219 / 390
フキアエズ大会戦
第217話 マキュウェルの決意
しおりを挟む
「ねえ妖精さん、私って魅力の無い女かしら」
マキュウェルは、珍しく乙女な想いを管理人妖精相手に聞いて来た。
それは自室のベッドの上で、まるでクマのぬいぐるみ相手に会話する少女のように。
「私には回答困難な事だな、それは。」
、、、、あー、この管理人妖精は、俺以外には敬語も使わない無表情の方の妖精だからな、こんな時、マキュウェル側の方の妖精がシズだったらって思うのだが、今更何だがな。
「もう、妖精さんは酷いのね、こんな時くらい慰《なぐさ》めなさいよ」
「私は妖精、慰めるのは任務外だ」
本当に噛み合わないな、、、と思っていたが、案外、この二人の会話はこの仏頂面の管理人妖精のおかげで紋々とした時間を発散させているようだった。
、、、現世にもあったな、こんな回答しかしてこないコンピュータって。
「でね、エガったら、なんだかよそよそしいのよね、、、、力になってあげたいんだけどな、、、(ムギュー)」
なんだ?、ムギューって、、、、ああ、本当にぬいぐるみのように管理人を抱きしめているよ、、、あああ、管理人、顔が真っ青だぞ、呼吸、大丈夫か?
「、、、、私ね、今、悩んでいることがあるの、、、これをしたらエガは喜ぶと思う?、それともプライドを傷付けてしまうかしら」
どうやらマキュウェルは、エガのフキアエズ軍に、無償で自軍の一部を提供することを考えていたようだった。
「いや、それは止めた方がいいと思うぞ、むしろ、、、、」
珍しく、管理人がこの世界の人間に助言をしている。
これはとても違和感を感じた、普段なら、彼は管理業務を淡々とこなすだけの存在なのに、この世界の勝敗に影響することを助言するなんて。
『GF、それはこの世界の「共和国軍」という存在そのものが、ノイズに他ならないからなのです。もうすぐ解ります、彼らの存在は、この世界の存在に、とても厄介な影響を及ぼします」
、、、あの管理人が、自ら考えて知識を与える、それも格下の人間に対し。
これは相当に危ない存在なんだろうな、、、、つまり今現在の戦力比では、俺たちの軍勢は不利だと言う事を指しているんだから。
しかし、一体何がそれほど危険なんだろう、いくら大戦とはいえ、この世界でも大きな戦争はあったろうに。
『そうではないのです。この世界が本来甘んじてはいけない種類の戦いになるという事です。」
今現在の俺には、その危険性は少々理解の限界を超えていた。
それより、実質的な管理人の提案を、俺は関心していたのだ。
「国王陛下、、、いえ、お父様、少しお願いがあります」
ドットスの国王、マッシュは、娘の真剣な表情に、あまり楽しいお願いでは無いことを早々に察した。
「私に軍隊の一部をお預け頂けないでしょうか、そして、私を司令官とした、独立した軍の創設をお許し願えないでしょうか?」
ああ、やっぱりそんな事だろうと、マッシュ国王は思った。
娘がこんな表情をする時、必ず重い提案をしてくるのだ。
世界広しと言えども、どんな我儘な一人娘でも、軍隊を欲しがる娘なんていないだろう。
、、、困った娘を持ったものだ。
しかし、その後に娘が発した言葉に、マッシュ国王は共感を覚える内容であった。
「8万、、いえ、6万5千で大丈夫です、私の軍隊、マキュウェル軍を独立して、フキアエズ軍10万との共闘を命じて欲しいのです」
なるほど、想いの女性から単に軍隊の提供ではエガ王子のプライドが傷付くだろう、しかし、自身が軍隊を率いて、共闘を申し出れば、それは対等な軍指揮官となって共に戦える、という図式か。
これは、国王も無視できない提案だろうな、なにしろ将来、娘の夫となる男の、一大決戦なんだからな。
あとは、エガがそれをどうとらえるか、、、、なんだが。
マキュウェルは、珍しく乙女な想いを管理人妖精相手に聞いて来た。
それは自室のベッドの上で、まるでクマのぬいぐるみ相手に会話する少女のように。
「私には回答困難な事だな、それは。」
、、、、あー、この管理人妖精は、俺以外には敬語も使わない無表情の方の妖精だからな、こんな時、マキュウェル側の方の妖精がシズだったらって思うのだが、今更何だがな。
「もう、妖精さんは酷いのね、こんな時くらい慰《なぐさ》めなさいよ」
「私は妖精、慰めるのは任務外だ」
本当に噛み合わないな、、、と思っていたが、案外、この二人の会話はこの仏頂面の管理人妖精のおかげで紋々とした時間を発散させているようだった。
、、、現世にもあったな、こんな回答しかしてこないコンピュータって。
「でね、エガったら、なんだかよそよそしいのよね、、、、力になってあげたいんだけどな、、、(ムギュー)」
なんだ?、ムギューって、、、、ああ、本当にぬいぐるみのように管理人を抱きしめているよ、、、あああ、管理人、顔が真っ青だぞ、呼吸、大丈夫か?
