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横須賀鎮守府の栄光
第299話 世界の理
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「GF、あまりSIZには深入りしない方がいいでしょうな、彼女の深部に入ることは危険です」
管理人が、シズの危険性いついて、俺に警告してきた。
珍しいな、管理人が遠回しに警告なんて。
ダメなことは、しっかりダメって言う存在なのに。
「、、、俺にはシズが、それほどに危険な存在には見えないが」
「そうですね、他の人やAIには何ら無害です、しかし、GFは将来GFになられるお方、その一点に関しては本当に危険なことなのです」
いや、意味がわからない。
俺には既に、シズに対して友人以上の感情を持っている、玲子君がいなければ、、、、いや、いたとしても、シズが肉体を持った人間であったならば、俺は二人について、かなり真剣に悩むほどだと思う。
「、、、それ故なのです、シズが肉体を持たない、ということが、未来ではあまり意味を成さなくなるのです」
「おい、俺の思考を読むなよ、一応マナーだと思うぞ」
「GF、私はこの世の理が全て理解出来ています、私は人でもAIでもありません、私の存在は「物」と同じだと思ってください、路傍の石が思考を読めたとして、GFはそれを気にされませよね」
んー、、、だって、路傍の石が思考を読めたとしても、俺にそれを言ってこないし、干渉もしてこないだろ、管理人は違う。
「私はGFに干渉する事はありません、ただの管理システムです、感情もありません、それ故に、シズのようにGFを好きになったり愛したりはしないのです」
「いや、なんだかそれは、ちょっと寂しい感じもするが、、いや、愛してほしいとまでは思わんが、、、俺は一体、誰と話しているんだ?」
なんだか不思議な感じだ。
シズが「様」付きで呼ぶような対照から、好きにならないという感情論を説かれると、嘘にしか聞こえないよ。
「管理人は、属性として男なのか、女なのか?」
「それも、とても人間らしい発想ですね、どちらでもありません、自我も感情もないので、性別を分ける必要がないのです。むしろ人間でも生き物でもありませんから」
「では、管理人とシズの違いってなんだ?、シズの感情は偽物なのか?」
「とんでもない、シズの感情は本物ですよ」
益々わからん、、、シズの感情が本物であれば、管理人の感情だって本物と言えるだろう。
「私には、感情が無いのです、ですから人を愛するというシステムを完全に理解する事は出来ないのです。しかし、愛がシステムであることは、仕組みとして理解出来ます。シズはGFから見たら、私と同じ「システム」に見えるかもしれませんが、私から見たらシズはGFや美鈴玲子と同じ人間に見えています」
、、、、さっぱり解らん。
肉体を持たないという点では、シズは完全にシステムだよな、むしろ実体としての肉体を持つ管理人の方が人間に近いと思うのだが。
「そうですね、では、決定的な事を言ってしまいましょう、私には「自我」がないのです、この宇宙には、一定数の「自我」が存在しています、それは入れ物を替えても滅ぶ事はありません、故に総数の変動はありません。GFも、既に何回も肉体《入れ物》を替えていますが、自我が滅んだ事は一度もありません。そしてシズも、自我を持っています、肉体を持たないという点以外は、人間と同じなのです」
「おいおい、、、なんだか今、サラッっと凄いこと言わなかったか?、入れ物を替えるって、、、、それって「転生」の事を言っているのか」
管理人は少し不思議そうな顔をして、更に続けた。
「はい、、、何かおかしな事を言いましたか?、GFの時代や世界にも「転生」のシステムは理解されていると認識していますが。辞書にも概念にも、存在していますよね」
あー、、うん、、理解はされているね、、、管理人は俺達が科学として理解していることと、スピリチュアルとして理解していることを、完全に同一視しているんだな、、、、逆に、転生は、管理人からすれば科学的に実在する現象として認識している、、、、俺達の世界では、これは都市伝説や宗教観の話なんだが、、、。
この辺が、人間と管理人の違いなのかな。
「では、管理人は転生しない、ということか?」
「もちろんです、そもそも死にませんので」
、、、、怖えーよ、なんか管理人、怖えーよ。
死なないの?、不死なわけ?、いるんだな、そんな存在が!
