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巨人族の戦士
第248話 何かを知っている?
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こちらが捕獲した小銃を使って側背に回り込み、敵の銃隊が射撃を開始すると、敵の後方から射撃をして、敵の隊列を瓦解させる、そして、新たに敵の小銃を鹵獲《ろかく》する、という単純な繰り返しを行う事で、エレーナ軍はこの二日間で2600丁の小銃を手に入れることに成功していた。
マキュウェル軍とドットス軍の合同軍も、俺が示した通り、一番最初の50丁を皮切りに、同様の捕獲要領によって750丁の小銃が入手出来てた。
これにより、我が方側には、単純計算で3550丁の小銃が入手出来たことになるが、46丁の小銃を持ったまま行方不明になったB中隊の分を引く必要があった。
しかし、敵が依然どれだけの数の銃を保有しているか解らないこの状況では、相対戦闘力がどのような優位性を持っているのかを計算出来ない。
逆に言えば、敵は自分たちが何丁の銃を保有していて、俺たちに何丁持っていかれたかを正確に知り得るのだから、作戦立案上では、敵の方が圧倒的に優位なんだ。
もし俺が敵の状況を知り得るとしたら、それは敵のリアクションによって、敵がどれだけ困っているかを見て判断するしかない、と思っていた。
、、、しかし、実際は、敵の行動は恐ろしくパターン化されていて、こちらが銃で応戦を始めると、勢いよく後退を初めてしまう。
これは初めて小銃同士で戦った、マキュウェル軍に居た時から一貫して同じだ。
しかし今回、森で遭遇した敵部隊だけは異様な行動を取った。
俺たちが正面から圧力をかけると、後退せず、前進してきたのだ。
そして、疲弊しきった彼らは、満足に戦うことなく、俺たちに投降してきた。
こうして、俺たちは2個中隊もの捕虜を得ることとなった。
捕虜はすぐ後方に送らなければならない、彼らの対応に、時間をかけている余裕がない。
捕虜の輸送には、生き残ったオルコア義勇軍の兵士が当たってくれた。
その捕虜輸送に関して、あれ以来口を閉ざしていたゲール准尉が意見をしてきたのである。
「ユウスケ殿、彼らの護送任務に、私も同行してよろしいでしょうか?」
珍しく、と言うか、なんとなく、らしくない事を言うな、と思いつつ、俺はゲール准尉の提案を受け入れた。
そして、護送を前に、捕虜の最上位階級の者を俺の元へ呼び、いくつか尋問をすることとなった。
、、、あまり時間をかける訳には行かないが、貴重な情報源だ。
「君は、この中隊の先任士官でいいのか?」
まだ若い、中尉くらいの小隊長だろう、険しい顔で、一切こちら側に目を合わせようとしない。
これは手強いな。
「いくつか質問を行うが、いいな?」
依然、無口に抵抗しようとする敵軍将校に、ゲール准尉が檄を飛ばす
「おい貴様、捕虜の辱めを受けながら、そのような態度で恥ずかしくはないのか?、人道にも限界があることを忘れるなよ」
ん?、やはりゲール准尉は何かを知っているのだろうか、捕虜との会話が少しおかしいように感じた。
「、、、、貴様等に話すことなど何もない、必ず挽回し、この戦いに勝利する。共和国がこの戦いの勝者となるのだからな」
なんだ、この小隊長、上から目線で、まるで捕虜になったことを悔いていないように見える。
結局、将校相手の尋問は、何も口を割らずに終わった。
俺はこの世界の尋問は初めてなので、現世の国際人道法に沿って尋問をしたが、ゲール准尉は「拷問はしなくて良いのですか」と普通に聞いてきたな、、、怖えーよ、この世界の尋問。
しかし、もう一方で行われた下士官、兵への尋問は、少しだけ情報と呼べるものが引き出せた。
