352 / 390
「Y号作戦」の発動
第350話 軍師エムディ、再び
しおりを挟む
「マーベリック・デイモンド少佐、、、、」
それが一体何だと言うのだ。
マーシャンは、この名前に、何か秘密があるような素振りを見せた。
「GFは、エラーサイトでマーベリック艦長の事を聞いていたはずです、解りませんか?」
え?、マーベリック・デイモンド、、、、マーベリック「M」、デイモンド「D」
イニシャルでMDだよな、、、、MD、、、おい、、そう言うことなのか?
「まさか、軍師エムディ、奴がマーベリック・デイモンド艦長だったのか?」
マーシャンは、小さく頷く。
それは恐ろしい事でもあった、エムディと言う名前ではなく、そもそも頭文字を名前として使っていたなんて。
あの、マグネラ包囲戦も、オルコアの虐殺も、全てあいつが仕掛けて来たことだ。
巨人族の子供を串刺しにして、生きたまま燃やすような頭のおかしい男、それがあの艦長だったと言うのか。
「おいユウスケ、それは本当か?」
自身の子供も手に掛けられたゼンガは、その表情を一変させた。
我が子の仇、それがあれほど近くにいたなんて。
あの時、足ではなく、心臓を撃っておくべきだったと、俺はとどめを刺さなかったことを後悔した。
それは、ゼンガも同じらしく、やり場のない怒りを待機室に充満させていた。
「玲子君は、それに気付いていたのか?」
「はい、横須賀基地から発せられた通信は、非常に微弱でしたが、逆に、私達の通信も、キル・ザ・ドールに察知されますから、どうしても通信が出来なかったのです」
そう言う事情か。
それでも、その後、俺と桜子さんは、何度か会っているし、横須賀基地内で二人っきりで会ってもいた、、、、あの時、既に玲子君は記憶を取り戻していたということか?、おいおい、マジで恥ずかしいんだけど。
、、、それで、あの時、玲子君は切ない表情を見せたのか。
いや、待てよ、通信が出来ないのであれば、せめて肉声で俺に伝えてくれれば良かったんじゃないか?
どうも腑に落ちない状況ではあったが、これで今回の中心座標がはっきりしたな。
「つまり、中心座標は、駆逐艦ベニオンでいいんだよな」
すると、玲子君は、少し歯切れが悪く「はい」とだけ答え、それ以上、何も答えなかった。
それにしても、玲子君は、見事に桜子さんを演じていたんだな。
あんなに泣いて、俺恥ずかしいわ、もう。
📶『あの時は、本当に申し訳ありませんでした、どうしても確認しなければならない事がありまして」
玲子君が、この距離だと言うのに通信を使って俺に話してきた。
どうも、この話は、まだ何か裏があるように感じられた。
「艦長、日の入りから1時間が経過しました、どうされますか?」
14潜は、潜水艦の中でも別格に巨大だ。
それだけに、速度を出すのであれば、潜行状態よりも浮上して航行した方が早い上に、蓄電池を気にしなくて良い分、効率がいい。
「よし、艦を浮上させる、甲型の搭乗員は、一応配置に付いてくれ、140mm砲の射撃も準備だ」
潜水航行をしていた14潜は、艦首を上に傾けると、浮上準備に取り掛かった。
津軽海峡まではもう少しある、頼むぞ、位置がバレませんように
それが一体何だと言うのだ。
マーシャンは、この名前に、何か秘密があるような素振りを見せた。
「GFは、エラーサイトでマーベリック艦長の事を聞いていたはずです、解りませんか?」
え?、マーベリック・デイモンド、、、、マーベリック「M」、デイモンド「D」
イニシャルでMDだよな、、、、MD、、、おい、、そう言うことなのか?
