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巨人族の戦士
第253話 夜明けまであと
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激しい銃撃戦が、散発的なものへと変化してゆく。
こちら側は、陣地戦に移行すべく、とうとう塹壕を掘り始めた。
この世界の軍隊には、多分、塹壕戦という概念が無いだろう。
何しろ、銃が無いのだから。
しかし、この狭い森の中で、迫撃砲や大砲の無い世界で銃撃戦をするとなると、もうこの方法しか無いだろう。
、、、大砲の支援がないこの撃ちあいは、まるでサバイバルゲームだ、、、やった事は無いけど。
「雄介様、側背の敵が、距離を詰めて来ています、距離、約300!」
300mか、もう射程圏内に入ったな。
今の時間が、深夜2時、、、夜明けまであと4時間近くある。
この季節は、夜明けが遅い。
陣地戦への移行が間に合えば、多分夜明けまで持つだろう、頼むぞ、みんな。
俺は、こんな時、傍にノアンカ達が居てくれたらと思った。
やはり、こんな時、ノアンカのような正規の軍人が居てくれたのは、心強い事だった。
今までが恵まれていたんだ。
ノアンカの奴、一体今どこに居るんだ。
「雄介様、側背の敵が、私達を包囲し始めています、速度が、、、もの凄く早いです!」
玲子君が言い終わる前に、側背の敵は射撃を始めて来た。
激しい射撃だ。
当然、側背の防備は薄い、展開が間に合っていないからだ。
正面の敵とは、今膠着状態に陥っている、これは、側背の敵を、どうにかしなければ、さすがに連隊本部までやられるな。
「よし、全員よく聞いてくれ。これより私が直接指揮を執って、後背の敵を駆逐する。小銃を持っている者は、全員着剣、それ以外の者は抜刀し、俺に続け!」
側背に展開出来ている部隊規模は、、、、2個中隊程度か。
、、、まあ、仕方がない、2個中隊で突撃を敢行するしかない。
「玲子君、君はここに残って、前方の敵と戦ってくれ、明朝、また会おう」
彼女を安心させるために言ったつもりの言葉だったが、彼女にはそう聞こえてはいないようだった。
多分、それは、別れの言葉にでも聞こえたんだろう。
玲子君は、瞳を潤ませながら「雄介様に、どこまでも付いて行きます」と、なんだか落城前のセリフみたいな事を言ってきた。
、、、、やれやれ、困ったな。
『困ったのはこちらです、GFは絶対に死んではならないお方です、まさか、これから世界を救うお方が、こんな辺境の、それもエラーサイトの異世界で死ぬなんてこと、GF本部が絶対に許しません!」
『許すも何も、この状況では仕方無いだろ、生きている人間はいずれ死ぬんだ。俺たちだけ特別ではないぞ」
『それでは、GF本隊からの緊急避難が開始されます」
え、何?、緊急避難って?
