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フキアエズ大会戦

第226話 このUFOみたいな乗り物

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「玲子君、俺たちの弾薬は、もう限界に近い、これって、現世に取りに行くことって出来ないんだろうか?」

「そこが問題ですね、時間超越もそうですが、一度現世に戻ってしまうと、今回のエラーノリターンを最初からやり直す必要が出てきてしまうのです。それと、同じ座標に戻って来ることは、かなり困難なことになります。」

 やっぱりそうだよな、、、、、だとすると、キル・ザ・ドールの連中は、あれだけ大量の武器・弾薬を一体どうやって運んでいるのか、という事だな。

「やり方は幾つかありますが、、、、どれも非常識なものばかりですね、一番怖いのが、、、」

「何、ちょっと、そこは止めないでくれよ、怖いから」

「キル・ザ・ドールが、組織的に輸送を行っているってことです、つまり、同一座標に戻る事は極めて困難な事ですが、数十回に一回くらいの確率で同一座標に戻って来ることが出来ます、それを組織的に行うとすれば、キル・ザ・ドールはかなり組織的に行動しているということになりますね」

 おいおい、それじゃあ、このUFOみたいな乗り物も、敵は複数持っているってことなのか?

「そこは大丈夫だと思います、SIZはこれでも最新鋭機ですから、性能差で負けることはあり得ません」

 へー、シズって最新鋭なんだ、凄いじゃん。
 シズは、どうだって顔で嬉しそうだった、が、危険は変わりない。
 そして、俺はこの話しを聞いて確信した。

 これ以降の戦いは、今までのものと少し異なるものになる。

 敵は、恐らく準備に時間がかかっていたために、異世界の能力、つまりシズのような超科学を使う事が出来ないっでいた。
 しかし、それは今回のことで、使えるようになった、つまり、輸送任務が完了したという事を示しているんじゃないだろうか。

「シズは、最高どのくらいまで上空に上がれるんだ?」

「え、私ですか?、、、はあ、、上空?、果てしなく行けますけど」

 いやいや、いくら何でも上昇限界ってあるだろう。
 すると、玲子君も少し笑いながら、話してくれた。

「SIZにとって、上空とか上昇という概念は無いんです、彼女、惑星間航行も可能な宇宙船規格ですので」

 えー、シズって宇宙行けちゃう感じなんだ、すげーじゃん!、シズ。

「いえいえ、それほどでもありませんよ、でも、キル・ザ・ドールの連中は、宇宙空間までは来れませんから、この辺はアドバンテージって感じですかね」

 俺は、それを聞いて少し安心する事が出来た。
 材料の少ないこの戦いにおいて、シズの持つ能力はとてつもなく大きな力になる。
 
 、、、それに、もうシズに敵の弾を当てたくはない、彼女の悲鳴なんて、絶対に聞きたくないしな。

 シズは、俺たちを一旦地上に降ろすと、制止衛星軌道まで上昇し、そこで機体を待機させることにした。

「考えてみれば、最初からこの高さで待機していても良かったんだよな、衛星軌道上なら、エネルギーも使わなくていいし」

「いえ、あまり距離を置いてしまうと、通信にムラが出ちゃうんですよね、私の通信は未だ電波式なので」

 ん?、あー、なるほど、 衛星中継とかの、ちょっと反応が遅くなるあれか、まあ、それほどの不具合は感じないけどな。

「そうでもないんですよ、妖精モードでいたときに、会話が少し遅れるようになりますし。その点、管理人は電波式ではないので、タイムラグなんて無いんですよ」

 おお、電波以外にも通信方法って、未来にはあるんだな。
 それでも、今回はシズを安全な衛星軌道に乗せた方が安全だろうしな。

「雄介様、巨人族がこちらに来ます」

 予想以上に早かったな、上空から偵察も出来なかったから、距離感が掴みにくい。
 しかし、この少し先から銃撃を受けている、この先は、間違いなく危険地域だ!
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