独り言。

嗜虐心

　自分に振り回されてる女を見るたびに、高揚感に包まれた。

　あぁ、こんなにも俺のことが好きなのかと、切望しているのかと、なんとも言えない胸が締め付けられるのを感じた。

　
　特にアイツは自分の嗜虐心を煽られた。


　基本的には優しいフリをして女を沼らせるが、アイツには優しくしても上部だけだと見透かされる。
　だから、このままの自分でいられる。

　偽りのない自分だと適当にしかアイツに接していない。
　
　それなのに、アイツはめげずに俺に会いに来る。

　けしてMとかそういう性質では、夜の感じではなさそうなんだが、めげずに来る。

　何度適当に扱おうと、何度ドタキャンしようと、傷つけても。

　自分でも仮にも女なんだから、やめてあげれば良いのにと思うけど、他の女の話をした時とかのあの顔が何回見ても、飽きない。なんなら、もっと見たいと、自分だけにその感情を向けて欲しいと思う。

　一度、自分に会う前に他の男に会っていたと言われた時は、何度も何度もその体に自分の痕を残した。

　付き合ってもいないのに、柄にもなく首にもつけそうになって、それは何とか抑えた。

　でも、アイツはもっとつけて欲しそうに欲してる顔をしてた。

　その顔はなんだと思いながら、アイツを振り回してるのは自分だと思いつつ、実は自分が振り回されてるんじゃないかと感じる。


　でも、そうだな、とりあえずは今日も可愛い声で鳴いて欲しいー・・・


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