『おい、シズ、まさか俺をこの戦場から緊急退避させるなんて言わないよな、俺はこの部隊の指揮官なんだぞ」
『、、、よく考えてください、このオペレーションの目的は、現世の歪んだ時間軸を戻すためのものです、それでGFの御身に何かあれば本末転倒じゃないですか」
もはや、シズには何を言っても聞かないだろう。
こんな時でも、GMって奴は、ただ黙って見ているんだろうな。
『GF!、、、そんな悲しい事を言わないでください、、、GMが悲しみます、、、。」
そうか、何も知らないのは俺だけか。
それでも、この連隊は少ない編成とは言え、1200名からの将兵で構成されている。
この命に対する責任がある。
なあ、GMさんよ、聞こえているんだろ、俺の言葉。
、、、、事情があるのは解るけど、今、俺をこの世界から緊急避難させたら、俺はGMの事を絶対に許さないからな!。
俺は、そう強く思った。
すると、何も起こらないものの、俺の中に、何かとても悲しみのようなものが流れて来た。
「ん?、涙?」
今、俺の手のひらに、何か涙のような、人肌の粒が落ちて来たような気がした。
その涙は、なんだかとてつもない愛情に満たされたような、温かみを感じたのだ。
こちら側は、陣地戦に移行すべく、とうとう塹壕を掘り始めた。
この世界の軍隊には、多分、塹壕戦という概念が無いだろう。
何しろ、銃が無いのだから。
しかし、この狭い森の中で、迫撃砲や大砲の無い世界で銃撃戦をするとなると、もうこの方法しか無いだろう。
、、、大砲の支援がないこの撃ちあいは、まるでサバイバルゲームだ、、、やった事は無いけど。
「雄介様、側背の敵が、距離を詰めて来ています、距離、約300!」
300mか、もう射程圏内に入ったな。
今の時間が、深夜2時、、、夜明けまであと4時間近くある。
この季節は、夜明けが遅い。
陣地戦への移行が間に合えば、多分夜明けまで持つだろう、頼むぞ、みんな。
俺は、こんな時、傍にノアンカ達が居てくれたらと思った。
やはり、こんな時、ノアンカのような正規の軍人が居てくれたのは、心強い事だった。
今までが恵まれていたんだ。
ノアンカの奴、一体今どこに居るんだ。
「雄介様、側背の敵が、私達を包囲し始めています、速度が、、、もの凄く早いです!」
玲子君が言い終わる前に、側背の敵は射撃を始めて来た。
激しい射撃だ。
当然、側背の防備は薄い、展開が間に合っていないからだ。
正面の敵とは、今膠着状態に陥っている、これは、側背の敵を、どうにかしなければ、さすがに連隊本部までやられるな。
「よし、全員よく聞いてくれ。これより私が直接指揮を執って、後背の敵を駆逐する。小銃を持っている者は、全員着剣、それ以外の者は抜刀し、俺に続け!」
側背に展開出来ている部隊規模は、、、、2個中隊程度か。
、、、まあ、仕方がない、2個中隊で突撃を敢行するしかない。
「玲子君、君はここに残って、前方の敵と戦ってくれ、明朝、また会おう」
彼女を安心させるために言ったつもりの言葉だったが、彼女にはそう聞こえてはいないようだった。
多分、それは、別れの言葉にでも聞こえたんだろう。
玲子君は、瞳を潤ませながら「雄介様に、どこまでも付いて行きます」と、なんだか落城前のセリフみたいな事を言ってきた。
、、、、やれやれ、困ったな。
『困ったのはこちらです、GFは絶対に死んではならないお方です、まさか、これから世界を救うお方が、こんな辺境の、それもエラーサイトの異世界で死ぬなんてこと、GF本部が絶対に許しません!」
『許すも何も、この状況では仕方無いだろ、生きている人間はいずれ死ぬんだ。俺たちだけ特別ではないぞ」
『それでは、GF本隊からの緊急避難が開始されます」
え、何?、緊急避難って?
『おい、シズ、まさか俺をこの戦場から緊急退避させるなんて言わないよな、俺はこの部隊の指揮官なんだぞ」
『、、、よく考えてください、このオペレーションの目的は、現世の歪んだ時間軸を戻すためのものです、それでGFの御身に何かあれば本末転倒じゃないですか」
もはや、シズには何を言っても聞かないだろう。
こんな時でも、GMって奴は、ただ黙って見ているんだろうな。
『GF!、、、そんな悲しい事を言わないでください、、、GMが悲しみます、、、。」
そうか、何も知らないのは俺だけか。
それでも、この連隊は少ない編成とは言え、1200名からの将兵で構成されている。
この命に対する責任がある。
なあ、GMさんよ、聞こえているんだろ、俺の言葉。
、、、、事情があるのは解るけど、今、俺をこの世界から緊急避難させたら、俺はGMの事を絶対に許さないからな!。
俺は、そう強く思った。
すると、何も起こらないものの、俺の中に、何かとても悲しみのようなものが流れて来た。
「ん?、涙?」
今、俺の手のひらに、何か涙のような、人肌の粒が落ちて来たような気がした。
その涙は、なんだかとてつもない愛情に満たされたような、温かみを感じたのだ。
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