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ウガヤ・クラントの解放

第264話 危険な部隊

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 オルコ共和国軍は、遂に王都ウガヤ・クラントの中に入り、籠城を開始していた。
 北のエフライム公国軍に対する兵力は、依然割かれたままになっていて、俺の流した偽情報が効いていたようだった。

 、、、、マキュウェル軍にもスパイはいる。

 しかし、今回の戦いで、裏切って後背から撃つような人間は確認されなかった。
 つまり、スパイは居たとしてもごく少数で、実働部隊が作戦に影響を及ぼすほどではないレベル、ということになる。

 しかし、敵は一体、どうやて情報を通信しているのだろう。

 念のため、シズには未来の通信要領に反応が無いかのチェックは常にさせている。

 100年後の世界であっても、シズを越える性能のタイムマシンは無いと言っていたので、彼女の通信傍受態勢を突破して隠密に通信することは不可能だろう。
 それだけシズの通信域は広範囲に及ぶということだ。

「マキュウェル様、西の方角から、かなりの規模の軍勢が迫っているようです」

 軍師長が、先ほどと同じような報告を、再びする。
 西の方角であれば、それはフキアエズ軍のはずだ。

「軍師長、それは先ほど報告を受けた、フキアエズ軍ではないのか?」

「はい、そのようなレベルの規模ではありません」

 おいおい、マキュウェルは、フキアエズ軍が、もはや壊滅状態だと思っているんだぞ、未だ8万の将兵が生存していると解れば、エガ王子の生存まで勘繰るだろ、やめろ!。

「具体的に、どの程度の規模なんだ?」

「はい、どうやら数十万規模かと」

 何?、数十万規模だと?

 この世界に、今現在数十万規模の軍隊なんて、オルコ共和国軍を除けば、あとはエレーナ軍しか有り得ない。

📶『ウクルキ、ウクルキ、聞こえるか?、俺だ、ユウスケだ。エレーナ軍は、もしやもう、ウガヤ・クラントまで迫っているのか?」

📶『おお、ユウスケ殿、久しいな!、元気か?、ああ、エレーナ軍は快進撃中だ、敵の抵抗もほとんど無くてな、王都までさほど時間はかからなかったぞ」

 、、、ヤバいな、まさかこれほど早くにエレーナ軍が到着するとは思っていなかった。
 本来の作戦では、この三国同盟軍と同時に王都ウガヤ・クラントを圧迫する計画だったから、数十万規模の軍隊が、このタイミングで同時に到着したことは、むしろ褒められたことだろう。
 しかし、敵の息のかかった部隊が、一体どれほどの規模かが解らない以上、今のこの状況は極めて危険だ。
 
📶『ウクルキ、聞こえるか?、ブラックナイト・ユニットは今エレーナ軍のどの辺に居るんだ?」

📶『ああ、エレーナ軍の最左翼を任されている」

 よりによって、最左翼か。
 それって、一番北側ルートじゃないか。
 エフライム国境を左に見ながら進撃すると言う事か?

📶『ウクルキ、、、、今エフライム国境には、敵の部隊、約15万規模が展開中だ。そのまま進むのは危険だ」

📶『ユウスケ殿、それでも我々は進まなければならない、違うか?」

 いや、そう言う事じゃないんだウクルキ、エレーナ軍には、危険な部隊がいる、そのまま敵に突っ込めば、後ろからも撃たれ兼ねないぞ、、、、しかし、それを、一体どう伝えればいいんだ?
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