玲子君が粘り強く聞き取ったためか、最初は女性に話すことなどないと突っぱねていた下士官も、やがて心を開いたんだそうだ。
、、、、さすが玲子君、やっぱり違うな。
それに、未来の軍医だから、カウンセリングなんて得意なんだろう。
、、、大丈夫か?、なんかエロい身体検査とかしていないだろうな。
マキュウェル軍とドットス軍の合同軍も、俺が示した通り、一番最初の50丁を皮切りに、同様の捕獲要領によって750丁の小銃が入手出来てた。
これにより、我が方側には、単純計算で3550丁の小銃が入手出来たことになるが、46丁の小銃を持ったまま行方不明になったB中隊の分を引く必要があった。
しかし、敵が依然どれだけの数の銃を保有しているか解らないこの状況では、相対戦闘力がどのような優位性を持っているのかを計算出来ない。
逆に言えば、敵は自分たちが何丁の銃を保有していて、俺たちに何丁持っていかれたかを正確に知り得るのだから、作戦立案上では、敵の方が圧倒的に優位なんだ。
もし俺が敵の状況を知り得るとしたら、それは敵のリアクションによって、敵がどれだけ困っているかを見て判断するしかない、と思っていた。
、、、しかし、実際は、敵の行動は恐ろしくパターン化されていて、こちらが銃で応戦を始めると、勢いよく後退を初めてしまう。
これは初めて小銃同士で戦った、マキュウェル軍に居た時から一貫して同じだ。
しかし今回、森で遭遇した敵部隊だけは異様な行動を取った。
俺たちが正面から圧力をかけると、後退せず、前進してきたのだ。
そして、疲弊しきった彼らは、満足に戦うことなく、俺たちに投降してきた。
こうして、俺たちは2個中隊もの捕虜を得ることとなった。
捕虜はすぐ後方に送らなければならない、彼らの対応に、時間をかけている余裕がない。
捕虜の輸送には、生き残ったオルコア義勇軍の兵士が当たってくれた。
その捕虜輸送に関して、あれ以来口を閉ざしていたゲール准尉が意見をしてきたのである。
「ユウスケ殿、彼らの護送任務に、私も同行してよろしいでしょうか?」
珍しく、と言うか、なんとなく、らしくない事を言うな、と思いつつ、俺はゲール准尉の提案を受け入れた。
そして、護送を前に、捕虜の最上位階級の者を俺の元へ呼び、いくつか尋問をすることとなった。
、、、あまり時間をかける訳には行かないが、貴重な情報源だ。
「君は、この中隊の先任士官でいいのか?」
まだ若い、中尉くらいの小隊長だろう、険しい顔で、一切こちら側に目を合わせようとしない。
これは手強いな。
「いくつか質問を行うが、いいな?」
依然、無口に抵抗しようとする敵軍将校に、ゲール准尉が檄を飛ばす
「おい貴様、捕虜の辱めを受けながら、そのような態度で恥ずかしくはないのか?、人道にも限界があることを忘れるなよ」
ん?、やはりゲール准尉は何かを知っているのだろうか、捕虜との会話が少しおかしいように感じた。
「、、、、貴様等に話すことなど何もない、必ず挽回し、この戦いに勝利する。共和国がこの戦いの勝者となるのだからな」
なんだ、この小隊長、上から目線で、まるで捕虜になったことを悔いていないように見える。
結局、将校相手の尋問は、何も口を割らずに終わった。
俺はこの世界の尋問は初めてなので、現世の国際人道法に沿って尋問をしたが、ゲール准尉は「拷問はしなくて良いのですか」と普通に聞いてきたな、、、怖えーよ、この世界の尋問。
しかし、もう一方で行われた下士官、兵への尋問は、少しだけ情報と呼べるものが引き出せた。
玲子君が粘り強く聞き取ったためか、最初は女性に話すことなどないと突っぱねていた下士官も、やがて心を開いたんだそうだ。
、、、、さすが玲子君、やっぱり違うな。
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