独り言。

他人の君はもういらない

　死んで欲しい。

　
　私のものにならない君はいらない。

　いつも私といた時間に君は違う女の子と身体を重ねて、可愛い言葉を紡ぐんだろうね。

　そんなの嫌。

　行為の跡をつけるのも、甘い言葉を囁くのも私だけにして欲しい。

　他の誰にもしないで欲しい。

　わかってる。都合の良い関係だって。
　でも、それでも、私は君が好きだから。

　このどうしようもない感情をどうしたらいいんだろう。

　行き場のない感情が、ずっと自分の中を渦巻いている。

　いつものように切ったら楽になるのだろうか。

　でも、次切るときはほんとに、この世を去るときだと自分の中で決めてるから。


　だから、まだ大丈夫。


　切りたい、でもまだダメだ。
　ちゃんと理性が働いてる。

　だから、今日も私は君の連絡を待ちながら、今日を生きる。


ー・・・


　でも、気づいたら君が真っ赤に染まってる。


　どうして？？

　
　君といるのを生き甲斐にしてたのに、どうして君は消えてしまいそうなの？

　
　あぁ、そうか。


　私、刺しちゃったんだ。


　隣には知らない裸の女が悲鳴をあげている。

　あぁ、五月蝿いなぁ。



ー・・・



　あれ？静かになった？

　あんなに甲高い声をあげていたのに？

　あぁ、そっか、彼女も消えたんだ。

　でも、彼の隣にいて良いのは、私だけなの。

　だから、そこをどいて。

　彼女は宙に浮き、ベランダから真っ逆様に落ちていく。


　これで、君は私のモノだね。

　やっと手に入った。

　この手もこの顔も肢体も、全部。

　大丈夫、君を1人にはしないから。


　
　私もすぐ、


「君のそばに行くよ」


　私も彼とお揃いの色に染まる。

　ゆっくりと彼の胸へとそのまま身を沈める。

　あれ？私が切るときは人生を終える時って決めてたのに、どうして切っちゃったんだろう。



　あぁ、そうか。

　君の元に行くためだもんね。

　それならしょうがないよね。


　一生離さない。

　彼と私の指を絡めてそのまま私は深い眠りにつく。

　
　とっても幸せな私の夢物語ー・・・


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