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【承】 祝福の花火
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ピザの匂いがする部屋で、二度目の夜を過ごした。今度はちゃんと、ゴムもローションも準備してある。
体の中を行き来する嵐は高校生らしくもなく、あまりがっついた様子がない。前回の行為とは全然違った。
「どこがいいの? 教えて」
そんなことを聞いてくるんだ。
「ここ? ……こっち? それとも……」
そう言って最奥を目掛けて一気に入り込んでくるから、体は自然と跳ね上がった。
無理やりねじ込まれてくる奥の奥。ガクガクと腰が揺れた。
「奥がいいの?」
いや、違う。そうじゃない。
そう否定したいのに、体は正直だ。足の付け根から嵐に密着させられ、俺の体は上下左右にゆらゆらと揺さぶられた。
奥へ刺激が与えられる度に、その振動に体が悦ぶ。
凄い。元彼とは確かに体の相性が良かったが、嵐のは単純に硬いから、今まで受けてきた刺激とは比べ物にならない。あまり使ったことはないけど、大人の玩具に似た "萎えない硬さ" を誇っている。
「あっ、あら……し!」
体が大きく外へ逸れてしまう強い刺激だ。
「気持ちいい?」
聞かれ、俺は目を閉じこくこくと頷いた。
「気持ちイイっ、キモチイイ!」
嵐は俺の "気持ちイイ" に気を良くしたのか否か、更に奥へと入り込もうとする。
「あああぁっ! すご…! んふぅ、あっあ…!」
今まで届いたことのないような場所に刺激を与えられ、俺は瞬く間に果てた。
三日間、この二週間分を取り戻すようにキスをしてエッチをした。なんで二週間も触れてこなかったんだと尋ねると、嵐は眉を寄せて俺を睨んだ。
「ちゃぶ台挟んで向かいにしか座らないから、そういうの実家でするの嫌なのかと思って」
気を遣いすぎだろ。けどまぁ、まだ高校生だしな。そういうのも俺から誘ってやるべきだったのかもしれない。
「ホントはしたかった?」
意地悪に聞くと真っ赤になりながらそっぽ向く。それが堪らなく可愛くて、俺は嵐の腕を引き寄せて抱きしめた。
「俺はしたかったよ。なんで触れてこないのかって、ちょっと不安だった」
馬鹿だなそんなこと、と言ってくれるかなと期待したけど、反応はまったく予想外で、「違うだろ!」と腕の中で俺を振り返った。
「それ、俺のセリフだし!」
俺から誘えってこと? まぁ、別にいいんだけど……。
「俺はどう頑張ったってまだガキだしっ、なんか、やっぱり……俺じゃダメなのかなって……明日にでも振られるのかなって毎日……」
そうか、それは悪かった。だけど……。
「俺はお前が現実を見たんだと思った」
最後まで聞かず言葉を返してしまった俺に嵐は首を傾げた。
「俺が三十過ぎたおっさんだってことを、自覚してしまったんだと……」
「馬鹿じゃねぇの!? だったら毎日会いに行くわけないじゃん! 三十過ぎても四十過ぎても、兄ちゃんのこと好きだよ!」
四十……過ぎても?
十年後、俺は四十一歳で嵐は二十八歳だ。嵐は一番いい時期。きっと素敵な大人になってる。楽しいことも辛いことも経験して、魅力的になっているだろう。それに引き換え俺は……。
体の中を行き来する嵐は高校生らしくもなく、あまりがっついた様子がない。前回の行為とは全然違った。
「どこがいいの? 教えて」
そんなことを聞いてくるんだ。
「ここ? ……こっち? それとも……」
そう言って最奥を目掛けて一気に入り込んでくるから、体は自然と跳ね上がった。
無理やりねじ込まれてくる奥の奥。ガクガクと腰が揺れた。
「奥がいいの?」
いや、違う。そうじゃない。
そう否定したいのに、体は正直だ。足の付け根から嵐に密着させられ、俺の体は上下左右にゆらゆらと揺さぶられた。
奥へ刺激が与えられる度に、その振動に体が悦ぶ。
凄い。元彼とは確かに体の相性が良かったが、嵐のは単純に硬いから、今まで受けてきた刺激とは比べ物にならない。あまり使ったことはないけど、大人の玩具に似た "萎えない硬さ" を誇っている。
「あっ、あら……し!」
体が大きく外へ逸れてしまう強い刺激だ。
「気持ちいい?」
聞かれ、俺は目を閉じこくこくと頷いた。
「気持ちイイっ、キモチイイ!」
嵐は俺の "気持ちイイ" に気を良くしたのか否か、更に奥へと入り込もうとする。
「あああぁっ! すご…! んふぅ、あっあ…!」
今まで届いたことのないような場所に刺激を与えられ、俺は瞬く間に果てた。
三日間、この二週間分を取り戻すようにキスをしてエッチをした。なんで二週間も触れてこなかったんだと尋ねると、嵐は眉を寄せて俺を睨んだ。
「ちゃぶ台挟んで向かいにしか座らないから、そういうの実家でするの嫌なのかと思って」
気を遣いすぎだろ。けどまぁ、まだ高校生だしな。そういうのも俺から誘ってやるべきだったのかもしれない。
「ホントはしたかった?」
意地悪に聞くと真っ赤になりながらそっぽ向く。それが堪らなく可愛くて、俺は嵐の腕を引き寄せて抱きしめた。
「俺はしたかったよ。なんで触れてこないのかって、ちょっと不安だった」
馬鹿だなそんなこと、と言ってくれるかなと期待したけど、反応はまったく予想外で、「違うだろ!」と腕の中で俺を振り返った。
「それ、俺のセリフだし!」
俺から誘えってこと? まぁ、別にいいんだけど……。
「俺はどう頑張ったってまだガキだしっ、なんか、やっぱり……俺じゃダメなのかなって……明日にでも振られるのかなって毎日……」
そうか、それは悪かった。だけど……。
「俺はお前が現実を見たんだと思った」
最後まで聞かず言葉を返してしまった俺に嵐は首を傾げた。
「俺が三十過ぎたおっさんだってことを、自覚してしまったんだと……」
「馬鹿じゃねぇの!? だったら毎日会いに行くわけないじゃん! 三十過ぎても四十過ぎても、兄ちゃんのこと好きだよ!」
四十……過ぎても?
十年後、俺は四十一歳で嵐は二十八歳だ。嵐は一番いい時期。きっと素敵な大人になってる。楽しいことも辛いことも経験して、魅力的になっているだろう。それに引き換え俺は……。
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