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第2堡塁の衝撃
第93話 第1堡塁の全機能が、、、
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「敵の守備隊が、投降し続けています、数はそれほど多くはありませんが、ルールブックに基づいて、捕虜として拘束するで良いでしょうか?」
第一線に到着した徒歩兵部隊が、敵の投降を確認、これによって、第2堡塁攻略戦の戦いは、一応のひと段落を得たのである。
「徒歩兵部隊は、第2堡塁の安全化を速やかに実施、抵抗するものは倒して構わないが、必ず投降を呼びかけること」
指揮所は、再び歓声に包まれた、なんと、二日連続で、難航不落の堡塁を陥落させたのだから。
しかし、この陥落に一喜一憂していられないことを理解していたのは、龍二だけである。
「ええ?、それは本当ですか?、」
指揮所の中で、経塚生徒が第1堡塁側と通信しながら、少し慌てていた。
「どうしたの?、経塚君」
優が尋ねると、経塚生徒はゆっくりと振り返り、優と龍二に報告した。
「たった今、第1堡塁から連絡が入りました、、、、第1堡塁の全機能が停止、、、指揮所も停電状態で、要塞砲も動かなくなった、とのことです」
指揮所の一同は、一体何が起こったのかが理解出来ないでいた。
そんな中でも、龍二は少しリラックスした表情でいた。
城島はそれが気に入らなかった。
「おい、三枝、お前、また解っていたって顔しているが、これは一体、何が起こったんだ」
城島がそう言うと、龍二はルールブックの122ページとだけ伝えた。
優が、ハッと気づき、慌ててルールブックの122ページ目を開くと、そこには、捕虜に関する項目の補足事項にこう書かれていた。
≪投降する兵士は、捕虜として国際法に基づき正しく扱うこと。自軍の兵器や器資材は、捕虜として投降した場合のみ、破壊行為として認定され、生きたまま敗走した場合の破壊行為は、これを無効とする≫
優は、ワナワナと震え出した。
これは、当然読み込んだ内容ではあったが、自分たちがこれまで第1堡塁の機能を丸一日使用出来ていたため、すっかり失念していたのである。
「、、、、これって、、。」
「ああ、昨日の第1堡塁陥落時には、捕虜が一人も出ていない、つまり破壊行為は全て無効に出来る。しかし、今日は初めて捕虜が出た、つまり破壊行為が認定されてしまうんだ、第2堡塁には第1堡塁の操作機能が付いているが、捕虜が出る前では、破壊が認定されないから、第2堡塁から最初の捕虜が出るまでは、第1堡塁は使えるという仕組みさ」
優は、その一言を聞いて、落胆した。
そう、龍二は第1堡塁の要塞砲を撃ち尽くせと命じた言葉の裏に、もう使えなくなると言う事を理解した上で命じたのである。
そんなことは、全く予想もしないで指揮官に意見したことに、自分が如何に浮かれていたかを後悔した。
優はそれっきり、やや俯き加減になりながら、沈黙してしまった。
そんなやり取りを見た参謀部のメンバーは、優にも、そして龍二にも、一体何と言って声を掛けたらいいのかすら解らないでいたのだ。
そして、第2堡塁を制圧中の徒歩兵部隊から、第2堡塁の完全制圧が完了したとの報告が入ると、歓声とため息が指揮所を満たすのである。
この時、なんとまだ時間は、昼前の11時であった。
この日は早朝5時から攻撃準備射撃を開始して、ほぼ半日でこの第2堡塁を陥落させたことになる。
これには54連隊の古参兵たちも、少し度肝を抜かれた様子だった。
俺たちの大将は、とんでもない奴らしい、と。
第一線に到着した徒歩兵部隊が、敵の投降を確認、これによって、第2堡塁攻略戦の戦いは、一応のひと段落を得たのである。
「徒歩兵部隊は、第2堡塁の安全化を速やかに実施、抵抗するものは倒して構わないが、必ず投降を呼びかけること」
指揮所は、再び歓声に包まれた、なんと、二日連続で、難航不落の堡塁を陥落させたのだから。
しかし、この陥落に一喜一憂していられないことを理解していたのは、龍二だけである。
「ええ?、それは本当ですか?、」
指揮所の中で、経塚生徒が第1堡塁側と通信しながら、少し慌てていた。
「どうしたの?、経塚君」
優が尋ねると、経塚生徒はゆっくりと振り返り、優と龍二に報告した。
「たった今、第1堡塁から連絡が入りました、、、、第1堡塁の全機能が停止、、、指揮所も停電状態で、要塞砲も動かなくなった、とのことです」
指揮所の一同は、一体何が起こったのかが理解出来ないでいた。
そんな中でも、龍二は少しリラックスした表情でいた。
城島はそれが気に入らなかった。
「おい、三枝、お前、また解っていたって顔しているが、これは一体、何が起こったんだ」
城島がそう言うと、龍二はルールブックの122ページとだけ伝えた。
優が、ハッと気づき、慌ててルールブックの122ページ目を開くと、そこには、捕虜に関する項目の補足事項にこう書かれていた。
≪投降する兵士は、捕虜として国際法に基づき正しく扱うこと。自軍の兵器や器資材は、捕虜として投降した場合のみ、破壊行為として認定され、生きたまま敗走した場合の破壊行為は、これを無効とする≫
優は、ワナワナと震え出した。
これは、当然読み込んだ内容ではあったが、自分たちがこれまで第1堡塁の機能を丸一日使用出来ていたため、すっかり失念していたのである。
「、、、、これって、、。」
「ああ、昨日の第1堡塁陥落時には、捕虜が一人も出ていない、つまり破壊行為は全て無効に出来る。しかし、今日は初めて捕虜が出た、つまり破壊行為が認定されてしまうんだ、第2堡塁には第1堡塁の操作機能が付いているが、捕虜が出る前では、破壊が認定されないから、第2堡塁から最初の捕虜が出るまでは、第1堡塁は使えるという仕組みさ」
優は、その一言を聞いて、落胆した。
そう、龍二は第1堡塁の要塞砲を撃ち尽くせと命じた言葉の裏に、もう使えなくなると言う事を理解した上で命じたのである。
そんなことは、全く予想もしないで指揮官に意見したことに、自分が如何に浮かれていたかを後悔した。
優はそれっきり、やや俯き加減になりながら、沈黙してしまった。
そんなやり取りを見た参謀部のメンバーは、優にも、そして龍二にも、一体何と言って声を掛けたらいいのかすら解らないでいたのだ。
そして、第2堡塁を制圧中の徒歩兵部隊から、第2堡塁の完全制圧が完了したとの報告が入ると、歓声とため息が指揮所を満たすのである。
この時、なんとまだ時間は、昼前の11時であった。
この日は早朝5時から攻撃準備射撃を開始して、ほぼ半日でこの第2堡塁を陥落させたことになる。
これには54連隊の古参兵たちも、少し度肝を抜かれた様子だった。
俺たちの大将は、とんでもない奴らしい、と。
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