332 / 411
「Y号作戦」の発動
第330話 駆逐艦「ベニオン」
しおりを挟む
「ヘイ、ミスターGF,我々も彼らを追いましょう」
マーシャンが、俺たちを誘った。
ん?、誘うって、何処へ?
「なに言ってるんですか、北村達を追わないとですよ」
「追うって、どうやって?」
「我々はアメリカ海軍ですよ、彼らの護衛も、計画の一つですよ」
まだ早朝の時間帯、俺は既に起きて、潜水艦の出港を見送っていたが、カシラビ、ゼンガ、ムスキの三人は、まだ寝起き状態で、何のことか事情が呑み込めていなかった。
「で、、、まさか、これで追いかけるのか?」
目の前には、アメリカ海軍の駆逐艦が出港準備を完了していた。
おい、マーシャン、お前、補給関連の人間だろうに!
「紹介します、艦長のマーベリック少佐です」
「やあ、聞いていますよ、ミスターサイトウ、ご活躍だそうですね、ベニオンの艦長マーベリックです、よろしく」
聞いてますって、何を聞いているんだ?、マーシャンの奴、また俺の知らないところで何か吹聴しているんじゃなかろうな。
「おいマーシャン、この艦長は、、、その、俺たちや異世界のことは知っているのか?」
「OH、何も知りませんよ。ただ、海軍側は、我々の行動に関して、何も言わないことになっています」
なんだそりゃ、さすがに真っ当な軍隊なんだから、そんな風に自由に軍艦を使う事なんてできないだろう。
「それだけ原爆に関する調査や管理は、優先されると言う事ですよ」
それは、海軍の原爆が非常に重要視されている事を指していた。
「それにしたって、アメリカだって原爆を持っているんだから、重要視しすぎじゃないか?」
「そんなことはありません、アメリカだって原爆の起爆には、まだ2回しか成功させていないのです、それに、北村達がやっていることは、後の「戦略原潜」がすることと同じ、潜水艦に核弾頭を付けた巡航ミサイルを世界で初めて運用していることになります、それはアメリカが最も関心を寄せている事項なんです」
「その割には、北村少佐たちに、随分好き勝手させてるな、管理出来ているとは言いがたいと思うが。それに、今回も単艦で追跡なんて、見失うんじゃないか?」
「大丈夫です、ほら」
マーシャンは、横須賀軍港の他の場所を指さすと、他にもこれとよく似た駆逐艦が既に港を出ようとしていた。
「駆逐艦ヘイウッド・L・エドワーズとリチャード・P・リアリーです。その他にも、遠目で追跡チームが編成されています」
「どうして遠目なんだ?」
「いや、だって、彼らは不安定な日本産原子爆弾を積んで潜行中なんですから、危ないじゃないですか」
いや、そうかもしれないけど、、、大丈夫か?、この任務。
しかし、横須賀軍港が、妙にザワついているのは、何故か遠目でも解った。
これから旧日本海軍が、何をするのかを、まるで基地全体が知っているかのように。
マーシャンが、俺たちを誘った。
ん?、誘うって、何処へ?
「なに言ってるんですか、北村達を追わないとですよ」
「追うって、どうやって?」
「我々はアメリカ海軍ですよ、彼らの護衛も、計画の一つですよ」
まだ早朝の時間帯、俺は既に起きて、潜水艦の出港を見送っていたが、カシラビ、ゼンガ、ムスキの三人は、まだ寝起き状態で、何のことか事情が呑み込めていなかった。
「で、、、まさか、これで追いかけるのか?」
目の前には、アメリカ海軍の駆逐艦が出港準備を完了していた。
おい、マーシャン、お前、補給関連の人間だろうに!
「紹介します、艦長のマーベリック少佐です」
「やあ、聞いていますよ、ミスターサイトウ、ご活躍だそうですね、ベニオンの艦長マーベリックです、よろしく」
聞いてますって、何を聞いているんだ?、マーシャンの奴、また俺の知らないところで何か吹聴しているんじゃなかろうな。
「おいマーシャン、この艦長は、、、その、俺たちや異世界のことは知っているのか?」
「OH、何も知りませんよ。ただ、海軍側は、我々の行動に関して、何も言わないことになっています」
なんだそりゃ、さすがに真っ当な軍隊なんだから、そんな風に自由に軍艦を使う事なんてできないだろう。
「それだけ原爆に関する調査や管理は、優先されると言う事ですよ」
それは、海軍の原爆が非常に重要視されている事を指していた。
「それにしたって、アメリカだって原爆を持っているんだから、重要視しすぎじゃないか?」
「そんなことはありません、アメリカだって原爆の起爆には、まだ2回しか成功させていないのです、それに、北村達がやっていることは、後の「戦略原潜」がすることと同じ、潜水艦に核弾頭を付けた巡航ミサイルを世界で初めて運用していることになります、それはアメリカが最も関心を寄せている事項なんです」
「その割には、北村少佐たちに、随分好き勝手させてるな、管理出来ているとは言いがたいと思うが。それに、今回も単艦で追跡なんて、見失うんじゃないか?」
「大丈夫です、ほら」
マーシャンは、横須賀軍港の他の場所を指さすと、他にもこれとよく似た駆逐艦が既に港を出ようとしていた。
「駆逐艦ヘイウッド・L・エドワーズとリチャード・P・リアリーです。その他にも、遠目で追跡チームが編成されています」
「どうして遠目なんだ?」
「いや、だって、彼らは不安定な日本産原子爆弾を積んで潜行中なんですから、危ないじゃないですか」
いや、そうかもしれないけど、、、大丈夫か?、この任務。
しかし、横須賀軍港が、妙にザワついているのは、何故か遠目でも解った。
これから旧日本海軍が、何をするのかを、まるで基地全体が知っているかのように。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?


【完結】共生
ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。
ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。
隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる