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決 意
第170話 救世主として
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マグネラ・レジスタンスのリーダー「キタヤ・マルスル」の設定資料 ↓
「ああ、お父様、、、、お元気そうで」
再会を果たすことが出来た親子は、もう嬉し涙でグシャグシャになっていた。
ルガは、愛娘のメルガから一様に事情を聴くと、それはもうウクルキに感謝の言葉を述べた。
玲子君は、例外なく貰い泣きをしながら、二人の再会を祝福した。
街の住民は、今、中央広場でキャンプファイアのような、巨大な焚き火を囲むように宴会場を作りながら、大いに盛り上がっている真っ最中であった。
それは、あれほど孤軍奮闘し、もはや住民虐殺目前まで追い詰められていた状況を、勇敢に救ったブラックナイト・ユニットがマグネラのレジスタンスに合流したと言う事、そして一番効いたのが、先ほど重装甲騎兵を一撃で倒した対物狙撃銃の射手が、巨人族のゼンガであったことが、住民の士気を最高潮に盛り上げていた。
そして何より、住民の中には、オルコ帝国軍から漏れ聞いた、ブラックナイト・ユニットが皇女エレーナを奪い去ったことを知る者もいたのである。
更に、ブラックナイト ユニットは、単純に敵をかわして南下していただけであったが、地域住民には住民を苦しめるオルコ共和国軍を駆逐している一軍があると認識されており、それはウクルキの自分達は義軍、と言うポリシーが意外な形で身を結んだと言える。
それに尾ひれがついて、いよいよブラックナイト・ユニットの武勇伝は伝播し、このマグネラの住民たちの中で、いつか助けに来てくれるのではないか、との期待感が合致したことも、今夜の盛大な盛り上りに拍車をかけていた。
そんな歓喜と、感動の再会の場に、レジスタンスのリーダーが訪れた。
「この街の危機を救って頂き、本当に感謝しかありません、私はこのレジスタンスを率いているキタヤ・ マルスルと申します、あなた方は今噂になっているブラックナイト・ユニットの方々ですよね」
「はい、私はこのブラックナイト・ユニットの隊長、アッガ ウクルキと申します」
「噂では、元々ドットスの軍人と聞いていますが、、、、」
「ええ、つい先月まで、オルコ帝国軍と戦火を交えていた者です」
レジスタンス側からは、なんとも言えないリアクションがあった、目の前にいる彼らはつい先日まで、敵軍としてオルコと戦っていた人間たちである。
しかし、敵の敵は味方という考えからか、ここではむしろ、それ自体は歓迎されるべきことと言えた。
マルスルとウクルキは、打解けるのに時間はかからなかった。
そして、本物のブラックナイトは別にいる、とマルスルに打ち明けた、それは今ここにはいない俺の事を指しているようだった。
結局、このオルコのレジスタンスに加担するという一連の行動を指揮しているのは、本物のブラックナイトこと、斎藤雄介なのだと、ここで公言してしまったのだ。
ウクルキ、、、、ブラックナイトの名は、お前にやるって!。
そしてそんな重要情報とともに、もう一つ、ウクルキとメルガは、彼らに告白しなければならない事があった。
「マルスル殿、申し訳ないが、私達が強奪したと噂されているエレーナ皇女殿下だが、、、、」
「ああ、私達も驚いた、まさかドットス王国で保護されていたなんて」
ウクルキとメルガは、一瞬、何のことか解らないでいた、が、しかし、それは納得是ざるを得ない事を、その後聞くことになる。
「エレーナ皇女殿下は、皇位復権のためにドットス王国で挙兵したとの噂だ」
これには一同、驚きを隠せなかった。
もちろん、玲子君もルガさんも、このことは初めて聞く内容であった。
てっきり、ウクルキは、ここに居るメルガがエレーナの偽物であることを追求されると考えていただけに、少し気の抜ける思いだった。
しかし、メルガは、その情報を聞いて、感極まって泣いていたのだ。
なぜなら、この挙兵が、恐らくは復権に向けた行動と言うより、自分を救うための挙兵であることが容易に想像できたからだった。
「しかしウクルキ殿、せっかくブラックナイト・ユニットに合流してもらったが、包囲勢力は約3000、主要な街道も閉塞されている、物資も数カ月で枯渇するだろう、この危機を、どう切り抜けるか」
「ああ、この包囲環の中の兵力で、3000のオルコに攻め込まれれば、一たまりもない、いくら巨人が強くとも、それは時間の問題だろうな、しかし、ユウスケ殿がいる、あの方なら、きっと何とかしてくれる」
「ユウスケ、、あのブラックナイトと君が呼ぶ男か、そんなに凄いのか?」
そこへ玲子君が入ってくる。
「ええ、雄介様は、いつも危機的状況を、何とかしてしまわれるのです、恐らくは、救世主として」
一同は、小さく声を上げた、そんなに凄い人物が、今現在工作活動中なのであれば、もしや打開の糸口になるのでは、と。
おいおい、あんまり煽るなよ、期待されて、はい、どうも、って現れたら、こんな東洋人でした、ってがっかりされたらショック、デカいしな。
しかし、そんな状況を、再び一変させる情報が、シズから入った。
『GF、大変です、ブラックナイト討伐隊が、真っすぐマグネラの街に向かっています、わ、その数、5000騎!」
まったく、なんてタイミングが悪い!
