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【承】 祝福の花火
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その夜、嵐に抱かれた。
出会って数時間で俺達は一体何をやっているんだろうか。誰もいない林の中で嵐に抱かれ、久しぶりに元彼じゃない男のモノを受け入れた。
ぶっちゃけたこと言うと若いからなのか結構硬い。突かれる度に受ける衝撃が半端ない。しかも容赦なく中出しだ。一回だけだと言ったのに何度も出しやがった。何度も中に出され何度もキスをされた。そして何度も好きだと言われた。
嫌な気はしなかった。それでも高校生相手に「好き」という告白の答えを真剣に考えるのが怖くて、返事を持ち帰ってしまった。
翌朝、ゼリーを作った。
嵐が好きだったブルーハワイのゼリーと、元彼が好きだったブラッドオレンジのジュレ……。
ゼリーを作りながら、「嵐もゼリーが好きだったんだよな」と改めて思い返した。
彼氏が好きだったオレンジゼリー。思い出すと寂しくてまた泣きそうになる。
ゼリーを二つ作ったのは賭けみたいなもの。真新しいモノに目が眩み、嵐がオレンジを選んだら、きっと俺にもすぐ飽きるんだろうって。でもたぶんブルーハワイのゼリーを選ぶだろうと心の奥では分かってて、俺は賭けにならない賭けで、嵐の側を選んでしまった。
倒れたオレンジのゼリーは、全部を掬い取れぬままゴミ箱へと捨てることになった。
長かった彼氏との七年間。けどそのおよそ倍。嵐はずっと俺を待ってくれていた。
当時の嵐は幼稚園児。どこまで本気で待っていたのかなんて分からないけど、RUN! と書かれたキャップが、それを言葉なく物語っているような気がした。
けど俺はもう三十路過ぎのおっさんで、嵐はまだ高校三年生。すごく大切な時期だ。俺はこいつの "将来" の足でまといになってはいけない。かといって純粋なこいつの想いを踏みにじるのも間違ってる。嵐の遊びに付き合ってやったあの頃のように、こいつの恋愛ごっこに付き合うなんてそれは絶対に違うから……。
だけど、このままずっと側に居続けることは叶わないし、願うべきではない。
どうせ俺は結婚なんて出来ないしするつもりもない。時間に制限がある訳じゃないから、"この恋が最後" なんて乙女チックな恋愛はないけど、若者のように「次、次!」と先を夢見て終わってしまうようなインスタントな恋愛はさすがに出来ない。
結婚という "最後の恋愛" はないから、別れれば必然と次を探すのだろうけど、使い捨てるのも使い捨てられるのもごめんだ。
だけど、嵐は記憶の中の俺に恋してるだけ。きっとすぐにこの恋愛は走り去っていく。きっと、すぐだ……。
出会って数時間で俺達は一体何をやっているんだろうか。誰もいない林の中で嵐に抱かれ、久しぶりに元彼じゃない男のモノを受け入れた。
ぶっちゃけたこと言うと若いからなのか結構硬い。突かれる度に受ける衝撃が半端ない。しかも容赦なく中出しだ。一回だけだと言ったのに何度も出しやがった。何度も中に出され何度もキスをされた。そして何度も好きだと言われた。
嫌な気はしなかった。それでも高校生相手に「好き」という告白の答えを真剣に考えるのが怖くて、返事を持ち帰ってしまった。
翌朝、ゼリーを作った。
嵐が好きだったブルーハワイのゼリーと、元彼が好きだったブラッドオレンジのジュレ……。
ゼリーを作りながら、「嵐もゼリーが好きだったんだよな」と改めて思い返した。
彼氏が好きだったオレンジゼリー。思い出すと寂しくてまた泣きそうになる。
ゼリーを二つ作ったのは賭けみたいなもの。真新しいモノに目が眩み、嵐がオレンジを選んだら、きっと俺にもすぐ飽きるんだろうって。でもたぶんブルーハワイのゼリーを選ぶだろうと心の奥では分かってて、俺は賭けにならない賭けで、嵐の側を選んでしまった。
倒れたオレンジのゼリーは、全部を掬い取れぬままゴミ箱へと捨てることになった。
長かった彼氏との七年間。けどそのおよそ倍。嵐はずっと俺を待ってくれていた。
当時の嵐は幼稚園児。どこまで本気で待っていたのかなんて分からないけど、RUN! と書かれたキャップが、それを言葉なく物語っているような気がした。
けど俺はもう三十路過ぎのおっさんで、嵐はまだ高校三年生。すごく大切な時期だ。俺はこいつの "将来" の足でまといになってはいけない。かといって純粋なこいつの想いを踏みにじるのも間違ってる。嵐の遊びに付き合ってやったあの頃のように、こいつの恋愛ごっこに付き合うなんてそれは絶対に違うから……。
だけど、このままずっと側に居続けることは叶わないし、願うべきではない。
どうせ俺は結婚なんて出来ないしするつもりもない。時間に制限がある訳じゃないから、"この恋が最後" なんて乙女チックな恋愛はないけど、若者のように「次、次!」と先を夢見て終わってしまうようなインスタントな恋愛はさすがに出来ない。
結婚という "最後の恋愛" はないから、別れれば必然と次を探すのだろうけど、使い捨てるのも使い捨てられるのもごめんだ。
だけど、嵐は記憶の中の俺に恋してるだけ。きっとすぐにこの恋愛は走り去っていく。きっと、すぐだ……。
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