自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した

独立国家の作り方

文字の大きさ
上 下
193 / 411
マグネラ攻防戦

第191話 キル・ザ・ドールとの闘いに

しおりを挟む
 シズ妖精の姿の管理人と、フルサイズのシズ、玲子君、、、、、なんだこのスリーショット、もう可笑しいやら何やら、笑いそうだよ。
 しかし、管理人と目を合わそうとしない玲子君が、まるで蛇に睨まれたカエルのように固まってしまってるな、、、未来人からしたら、本当に管理人は怖い存在なんだろう、まったく、彼らは一体何者なんだ。

「雄介様、管理人を呼んでいたご様子でしたから、来ましたが、それで合ってますか?」

「ああ、、察しがいいな、その通りだよ、ようこそシズの部屋に」

「大体、お話の内容は察しがついています、キル・ザ・ドールの中心座標ですね」
 
 ああ、なるほど、さすが管理人だな、この作戦の全体像は理解出来ているんだな。

「ああ、そうだな、中心座標、、、、帝都の共和国軍参謀本部でいいんだろう?」

「さすがは雄介様、そうですね、ほぼその位置ですが、恐らくは間もなく移動を開始するかと」

「オルコの兵力は、一体どのくらいフキアエズ国境へ向かうのだ?」

「、、、、そうですか、そこまでご理解されていますか、さすが雄介様ですな、。お察しの通り、オルコ共和国軍は、南東方向、フキアエズ国境に全力を向けて動くでしょう、恐らく、全力で」

 ん?、全力?、まさか40万人で国境を攻めるのか?、、、、あー、あいつならやりかねない、、そういう事か。

「管理人、ちょっとお願いがある、このままではフキアエズが陥落してしまう、狙いはそこだな、彼らは三国同盟の中心に楔を打ち込み、フキアエズを完全掌握した後に、エレーナ皇女遠征軍に対し総攻撃をかける、と」

 管理人は、小さく頷いた。
 目を反らしながらそれを聞いていた玲子君とシズは、その壮大な軍事戦略に圧倒されていた様子だった。
 それは、大方彼女たちが予想している作戦を、遥かに上回る非常識さがあったからだ。
 
 、、、、でも、俺には解る、そんな暴挙に、平然と出てしまうような奴が、キル・ザ・ドールの中心座標にいる奴なんだ。
 
 俺の予想が正しければ、そいつはオルコ共和国軍が作戦に失敗しても、平然と40万の将兵を見殺しにして、自分は現世に戻るだろう、所詮、その程度にしか兵を思っていない、彼らは自分の目的を達成するための道具程度にしか考えていない、だから、こんな無謀ともいえる作戦を思いつくし、実行できるのだろう。

「その部分も、雄介様のお考えの通りだと思います。それ故に、これからも雄介様は、彼らキル・ザ・ドールとの闘いに苦悩し続けるのです」

 ふーん、やっぱり危ない奴ら何だな、、、、あれ、、今、、なんか、俺の未来に対して、すごく重要な事を彼は今、言わなかった?
 ほら、玲子君がずっと目を反らしていたのに、管理人に凝視しているよ、、、何、何なの、怖いんだけど!

 しかし、一体、どんな奴なんだろうな、そいつら。

 俺は、短い時間の中で、通信が取れる唯一の4人が認識を統一出来るよう、作戦会議を実施した。
 敵の企図がフキアエズ王国にあるのであれば、俺達の取れる選択肢はそれほど多くはない。
 こちらもそれなりに大胆な作戦を立てなければ勝機なんて有り得ない。
 俺の考えた作戦は、フキアエズ軍に、まずフキアエズ王国を放棄して、全軍を出国させるという、普通に考えたら無謀極まりないものだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

Millennium226 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 6】 ― 皇帝のいない如月 ―

kei
歴史・時代
周囲の外敵をことごとく鎮定し、向かうところ敵なし! 盤石に見えた帝国の政(まつりごと)。 しかし、その政体を覆す計画が密かに進行していた。 帝国の生きた守り神「軍神マルスの娘」に厳命が下る。 帝都を襲うクーデター計画を粉砕せよ!

消された過去と消えた宝石

志波 連
ミステリー
大富豪斎藤雅也のコレクション、ピンクダイヤモンドのペンダント『女神の涙』が消えた。 刑事伊藤大吉と藤田建造は、現場検証を行うが手掛かりは出てこなかった。   後妻の小夜子は、心臓病により車椅子生活となった当主をよく支え、二人の仲は良い。 宝石コレクションの隠し場所は使用人たちも知らず、知っているのは当主と妻の小夜子だけ。 しかし夫の体を慮った妻は、この一年一度も外出をしていない事は確認できている。 しかも事件当日の朝、日課だったコレクションの確認を行った雅也によって、宝石はあったと証言されている。 最後の確認から盗難までの間に人の出入りは無く、使用人たちも徹底的に調べられたが何も出てこない。  消えた宝石はどこに? 手掛かりを掴めないまま街を彷徨っていた伊藤刑事は、偶然立ち寄った画廊で衝撃的な事実を発見し、斬新な仮説を立てる。 他サイトにも掲載しています。 R15は保険です。 表紙は写真ACの作品を使用しています。

処理中です...