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決 意
第164話 強行軍
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オルコ帝国反乱軍の増援部隊は、皇女護送部隊の増強として道中の安全を盤石にすべく派遣されていた。
しかし、オルコ領内に入った時点で、40騎からないる護送部隊が、よもや山賊の襲撃ごときで撃退されるわけもなく、今更エムデイ軍師は何故このような辺境に増援など送り込むのだろうと、皆疑問に感じていた。
それ故に、この任務は散歩程度の楽な任務との考えがあった。
そう思いながら進んでいると、峠を越えてきた護送部隊が、ゆっくりと皇女を乗せた馬車とともにこちらへ向かって来るのが見えた。
誰もがそれを確信した時だった、増援部隊指揮官は、護送部隊の騎兵の軍服の着こなしに、やや違和感を覚えた。
「護送任務ご苦労様です、、、、どうされましたか?、まるで一戦交えたように装備が荒れていますね」
すると、護送部隊の後方から土煙を上げながら全速力で迫る追っ手が見えるではないか。
「何ですかあれは、山賊にしては少し規模が大きいように見えますが、、、よし、応戦準備、、、、」
馬上の指揮官がそう言い終わる前に、護送部隊の先頭の兵士が長槍で指揮官の喉を突いた。
「、、、、?、、、何?」
そう言うと、馬から落下し、絶命する隊長を視認した増援部隊の兵士は、目の前にいる護送部隊が偽物であることを察すると、それは絶望へと変化していった。
無理もない、今土煙を挙げて突進してくる敵だけでも防戦一方となろう兵力比なのに、味方だと思っていた護送部隊までが敵であれば、もはや勝ち目はない。
増援部隊の兵士たちは、一目散にもと来た道を目指し逃げ帰っていった。
「追わなくてよいのですか?」
「大丈夫だヤップ、それに俺たちは正規軍ではない、我々ブラックナイトは義軍である必要がある。逃げる兵を追って惨殺しては意味がない」
ヤップは、そんなウクルキ隊長を頼もしいと感じた。
先ほど、増援部隊を視認した際、護送部隊に化けた騎兵に、オルコ軍の軍章を付けさせるよう命じたウクルキに対し「条約違反になる」と止めたヤップに「君主を持たないブラックナイトに条約はない」と言い放った時にも、同じことを感じた。
ヤップは、中隊の中でも最古参の下士官で、ウクルキよりもなかり年上であった、それ故に、中隊の人物は、良く見えるのだ。
それまで堅物の軍人だと思っていた隊長が、実は案外馬賊や山賊に向いているのでは、などと思い始めていた。
「しかし、これでオルコ反乱軍に、我々の存在が認知されましたな」
「ああ、止むをえまい、遅かれ早かれだ。」
「で、この後はどうされるので?」
「ああ、このまま来た道を戻ればフキアエズ王国に迷惑がかかる、あらぬ疑いがかかっては申し訳がない。強行軍になるとは思うが、南下して、ハイハープ渓谷沿いにドットスを目指そうと思う。」
「前回のオルコ軍の侵攻コースと同じ道を行くのですな」
ウクルキは、前回のロクソム城攻略のためにオルコ軍が進んだ経路をそのまま進む考えだったようだ。
しかし、シズの監視から、それはほぼ不可能な道であることが容易に確認出来た。
なぜなら、その地域には数万のオルコ帝国軍の、それも反乱軍部隊が待機してたからだ。
俺と玲子君は、シズを介して、メルガ奪還作戦の全容を上空から見ていた。
それ故に、玲子君は急ぐ必要があった、ウクルキ達を一刻も早く保護しなければならなかった。
しかし、オルコ領内に入った時点で、40騎からないる護送部隊が、よもや山賊の襲撃ごときで撃退されるわけもなく、今更エムデイ軍師は何故このような辺境に増援など送り込むのだろうと、皆疑問に感じていた。
それ故に、この任務は散歩程度の楽な任務との考えがあった。
そう思いながら進んでいると、峠を越えてきた護送部隊が、ゆっくりと皇女を乗せた馬車とともにこちらへ向かって来るのが見えた。
誰もがそれを確信した時だった、増援部隊指揮官は、護送部隊の騎兵の軍服の着こなしに、やや違和感を覚えた。
「護送任務ご苦労様です、、、、どうされましたか?、まるで一戦交えたように装備が荒れていますね」
すると、護送部隊の後方から土煙を上げながら全速力で迫る追っ手が見えるではないか。
「何ですかあれは、山賊にしては少し規模が大きいように見えますが、、、よし、応戦準備、、、、」
馬上の指揮官がそう言い終わる前に、護送部隊の先頭の兵士が長槍で指揮官の喉を突いた。
「、、、、?、、、何?」
そう言うと、馬から落下し、絶命する隊長を視認した増援部隊の兵士は、目の前にいる護送部隊が偽物であることを察すると、それは絶望へと変化していった。
無理もない、今土煙を挙げて突進してくる敵だけでも防戦一方となろう兵力比なのに、味方だと思っていた護送部隊までが敵であれば、もはや勝ち目はない。
増援部隊の兵士たちは、一目散にもと来た道を目指し逃げ帰っていった。
「追わなくてよいのですか?」
「大丈夫だヤップ、それに俺たちは正規軍ではない、我々ブラックナイトは義軍である必要がある。逃げる兵を追って惨殺しては意味がない」
ヤップは、そんなウクルキ隊長を頼もしいと感じた。
先ほど、増援部隊を視認した際、護送部隊に化けた騎兵に、オルコ軍の軍章を付けさせるよう命じたウクルキに対し「条約違反になる」と止めたヤップに「君主を持たないブラックナイトに条約はない」と言い放った時にも、同じことを感じた。
ヤップは、中隊の中でも最古参の下士官で、ウクルキよりもなかり年上であった、それ故に、中隊の人物は、良く見えるのだ。
それまで堅物の軍人だと思っていた隊長が、実は案外馬賊や山賊に向いているのでは、などと思い始めていた。
「しかし、これでオルコ反乱軍に、我々の存在が認知されましたな」
「ああ、止むをえまい、遅かれ早かれだ。」
「で、この後はどうされるので?」
「ああ、このまま来た道を戻ればフキアエズ王国に迷惑がかかる、あらぬ疑いがかかっては申し訳がない。強行軍になるとは思うが、南下して、ハイハープ渓谷沿いにドットスを目指そうと思う。」
「前回のオルコ軍の侵攻コースと同じ道を行くのですな」
ウクルキは、前回のロクソム城攻略のためにオルコ軍が進んだ経路をそのまま進む考えだったようだ。
しかし、シズの監視から、それはほぼ不可能な道であることが容易に確認出来た。
なぜなら、その地域には数万のオルコ帝国軍の、それも反乱軍部隊が待機してたからだ。
俺と玲子君は、シズを介して、メルガ奪還作戦の全容を上空から見ていた。
それ故に、玲子君は急ぐ必要があった、ウクルキ達を一刻も早く保護しなければならなかった。
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