「ああ、お父様、、、、お元気そうで」
再会を果たすことが出来た親子は、もう嬉し涙でグシャグシャになっていた。
ルガは、愛娘のメルガから一様に事情を聴くと、それはもうウクルキに感謝の言葉を述べた。
玲子君は、例外なく貰い泣きをしながら、二人の再会を祝福した。
街の住民は、今、中央広場でキャンプファイアのような、巨大な焚き火を囲むように宴会場を作りながら、大いに盛り上がっている真っ最中であった。
それは、あれほど孤軍奮闘し、もはや住民虐殺目前まで追い詰められていた状況を、勇敢に救ったブラックナイト・ユニットがマグネラのレジスタンスに合流したと言う事、そして一番効いたのが、先ほど重装甲騎兵を一撃で倒した対物狙撃銃の射手が、巨人族のゼンガであったことが、住民の士気を最高潮に盛り上げていた。
そして何より、住民の中には、オルコ帝国軍から漏れ聞いた、ブラックナイト・ユニットが皇女エレーナを奪い去ったことを知る者もいたのである。
更に、ブラックナイト ユニットは、単純に敵をかわして南下していただけであったが、地域住民には住民を苦しめるオルコ共和国軍を駆逐している一軍があると認識されており、それはウクルキの自分達は義軍、と言うポリシーが意外な形で身を結んだと言える。
それに尾ひれがついて、いよいよブラックナイト・ユニットの武勇伝は伝播し、このマグネラの住民たちの中で、いつか助けに来てくれるのではないか、との期待感が合致したことも、今夜の盛大な盛り上りに拍車をかけていた。
そんな歓喜と、感動の再会の場に、レジスタンスのリーダーが訪れた。
「この街の危機を救って頂き、本当に感謝しかありません、私はこのレジスタンスを率いているキタヤ・ マルスルと申します、あなた方は今噂になっているブラックナイト・ユニットの方々ですよね」
「はい、私はこのブラックナイト・ユニットの隊長、アッガ ウクルキと申します」
「噂では、元々ドットスの軍人と聞いていますが、、、、」
「ええ、つい先月まで、オルコ帝国軍と戦火を交えていた者です」
レジスタンス側からは、なんとも言えないリアクションがあった、目の前にいる彼らはつい先日まで、敵軍としてオルコと戦っていた人間たちである。
しかし、敵の敵は味方という考えからか、ここではむしろ、それ自体は歓迎されるべきことと言えた。
マルスルとウクルキは、打解けるのに時間はかからなかった。
そして、本物のブラックナイトは別にいる、とマルスルに打ち明けた、それは今ここにはいない俺の事を指しているようだった。
結局、このオルコのレジスタンスに加担するという一連の行動を指揮しているのは、本物のブラックナイトこと、斎藤雄介なのだと、ここで公言してしまったのだ。
ウクルキ、、、、ブラックナイトの名は、お前にやるって!。
そしてそんな重要情報とともに、もう一つ、ウクルキとメルガは、彼らに告白しなければならない事があった。
「マルスル殿、申し訳ないが、私達が強奪したと噂されているエレーナ皇女殿下だが、、、、」
「ああ、私達も驚いた、まさかドットス王国で保護されていたなんて」
ウクルキとメルガは、一瞬、何のことか解らないでいた、が、しかし、それは納得是ざるを得ない事を、その後聞くことになる。
「エレーナ皇女殿下は、皇位復権のためにドットス王国で挙兵したとの噂だ」
これには一同、驚きを隠せなかった。
もちろん、玲子君もルガさんも、このことは初めて聞く内容であった。
てっきり、ウクルキは、ここに居るメルガがエレーナの偽物であることを追求されると考えていただけに、少し気の抜ける思いだった。
しかし、メルガは、その情報を聞いて、感極まって泣いていたのだ。
なぜなら、この挙兵が、恐らくは復権に向けた行動と言うより、自分を救うための挙兵であることが容易に想像できたからだった。
「しかしウクルキ殿、せっかくブラックナイト・ユニットに合流してもらったが、包囲勢力は約3000、主要な街道も閉塞されている、物資も数カ月で枯渇するだろう、この危機を、どう切り抜けるか」
「ああ、この包囲環の中の兵力で、3000のオルコに攻め込まれれば、一たまりもない、いくら巨人が強くとも、それは時間の問題だろうな、しかし、ユウスケ殿がいる、あの方なら、きっと何とかしてくれる」
「ユウスケ、、あのブラックナイトと君が呼ぶ男か、そんなに凄いのか?」
そこへ玲子君が入ってくる。
「ええ、雄介様は、いつも危機的状況を、何とかしてしまわれるのです、恐らくは、救世主として」
一同は、小さく声を上げた、そんなに凄い人物が、今現在工作活動中なのであれば、もしや打開の糸口になるのでは、と。
おいおい、あんまり煽るなよ、期待されて、はい、どうも、って現れたら、こんな東洋人でした、ってがっかりされたらショック、デカいしな。
しかし、そんな状況を、再び一変させる情報が、シズから入った。
『GF、大変です、ブラックナイト討伐隊が、真っすぐマグネラの街に向かっています、わ、その数、5000騎!」
まったく、なんてタイミングが悪い!
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