「、、、、私ね、今、悩んでいることがあるの、、、これをしたらエガは喜ぶと思う?、それともプライドを傷付けてしまうかしら」
どうやらマキュウェルは、エガのフキアエズ軍に、無償で自軍の一部を提供することを考えていたようだった。
「いや、それは止めた方がいいと思うぞ、むしろ、、、、」
珍しく、管理人がこの世界の人間に助言をしている。
これはとても違和感を感じた、普段なら、彼は管理業務を淡々とこなすだけの存在なのに、この世界の勝敗に影響することを助言するなんて。
『GF、それはこの世界の「共和国軍」という存在そのものが、ノイズに他ならないからなのです。もうすぐ解ります、彼らの存在は、この世界の存在に、とても厄介な影響を及ぼします」
、、、あの管理人が、自ら考えて知識を与える、それも格下の人間に対し。
これは相当に危ない存在なんだろうな、、、、つまり今現在の戦力比では、俺たちの軍勢は不利だと言う事を指しているんだから。
しかし、一体何がそれほど危険なんだろう、いくら大戦とはいえ、この世界でも大きな戦争はあったろうに。
『そうではないのです。この世界が本来甘んじてはいけない種類の戦いになるという事です。」
今現在の俺には、その危険性は少々理解の限界を超えていた。
それより、実質的な管理人の提案を、俺は関心していたのだ。
「国王陛下、、、いえ、お父様、少しお願いがあります」
ドットスの国王、マッシュは、娘の真剣な表情に、あまり楽しいお願いでは無いことを早々に察した。
「私に軍隊の一部をお預け頂けないでしょうか、そして、私を司令官とした、独立した軍の創設をお許し願えないでしょうか?」
ああ、やっぱりそんな事だろうと、マッシュ国王は思った。
娘がこんな表情をする時、必ず重い提案をしてくるのだ。
世界広しと言えども、どんな我儘な一人娘でも、軍隊を欲しがる娘なんていないだろう。
、、、困った娘を持ったものだ。
しかし、その後に娘が発した言葉に、マッシュ国王は共感を覚える内容であった。
「8万、、いえ、6万5千で大丈夫です、私の軍隊、マキュウェル軍を独立して、フキアエズ軍10万との共闘を命じて欲しいのです」
なるほど、想いの女性から単に軍隊の提供ではエガ王子のプライドが傷付くだろう、しかし、自身が軍隊を率いて、共闘を申し出れば、それは対等な軍指揮官となって共に戦える、という図式か。
これは、国王も無視できない提案だろうな、なにしろ将来、娘の夫となる男の、一大決戦なんだからな。
あとは、エガがそれをどうとらえるか、、、、なんだが。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/mystery.png?id=41ccf9169edbe4e853c8)
それは奇妙な町でした
ねこしゃけ日和
ミステリー
売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。
バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。
猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
『量子の檻 -永遠の観測者-』
葉羽
ミステリー
【あらすじ】 天才高校生の神藤葉羽は、ある日、量子物理学者・霧島誠一教授の不可解な死亡事件に巻き込まれる。完全密室で発見された教授の遺体。そして、研究所に残された謎めいた研究ノート。
幼なじみの望月彩由美とともに真相を追う葉羽だが、事態は予想外の展開を見せ始める。二人の体に浮かび上がる不思議な模様。そして、現実世界に重なる別次元の存在。
やがて明らかになる衝撃的な真実―霧島教授の研究は、人類の存在を脅かす異次元生命体から世界を守るための「量子の檻」プロジェクトだった。
教授の死は自作自演。それは、次世代の守護者を選出するための壮大な実験だったのだ。
葉羽と彩由美は、互いへの想いと強い絆によって、人類と異次元存在の境界を守る「永遠の観測者」として選ばれる。二人の純粋な感情が、最強の量子バリアとなったのだ。
現代物理学の限界に挑戦する本格ミステリーでありながら、壮大なSFファンタジー、そしてピュアな青春ラブストーリーの要素も併せ持つ。「観測」と「愛」をテーマに、科学と感情の境界を探る新しい形の本格推理小説。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる