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マグネラ攻防戦
第192話 その度胸があるか否か
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フキアエズ軍が、フキアエズ王国を守ることなくフキアエズを全軍で出国する、世界広しと言えども、そんな愚かな軍隊は存在しない。
しかし、今はそれをしなければ、40万以上の共和国軍と正面から対峙して、総兵力10万のフキアエズ軍に勝ち目はまずない。
、、、、エガ、、、エニオガーノ・フキアエズ王子が、国王を説得できなければ、この作戦は終了する、同盟側の敗北と言う形で。
エガ、怒るだろうな、さすがに。
この作戦の概要を、俺は妖精フォンとして管理人をドットスに帰還したマキュウェルの元に、そしてシズをフキアエズに残ったムスキの元へ戻した。
これで、フキアエズ、ドットス、マグネラの玲子君、が繋がった状態になった。
問題は、俺だな。
この包囲部隊を速やかに降伏させ、エレーナ皇女軍と合流して、作戦を完璧なものにしないければならない。
「大丈夫か?、ユウスケ殿」
多分、俺はしばらくの間、意識を失って倒れていたんだろう、ウクルキとノアンカが心配そうに俺を覗き込んでいた。
その傍らでは、玲子君が疲れ果てたように俺のベッドの脇で、寝ている、、、ように見えたが、当然シズの部屋に行くのに意識を飛ばした結果なんだけどね。
「ああ、大丈夫だ、戦いは、、どうなった?」
「ああ、巨人族の威力が効きすぎたのか、完全な膠着状態となっている、こちらも兵を休ませて、交代で見張らせているが、、、この後、どうしたものか」
「ああ、大丈夫だ俺に考えがある、マグネラ・レジスタンスのリーダーと、巨人族の村長、その他、仲間を全員集めてくれないか」
俺は、久々の顔ぶれを含めて、ここに居る仲間を全員呼び寄せた。
帝都に集結している共和国軍との決戦に備えて、作戦会議をする必要があった、彼らは帝都で何が起きているかをまだ知らない。
「なっ!、、、何ですか、それは!」
最初に口火を切ったのは、城主直轄大隊長のマキヤ中佐だった。
彼も、ベナル同様に将来は軍師を目指していたため、作戦には積極的に口を出したいのかもしれないが、さすがにこの無謀な敵の作戦構想を聞いて、それはないと思ったのだろう。
「そもそも、ユウスケ殿は一体どこからその情報を仕入れたのですか?、それは信頼に足る情報元なんですか?、そもそもそれが信用出来たとして、真っ当な軍人の作戦とは思えません」
そうだな、オルコ共和国軍が全軍を挙げてフキアエズに攻め込む、なんてことは、この世界の軍人なら考えないわな。
そもそも、同数とは言わないまでも、エレーナ皇女軍が迫っている中で、大軍を隣国へ全て攻めるのに使うバカはいないと思うわな。
「そう思うのも無理はない、しかし、それが事実だったとして考えてみてくれ、今現在、数でこそいいところまで来てはいるが、本当にオルコ共和国軍と対峙して、勝てる状況にあると思うか?、、玲子君、勢力図を」
俺は、机の上に、今現在我が方側が置かれた状況を皆に示した。
それは、俺が指摘した通り、決して有利な状況とは言い難いものだと、鋭い軍人ならすぐに気付いた事だろう。
「ユウスケ、しかしこの図なら、数では俺たちの方が多いじゃないか、これじゃ、ダメなのか?」
カシラビ軍曹がそう思うのは無理もない、この地図上で、敵の数は40万を少し超えるくらい、エレーナ皇女軍はようやく30万になろうという勢力に成長しているが、そもそも大きな参謀本部を持たない烏合の集状態だから、同数同士で戦っても少し不利なくらいだろう。
三国同盟軍も、国家の全てを同盟軍には差し出さないだろう、半分と見積もって、エフライム軍20万、フキアエズ軍5万、ドットス軍12万、これだけ見るとエレーナ皇女軍と合計すれば67万の大軍隊となる訳だが、、、、
「そうなんだ、マキヤ、もし君なら、40万人のオルコ共和国軍が、寄せ集めとはいえ67万の軍隊と有利に戦うには、どうしたらいいと思う?」
マキヤは慎重に考えた、、、考え抜いて、この短時間ながら彼が出した結論は、、、
「なるほど、、、いや、、しかし、、」
結論は出ていたようだが、軍人としての常識が、彼にその言葉を出させることを躊躇わせた。
「ほら、結論は出ただろ。あとはこの作戦を実行する指揮官に、その度胸があるか否か、だけだとは思わないか?」
さすがのマキヤも、納得せざるを得ない状況のようだった。
ただ、我々は一切、間違う事が出来ない状況だ。
外国人の我々より、彼らの方がよほど当事者だ、ましてや職業軍人であるマキヤやノアンカは、これから激しい動乱に見舞われるフキアエズ王国の事を思えば、身につまされるものがあるだろう、、、そしてエガ王子もな。
しかし、今はそれをしなければ、40万以上の共和国軍と正面から対峙して、総兵力10万のフキアエズ軍に勝ち目はまずない。
、、、、エガ、、、エニオガーノ・フキアエズ王子が、国王を説得できなければ、この作戦は終了する、同盟側の敗北と言う形で。
エガ、怒るだろうな、さすがに。
この作戦の概要を、俺は妖精フォンとして管理人をドットスに帰還したマキュウェルの元に、そしてシズをフキアエズに残ったムスキの元へ戻した。
これで、フキアエズ、ドットス、マグネラの玲子君、が繋がった状態になった。
問題は、俺だな。
この包囲部隊を速やかに降伏させ、エレーナ皇女軍と合流して、作戦を完璧なものにしないければならない。
「大丈夫か?、ユウスケ殿」
多分、俺はしばらくの間、意識を失って倒れていたんだろう、ウクルキとノアンカが心配そうに俺を覗き込んでいた。
その傍らでは、玲子君が疲れ果てたように俺のベッドの脇で、寝ている、、、ように見えたが、当然シズの部屋に行くのに意識を飛ばした結果なんだけどね。
「ああ、大丈夫だ、戦いは、、どうなった?」
「ああ、巨人族の威力が効きすぎたのか、完全な膠着状態となっている、こちらも兵を休ませて、交代で見張らせているが、、、この後、どうしたものか」
「ああ、大丈夫だ俺に考えがある、マグネラ・レジスタンスのリーダーと、巨人族の村長、その他、仲間を全員集めてくれないか」
俺は、久々の顔ぶれを含めて、ここに居る仲間を全員呼び寄せた。
帝都に集結している共和国軍との決戦に備えて、作戦会議をする必要があった、彼らは帝都で何が起きているかをまだ知らない。
「なっ!、、、何ですか、それは!」
最初に口火を切ったのは、城主直轄大隊長のマキヤ中佐だった。
彼も、ベナル同様に将来は軍師を目指していたため、作戦には積極的に口を出したいのかもしれないが、さすがにこの無謀な敵の作戦構想を聞いて、それはないと思ったのだろう。
「そもそも、ユウスケ殿は一体どこからその情報を仕入れたのですか?、それは信頼に足る情報元なんですか?、そもそもそれが信用出来たとして、真っ当な軍人の作戦とは思えません」
そうだな、オルコ共和国軍が全軍を挙げてフキアエズに攻め込む、なんてことは、この世界の軍人なら考えないわな。
そもそも、同数とは言わないまでも、エレーナ皇女軍が迫っている中で、大軍を隣国へ全て攻めるのに使うバカはいないと思うわな。
「そう思うのも無理はない、しかし、それが事実だったとして考えてみてくれ、今現在、数でこそいいところまで来てはいるが、本当にオルコ共和国軍と対峙して、勝てる状況にあると思うか?、、玲子君、勢力図を」
俺は、机の上に、今現在我が方側が置かれた状況を皆に示した。
それは、俺が指摘した通り、決して有利な状況とは言い難いものだと、鋭い軍人ならすぐに気付いた事だろう。
「ユウスケ、しかしこの図なら、数では俺たちの方が多いじゃないか、これじゃ、ダメなのか?」
カシラビ軍曹がそう思うのは無理もない、この地図上で、敵の数は40万を少し超えるくらい、エレーナ皇女軍はようやく30万になろうという勢力に成長しているが、そもそも大きな参謀本部を持たない烏合の集状態だから、同数同士で戦っても少し不利なくらいだろう。
三国同盟軍も、国家の全てを同盟軍には差し出さないだろう、半分と見積もって、エフライム軍20万、フキアエズ軍5万、ドットス軍12万、これだけ見るとエレーナ皇女軍と合計すれば67万の大軍隊となる訳だが、、、、
「そうなんだ、マキヤ、もし君なら、40万人のオルコ共和国軍が、寄せ集めとはいえ67万の軍隊と有利に戦うには、どうしたらいいと思う?」
マキヤは慎重に考えた、、、考え抜いて、この短時間ながら彼が出した結論は、、、
「なるほど、、、いや、、しかし、、」
結論は出ていたようだが、軍人としての常識が、彼にその言葉を出させることを躊躇わせた。
「ほら、結論は出ただろ。あとはこの作戦を実行する指揮官に、その度胸があるか否か、だけだとは思わないか?」
さすがのマキヤも、納得せざるを得ない状況のようだった。
ただ、我々は一切、間違う事が出来ない状況だ。
外国人の我々より、彼らの方がよほど当事者だ、ましてや職業軍人であるマキヤやノアンカは、これから激しい動乱に見舞われるフキアエズ王国の事を思えば、身につまされるものがあるだろう、、、そしてエガ王子もな。
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