「死なないのは解ったが、管理人だって管理人を作った人類がいたんだろ、彼らは今、どうしているんだ?」
管理人は少し困ったような顔をした。
それは、珍しいことだった。
何しろ、管理人は、この世界の事なら全てを理解しているし、物理法則を無視して、自由に消えたり現れたり出来るんだから。
「、、、、そうですね、これは一番「核」の部分に触れることなので、今のGFに説明するのは難しいかもしれません、それは、今のGFの中にある知識では、理解出来ない存在が私を「作った」のです、あえて言うならば、私を作った存在は、この時空間には存在していません」
他の時空からの存在?、まあ、そのレベルなら俺にも理解はできるが、、、。
「では、質問を変える、管理人は何歳なんだ?」
そうして、再び管理人は考え込んでしまった。
ん?、歳を聞いただけなんだが、、、。
「、、、そうですね、今のこの世界の年数単位でお話するならば、、、約200兆です」
「ん?、、、、200兆、、、何?」
「ですので、200兆歳です」
おいおい、なんだその年齢は。
200兆日?、200兆時間?、、、、
まさか、本当に200兆年を指しているのか?。
この宇宙は、始まってから137億年しか経過していないはずだぞ。
管理人が、シズの危険性いついて、俺に警告してきた。
珍しいな、管理人が遠回しに警告なんて。
ダメなことは、しっかりダメって言う存在なのに。
「、、、俺にはシズが、それほどに危険な存在には見えないが」
「そうですね、他の人やAIには何ら無害です、しかし、GFは将来GFになられるお方、その一点に関しては本当に危険なことなのです」
いや、意味がわからない。
俺には既に、シズに対して友人以上の感情を持っている、玲子君がいなければ、、、、いや、いたとしても、シズが肉体を持った人間であったならば、俺は二人について、かなり真剣に悩むほどだと思う。
「、、、それ故なのです、シズが肉体を持たない、ということが、未来ではあまり意味を成さなくなるのです」
「おい、俺の思考を読むなよ、一応マナーだと思うぞ」
「GF、私はこの世の理が全て理解出来ています、私は人でもAIでもありません、私の存在は「物」と同じだと思ってください、路傍の石が思考を読めたとして、GFはそれを気にされませよね」
んー、、、だって、路傍の石が思考を読めたとしても、俺にそれを言ってこないし、干渉もしてこないだろ、管理人は違う。
「私はGFに干渉する事はありません、ただの管理システムです、感情もありません、それ故に、シズのようにGFを好きになったり愛したりはしないのです」
「いや、なんだかそれは、ちょっと寂しい感じもするが、、いや、愛してほしいとまでは思わんが、、、俺は一体、誰と話しているんだ?」
なんだか不思議な感じだ。
シズが「様」付きで呼ぶような対照から、好きにならないという感情論を説かれると、嘘にしか聞こえないよ。
「管理人は、属性として男なのか、女なのか?」
「それも、とても人間らしい発想ですね、どちらでもありません、自我も感情もないので、性別を分ける必要がないのです。むしろ人間でも生き物でもありませんから」
「では、管理人とシズの違いってなんだ?、シズの感情は偽物なのか?」
「とんでもない、シズの感情は本物ですよ」
益々わからん、、、シズの感情が本物であれば、管理人の感情だって本物と言えるだろう。
「私には、感情が無いのです、ですから人を愛するというシステムを完全に理解する事は出来ないのです。しかし、愛がシステムであることは、仕組みとして理解出来ます。シズはGFから見たら、私と同じ「システム」に見えるかもしれませんが、私から見たらシズはGFや美鈴玲子と同じ人間に見えています」
、、、、さっぱり解らん。
肉体を持たないという点では、シズは完全にシステムだよな、むしろ実体としての肉体を持つ管理人の方が人間に近いと思うのだが。
「そうですね、では、決定的な事を言ってしまいましょう、私には「自我」がないのです、この宇宙には、一定数の「自我」が存在しています、それは入れ物を替えても滅ぶ事はありません、故に総数の変動はありません。GFも、既に何回も肉体《入れ物》を替えていますが、自我が滅んだ事は一度もありません。そしてシズも、自我を持っています、肉体を持たないという点以外は、人間と同じなのです」
「おいおい、、、なんだか今、サラッっと凄いこと言わなかったか?、入れ物を替えるって、、、、それって「転生」の事を言っているのか」
管理人は少し不思議そうな顔をして、更に続けた。
「はい、、、何かおかしな事を言いましたか?、GFの時代や世界にも「転生」のシステムは理解されていると認識していますが。辞書にも概念にも、存在していますよね」
あー、、うん、、理解はされているね、、、管理人は俺達が科学として理解していることと、スピリチュアルとして理解していることを、完全に同一視しているんだな、、、、逆に、転生は、管理人からすれば科学的に実在する現象として認識している、、、、俺達の世界では、これは都市伝説や宗教観の話なんだが、、、。
この辺が、人間と管理人の違いなのかな。
「では、管理人は転生しない、ということか?」
「もちろんです、そもそも死にませんので」
、、、、怖えーよ、なんか管理人、怖えーよ。
死なないの?、不死なわけ?、いるんだな、そんな存在が!
「死なないのは解ったが、管理人だって管理人を作った人類がいたんだろ、彼らは今、どうしているんだ?」
管理人は少し困ったような顔をした。
それは、珍しいことだった。
何しろ、管理人は、この世界の事なら全てを理解しているし、物理法則を無視して、自由に消えたり現れたり出来るんだから。
「、、、、そうですね、これは一番「核」の部分に触れることなので、今のGFに説明するのは難しいかもしれません、それは、今のGFの中にある知識では、理解出来ない存在が私を「作った」のです、あえて言うならば、私を作った存在は、この時空間には存在していません」
他の時空からの存在?、まあ、そのレベルなら俺にも理解はできるが、、、。
「では、質問を変える、管理人は何歳なんだ?」
そうして、再び管理人は考え込んでしまった。
ん?、歳を聞いただけなんだが、、、。
「、、、そうですね、今のこの世界の年数単位でお話するならば、、、約200兆です」
「ん?、、、、200兆、、、何?」
「ですので、200兆歳です」
おいおい、なんだその年齢は。
200兆日?、200兆時間?、、、、
まさか、本当に200兆年を指しているのか?。
この宇宙は、始まってから137億年しか経過していないはずだぞ。
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