焦ってんのも分かっちまうような大人で……ほんとごめん」
ボロボロになって泣く嵐から体を引き離し、俺は脱ぎかけのズボンをすべて下ろし、嵐の手を引いた。
「見せてやる。俺がどんだけお前のこと思って……毎日オナってんのか」
涙のこぼれる瞳を大きく見開いた嵐を強引にベッドへ座らせ、俺は寺島にさえ見せなかった自慰を嵐に見せた。
どんだけ大人ぶってても、こんなにもお前に振り回される俺がいるんだって、ちゃんと嵐に見せたかった。
後ろも前も乳首も弄って、嵐の名前を呼び、瞬きを忘れてるんじゃないかってくらい凝視してくる嵐の瞳に犯されて、俺は射精した。
「お前のこと好きだよ。理性ぶっ飛びそうなほど気が狂いそうになる時がある。じゃなきゃこんなことしねぇよ」
掌にべっとりと付いた体液を見せ、俺はズボンの下で硬く反り返っている嵐の股間へ視線を移した。
「俺は大人だから、やっぱり……どうしても色々考える。お前の将来も俺の将来も考える。それでも、今は毎日こうやってお前の名前ばっかり呼んでる」
「まい……にち?」
「毎日。お前全然触れてこないから、こうでもしねぇと俺溜まりすぎて死ぬわ」
カッとまた赤面した嵐はモジモジと俯き、俺の掌の体液と自分の股間を申し訳なさそうにチラチラと見た。そして控えめに聞いてくる。
「兄ちゃん……俺のこと、好き?」
……ほらな。やっぱり疑ってる。
「逆にどう見えてるんだ?」
聞き返した質問の答えは帰ってこなくて、俺は俯く嵐の隣にぴったりと寄り添った。
「好きだよ。寡黙なところも、見栄っ張りなところも、ちょっと冷めてるところも魅力的だと思ってる」
「俺、冷めてないし」
「冷めてるよ、馬鹿」
「見栄っ張りでもねぇし」
「アホか。泣くの我慢してたろ」
「コレは嬉し泣きだし!」
そう言って叫ぶと、嵐は俺をベッドへ押し倒し、息まで飲み込んでいくようなキスをしてくれた。
そう……。こういうのを待ってた。こういうのをずっと待ち続けてるんだよ、いつも。
「嵐……っ! 愛してる。俺の理性、壊すくらいに……抱いてくれ!」
恥ずかしくて、せめてもの抵抗として体を引き離してやろうとしたのだが、それよりも強い力で抱きしめ返される。
「ごめん……。嬉しくて、泣きそう」
そう言ったかと思ったら、本当に耳元で泣き出し「好きだよ」って何度も囁かれた。
何故こんな事で嵐が泣くのか分からなかったけど、やっぱり昨夜感じた嵐の ”寂しさ” や ”不安” は、ちゃんと嵐の中にあるんだと思った。
やっぱり……嵐は、あの頃の俺だ。
きっと俺がいくら愛してると言っても、満足しないんだろう。お前しかいないと、お前がいないと生きられないと、寺島みたいな言葉を伝えたところで、嵐はきっと全部を疑う。信用しない。……俺と同じように。
「……なぁ、嵐」
すすり泣く嵐の背中を優しく撫で、もう動いてくれない二本の指を体から引き抜いた。
「俺……大人だよな」
もしも年齢がもう少し近ければ、俺たちはこんなに迷わずに済んだのだろう。
「ごめんな……。兄ちゃん、お前より大人で……」
泣き崩れる嵐を支えて、俺は椅子を降り、二人でフローリングに座り込む。ひんやりした床は俺の興奮した体を一気に冷ましていくみたいだ。
「怖いよな……、不安だよな? すげぇ分かるよ。なのに俺は、”早く追いつかなきゃ” ってお前が焦ってんのも分かっちまうような大人で……ほんとごめん」
ボロボロになって泣く嵐から体を引き離し、俺は脱ぎかけのズボンをすべて下ろし、嵐の手を引いた。
「見せてやる。俺がどんだけお前のこと思って……毎日オナってんのか」
涙のこぼれる瞳を大きく見開いた嵐を強引にベッドへ座らせ、俺は寺島にさえ見せなかった自慰を嵐に見せた。
どんだけ大人ぶってても、こんなにもお前に振り回される俺がいるんだって、ちゃんと嵐に見せたかった。
後ろも前も乳首も弄って、嵐の名前を呼び、瞬きを忘れてるんじゃないかってくらい凝視してくる嵐の瞳に犯されて、俺は射精した。
「お前のこと好きだよ。理性ぶっ飛びそうなほど気が狂いそうになる時がある。じゃなきゃこんなことしねぇよ」
掌にべっとりと付いた体液を見せ、俺はズボンの下で硬く反り返っている嵐の股間へ視線を移した。
「俺は大人だから、やっぱり……どうしても色々考える。お前の将来も俺の将来も考える。それでも、今は毎日こうやってお前の名前ばっかり呼んでる」
「まい……にち?」
「毎日。お前全然触れてこないから、こうでもしねぇと俺溜まりすぎて死ぬわ」
カッとまた赤面した嵐はモジモジと俯き、俺の掌の体液と自分の股間を申し訳なさそうにチラチラと見た。そして控えめに聞いてくる。
「兄ちゃん……俺のこと、好き?」
……ほらな。やっぱり疑ってる。
「逆にどう見えてるんだ?」
聞き返した質問の答えは帰ってこなくて、俺は俯く嵐の隣にぴったりと寄り添った。
「好きだよ。寡黙なところも、見栄っ張りなところも、ちょっと冷めてるところも魅力的だと思ってる」
「俺、冷めてないし」
「冷めてるよ、馬鹿」
「見栄っ張りでもねぇし」
「アホか。泣くの我慢してたろ」
「コレは嬉し泣きだし!」
そう言って叫ぶと、嵐は俺をベッドへ押し倒し、息まで飲み込んでいくようなキスをしてくれた。
そう……。こういうのを待ってた。こういうのをずっと待ち続けてるんだよ、いつも。
「嵐……っ! 愛してる。俺の理性、壊すくらいに……抱いてくれ!」
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
困窮フィーバー
猫宮乾
BL
藍円寺は、新南津市街地からは少し離れた集落の、住宅街の坂道を登った先にある、ほぼ廃寺だ。住職である俺は……なお、霊は視えない。しかし、祓えるので除霊のバイトで生計を立てている。常々肩こりで死にそうなマッサージ店ジプシーだ。そんな俺はある日、絢樫Cafe&マッサージと出会った。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
英雄の帰還。その後に
亜桜黄身
BL
声はどこか聞き覚えがあった。記憶にあるのは今よりもっと少年らしい若々しさの残る声だったはずだが。
低くなった声がもう一度俺の名を呼ぶ。
「久し振りだ、ヨハネス。綺麗になったな」
5年振りに再会した従兄弟である男は、そう言って俺を抱き締めた。
──
相手が大切だから自分抜きで幸せになってほしい受けと受けの居ない世界では生きていけない攻めの受けが攻めから逃げようとする話。
押しが強めで人の心をあまり理解しないタイプの攻めと攻めより精神的に大人なせいでわがままが言えなくなった美人受け。
舞台はファンタジーですが魔王を倒した後の話なので剣や魔法は出てきません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる