自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した

独立国家の作り方

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そして時空転移

第281話 別れの時

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「なに言っているんだよ、俺達がどこへ行くかも知らないんだろ」

 カシラビの、俺達に付いてきてくれる申し出は、正直本当にありがたいものだったが、、、、さすがに異世界人を現世に連れて行くのはまずいよな、、、、管理人!

「GF、、、これも本来は禁忌に触れる行為なのですが、、、、キル・ザ・ドールが現世に帰還したのなら、こちらも急がなければなりません、特に戦力の建て直しに時間を割いている余裕はありませんから、、、今回は特別です」

 えええ、いいのか?、連れてって。

「ちょっとカシラビ、それが許されるなら、私も行くからね!」

 何故かムスキも同行を申し出て来た。
 それを境に、次々と同行を申し出る、、、、国家首脳陣!
 こらこら、君たちは国家元首だろうに、、、マキュウェルもさり気なく旅支度しない!、エレーナも!キニーレイ大尉も止めてやれって!

「ああ、もう、そんな訳に行くか!せっかくのハッピーエンドが台無しじゃないか!」

 俺は慌てて申し出を断った。
 玲子君も当然反対すると思いきや、、、

「それでは人選をしましょう、さすがに全員は、、乗り切れませんから」

 いや、おい、そういう問題じゃないだろ!。
 玲子君は、もう少しまともかと思ったが、、、彼女、、、若干の天然なんだよな。

「それなら俺は確定だな、言い出しっぺだし」

 カシラビは、もう荷物を背負って意気込んでいる。
 マキュウェルは、とても残念そうにしていたが、、、、結局、カシラビとムスキ、ゼンガの3人が、キル・ザ・ドール討伐までの間、特例として同行することとなった、、、、ゼンガ?

「おい、ゼンガはさすがに乗れないだろ!」

「そうですね、じゃあ、少し小さくしますか」

 おい、何言ってんだシズ、巨人なんだから、小さくしたら普通の人間じゃないか

「そうでも無いですよ、サイズが変わっても、あの異常な身体能力は健在なんですから」

 ゼンガも、シズの申し出に、なんだか困惑している。
 なんなんだ、この状況は。


 こうして、これまで秘密にしていたタイムマシーンの全容を、彼らの前にさらけ出す事になった。

「ほう、これはまた凄いな、ユウスケ殿、これの作り方は、、、、」

「なに言ってるんですかエフライム公、さすがに私も解りませんよ、これは私の時代のものではないのですから」

 みんな、俺の言っていることが理解出来ていない様子だった。
 、、、まあ、そりゃそうだわな。

 俺達5人と妖精二人は、タイムマシーンに乗り込み、みんなに別れを告げた。

「ユウスケ殿、我々はいつでも貴君を歓迎する、困ったらいつでも戻ってきてくれ!」

 なんだか、本当に古い友人との別れのように感じる。
 みんな、いい奴ばかりだったからな。

「雄介様、準備はいいですか?」

 パイロットスーツ姿の玲子君が、俺に聞いてくる。
 俺も、久々に戦闘服を着込み、コクピットに座る。
 少し小さくなったゼンガが、なんだかソワソワしているな。
 
 コクピットの画面一杯に、別れを惜しむみんなの姿が写し出されていた。

 本当にありがとう、同行者を送るのに、また来るのだが、、それまで暫しの別れだな。

 最後にマッシュ国王が、俺達に「キャサリンによろしく」と叫んだ
 、、、ん?、キャサリン?、キャサリン・コーネリーの事を言っているのか?、、、まさかな。

「エラーノ・リターンを回復します、エラーノ・リターン」

 玲子君に次いで、俺も復唱する。

「エラーノ・リターン」

 シズが、「エラーノ・リターン回復を承認しました」と言うと、俺達は再び時空転移を開始した。 
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