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本海軍の原子爆弾
第322話 伊号第14潜水艦
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「戦艦長門の処分が決定した」
それは、北村少佐から、早川中尉へ、突然告げられた。
「北村さん、それでは、決行を早めるのですか?」
「いや、、、長門を諦めるしかない、、」
「しかし、、長門は、新生海軍の象徴となるべく戦艦です、今ならばまだ間に合います、お考え直しください」
早川は北村に、必死に食らいつくが、北村の意志は変わらない。
それは、北村にとって、象徴たる戦艦「長門」よりも、実効性ある、他の艦船が重用だと考えていたからだった。
「14潜の方は、大丈夫だろうな?」
「もちろんです、14潜まで海没処分されたら、我々は打つべき手段がありませんからね」
北村が気にしていた「14潜」とは、「伊号第14潜水艦」を指していた。
パナマ運河爆撃の為に攻撃機3機を搭載できる伊号第400潜水艦は潜水空母として有名だが、実はこの400型を少し小さくしたような潜水艦が複数存在していた。
伊号第13型潜水艦がそれに該当し、この13号艦は戦時中の海戦により沈没しているが、同型艦である14号と15号は、未だ健在であり、14号艦に至っては、米海軍との取り決めにより、稼働状態を維持されており、今現在は試験航行を終え、この横須賀に停泊中なのである。
北村たちY号作戦に従事する組は、この横須賀に残存する艦艇の保全と引き替えに、F組の原爆と資料の提供をアメリカ軍に約束していた。
しかし、Y号自体が、米軍内でも秘密扱いであったため、これら帝国海軍艦艇の復活は、ほとんど米軍内でも知られていない状況であった。
そんな中にあって、期待していた戦艦「長門」の譲渡が頓挫した情報に、驚きを隠せない早川であった。
それだけに、あの伊号第14潜水艦だけは、最後の切り札であり、彼らの計画の最重要艦艇と言っても過言ではなかった。
彼らの計画には、秘密裏に残存する特殊攻撃機2機を、この伊号第14潜水艦に搭載し、陸軍との戦いに決着を付ける算段があった。
本来であれば、たかだか潜水艦1隻と航空機2機程度で戦いを有利にする事など出来ようはずも無いことであるが、この航空機は、本土決戦の切り札として、極秘裏に開発を進めていた特別な機体であった。
「結局、この計画のために準備された艦艇は、14潜と15潜だけなんですね」
早川が、少し残念そうに北村に語る。
彼の言う15潜とは、14潜と同型の潜水艦であり、現在神戸に据え置かれているが、終戦時には未完成であったため、密かに米軍により、艤装が進められており、完成間近であった。
この二隻の潜水艦は、まさに米海軍がY号作戦のために準備していた潜水艦であり、その存在は一般国民には当然伏せられていた。
そんな長門の運命が決定した矢先、二人は衝撃的な話しを聞かされるのである。
「やあ、北村に早川、丁度良い、陸軍の新たな情報が入ったぞ」
マーシャン・ディッカーソン大尉が、二人を見つけるや復員局の司令部に呼びつけた。
「、、、これは、、、本当ですか?」
「本当だとも。陸軍の計画は予想以上に早い、決行の日は近いね」
マーシャンは、にこやかにそれを告げるが、二人の表情に、一切の緩みは無かった。
決行の日、近し。
それが意味する事は、Y号作戦が最終局面として発動することを意味する。
同時に、この二人にとって、再び戦場の空へ舞い上がる事でもあるのだ。
それは、北村少佐から、早川中尉へ、突然告げられた。
「北村さん、それでは、決行を早めるのですか?」
「いや、、、長門を諦めるしかない、、」
「しかし、、長門は、新生海軍の象徴となるべく戦艦です、今ならばまだ間に合います、お考え直しください」
早川は北村に、必死に食らいつくが、北村の意志は変わらない。
それは、北村にとって、象徴たる戦艦「長門」よりも、実効性ある、他の艦船が重用だと考えていたからだった。
「14潜の方は、大丈夫だろうな?」
「もちろんです、14潜まで海没処分されたら、我々は打つべき手段がありませんからね」
北村が気にしていた「14潜」とは、「伊号第14潜水艦」を指していた。
パナマ運河爆撃の為に攻撃機3機を搭載できる伊号第400潜水艦は潜水空母として有名だが、実はこの400型を少し小さくしたような潜水艦が複数存在していた。
伊号第13型潜水艦がそれに該当し、この13号艦は戦時中の海戦により沈没しているが、同型艦である14号と15号は、未だ健在であり、14号艦に至っては、米海軍との取り決めにより、稼働状態を維持されており、今現在は試験航行を終え、この横須賀に停泊中なのである。
北村たちY号作戦に従事する組は、この横須賀に残存する艦艇の保全と引き替えに、F組の原爆と資料の提供をアメリカ軍に約束していた。
しかし、Y号自体が、米軍内でも秘密扱いであったため、これら帝国海軍艦艇の復活は、ほとんど米軍内でも知られていない状況であった。
そんな中にあって、期待していた戦艦「長門」の譲渡が頓挫した情報に、驚きを隠せない早川であった。
それだけに、あの伊号第14潜水艦だけは、最後の切り札であり、彼らの計画の最重要艦艇と言っても過言ではなかった。
彼らの計画には、秘密裏に残存する特殊攻撃機2機を、この伊号第14潜水艦に搭載し、陸軍との戦いに決着を付ける算段があった。
本来であれば、たかだか潜水艦1隻と航空機2機程度で戦いを有利にする事など出来ようはずも無いことであるが、この航空機は、本土決戦の切り札として、極秘裏に開発を進めていた特別な機体であった。
「結局、この計画のために準備された艦艇は、14潜と15潜だけなんですね」
早川が、少し残念そうに北村に語る。
彼の言う15潜とは、14潜と同型の潜水艦であり、現在神戸に据え置かれているが、終戦時には未完成であったため、密かに米軍により、艤装が進められており、完成間近であった。
この二隻の潜水艦は、まさに米海軍がY号作戦のために準備していた潜水艦であり、その存在は一般国民には当然伏せられていた。
そんな長門の運命が決定した矢先、二人は衝撃的な話しを聞かされるのである。
「やあ、北村に早川、丁度良い、陸軍の新たな情報が入ったぞ」
マーシャン・ディッカーソン大尉が、二人を見つけるや復員局の司令部に呼びつけた。
「、、、これは、、、本当ですか?」
「本当だとも。陸軍の計画は予想以上に早い、決行の日は近いね」
マーシャンは、にこやかにそれを告げるが、二人の表情に、一切の緩みは無かった。
決行の日、近し。
それが意味する事は、Y号作戦が最終局面として発動することを意味する。
同時に、この二人にとって、再び戦場の空へ舞い上がる事でもあるのだ。
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