「まさか、軍師エムディ、奴がマーベリック・デイモンド艦長だったのか?」
マーシャンは、小さく頷く。
それは恐ろしい事でもあった、エムディと言う名前ではなく、そもそも頭文字を名前として使っていたなんて。
あの、マグネラ包囲戦も、オルコアの虐殺も、全てあいつが仕掛けて来たことだ。
巨人族の子供を串刺しにして、生きたまま燃やすような頭のおかしい男、それがあの艦長だったと言うのか。
「おいユウスケ、それは本当か?」
自身の子供も手に掛けられたゼンガは、その表情を一変させた。
我が子の仇、それがあれほど近くにいたなんて。
あの時、足ではなく、心臓を撃っておくべきだったと、俺はとどめを刺さなかったことを後悔した。
それは、ゼンガも同じらしく、やり場のない怒りを待機室に充満させていた。
「玲子君は、それに気付いていたのか?」
「はい、横須賀基地から発せられた通信は、非常に微弱でしたが、逆に、私達の通信も、キル・ザ・ドールに察知されますから、どうしても通信が出来なかったのです」
そう言う事情か。
それでも、その後、俺と桜子さんは、何度か会っているし、横須賀基地内で二人っきりで会ってもいた、、、、あの時、既に玲子君は記憶を取り戻していたということか?、おいおい、マジで恥ずかしいんだけど。
、、、それで、あの時、玲子君は切ない表情を見せたのか。
いや、待てよ、通信が出来ないのであれば、せめて肉声で俺に伝えてくれれば良かったんじゃないか?
どうも腑に落ちない状況ではあったが、これで今回の中心座標がはっきりしたな。
「つまり、中心座標は、駆逐艦ベニオンでいいんだよな」
すると、玲子君は、少し歯切れが悪く「はい」とだけ答え、それ以上、何も答えなかった。
それにしても、玲子君は、見事に桜子さんを演じていたんだな。
あんなに泣いて、俺恥ずかしいわ、もう。
📶『あの時は、本当に申し訳ありませんでした、どうしても確認しなければならない事がありまして」
玲子君が、この距離だと言うのに通信を使って俺に話してきた。
どうも、この話は、まだ何か裏があるように感じられた。
「艦長、日の入りから1時間が経過しました、どうされますか?」
14潜は、潜水艦の中でも別格に巨大だ。
それだけに、速度を出すのであれば、潜行状態よりも浮上して航行した方が早い上に、蓄電池を気にしなくて良い分、効率がいい。
「よし、艦を浮上させる、甲型の搭乗員は、一応配置に付いてくれ、140mm砲の射撃も準備だ」
潜水航行をしていた14潜は、艦首を上に傾けると、浮上準備に取り掛かった。
津軽海峡まではもう少しある、頼むぞ、位置がバレませんように
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/mystery.png?id=41ccf9169edbe4e853c8)
それは奇妙な町でした
ねこしゃけ日和
ミステリー
売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。
バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。
猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
次はきっと貴方の番です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ミステリー
「えっ、何俺殺されちゃうの……?」
***
『次はきっと貴方の番です』
ただの平凡な会社員。
そんな俺の下にある日届いた、送り主不明のこのメール。
どうやら「貰うと殺される」という都市伝説があるらしい。
最初はそんなのただの噂だと高をくくっていたけれど、次第に不可解な事が頻発して……。
これは不可解な現状に恐怖しつつもとある出会いを経て、やがて真実を見つけだす。
そんな、ちょっぴりホラーな謎解きミステリー。
◇ ◇ ◇
以下の通り、ミステリージャンルでランクインを果たしました。
ありがとうございます。
2021年4月 日間1位、週間2位にランクイン。
2021年5月 年間15位にランクイン。
2021年6月21日
改稿作業のため、第一章以降を一時非公開にしております。
呪鬼 花月風水~月の陽~
暁の空
ミステリー
捜査一課の刑事、望月 千桜《もちづき ちはる》は雨の中、誰かを追いかけていた。誰かを追いかけているのかも思い出せない⋯。路地に追い詰めたそいつの頭には・・・角があった?!
捜査一課のチャラい刑事と、巫女の姿をした探偵の摩訶不思議なこの世界の「陰《やみ》」の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
友よ、お前は何故死んだのか?
河内三比呂
ミステリー
「僕は、近いうちに死ぬかもしれない」
幼い頃からの悪友であり親友である久川洋壱(くがわよういち)から突如告げられた不穏な言葉に、私立探偵を営む進藤識(しんどうしき)は困惑し嫌な予感を覚えつつもつい流してしまう。
だが……しばらく経った頃、仕事終わりの識のもとへ連絡が入る。
それは洋壱の死の報せであった。
朝倉康平(あさくらこうへい)刑事から事情を訊かれた識はそこで洋壱の死が不可解である事、そして自分宛の手紙が発見された事を伝えられる。
悲しみの最中、朝倉から提案をされる。
──それは、捜査協力の要請。
ただの民間人である自分に何ができるのか?悩みながらも承諾した識は、朝倉とともに洋壱の死の真相を探る事になる。
──果たして、洋壱の死の真相とは一体……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる