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決 意
第163話 敵中を突破する
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ヤップ曹長の設定資料 ↓
メルガを乗せた反乱軍の護送部隊の前に、騎兵と思われる数十騎ほどが峠の上から護送部隊を見下ろしていた。
「おお、ようやく増援部隊のお出ましか、合流地点は聞いていた地点よりも幾分か手前か?」
護送を指揮していた隊長が、騎兵を確認し合流しようとしていた。
その時である。
突然車列の左真横から、30騎の襲撃部隊が襲いかかる。
駿足を活かした奇襲作戦であった。
「おい何をしている、皇女は必ず守り切れ、あいつ、先頭の男は皇女と共にいたウクルキとか言う男だったな、あいつを討ち取れ、騎数はそれほど多くはない、増援部隊を含めれば、こちらが圧倒的有利!」
しかし、峠の上に集結している騎兵部隊は、襲撃を受けている護送部隊を助ける気配がない。
これに憤慨した護送部隊の指揮官が、増援部隊に怒鳴り声を挙げる。
「何をしている!バカなのか貴様ら!、早く合流して匪賊を討伐せんか!」
すると、峠の上にいた騎兵は、ゆっくり護送部隊の方へ進みだす。
普段は冷静にして駿足が自慢のウクルキ中隊長であったが、この時は鬼の形相で護送部隊を襲撃していた。
先頭を行くウクルキが車列に接触すると、彼は大声で叫んだ。
「ドロエ!、突撃だ!」
すると、それまでゆっくり近づいていた峠の騎兵が、突然土煙を上げながら突進してくるではないか。
「おい、どうした、、、、味方ではないのか?」
護送部隊の指揮官がそう言い終わる前に、ウクルキの鋭い剣は、護送部隊指揮官を捕らえた。
ヤップ曹長が、馬車に乗っていたメルガに駆け寄り鍵を破壊すると、馬車の中から美しい皇女に扮したメルガの姿を確認した、、、、その美しさに、ヤップ曹長は一瞬、息を飲んだ
「どうしたヤップ、、、」
ヤップ曹長にエスコートされ、メルガがウクルキの元へ近づいてくる、しかし、メルガの表情は些か硬かった。
「あなた、、どうして、、、手紙お読みにならなくて?、、どうか私の事は、、、」
メルガがそう言い終わる前に、駆け寄ったウクルキは全力でメルガを抱きしめた。
「馬鹿を申すな、私の生涯の妻は、君一人なのだ、それを忘れてくれるな!」
硬かった表情のメルガの顔は、その言葉を聞いてすぐに紅潮し、目には涙で溢れた。
「なんてことを、なんてことを、あなたまで、、、こんな無茶を、、」
古参のヤップ曹長が、メルガを諭す。
「そう言わんでやって下さいまし、中隊長は単騎で乗り込むおつもりだったのです、こうして再会できたのですから、、、」
正面から迫っていたドロエ中尉率いる主力部隊は、四散する護送部隊の残兵を次々と討ち取り、ウクルキ中隊長とメルガが抱き合う姿を視認すると、勝鬨の雄叫びを高々と響かせた。
「メルガ、彼らが私の部下達だ、この窮状を見かねて駆け付けてきてくれたんだ」
「まあ、、、まあ、、なんという事でしょう、、」
メルガが泣きながら、砂塵にまみれた騎兵隊を嬉しそうに見つめる。
つい先ほどまで処刑を待つ身であったことを考えれば、それは信じられない光景であった。
しかし、感動の再会も束の間、本物の増援部隊が峠の向こうから迫って来るのが見張り役により確認されると、
「隊長!、オルコ反乱軍部隊、増援がこちらに向かってきます、おおよそ50騎程度!」
「よし、わかった!、それでは作戦Bだ、ヤップ、みんなに伝えてくれ!。メルガ、申し訳ないが、もう一度馬車に乗ってくれないか、敵中を突破する」
「はい、あなた!」
メルガの表情に、もはや曇りは無かった。
もしかしたら、自分は再びウクルキと共に行けるのではないかという希望が湧いていた。
もちろん、まだ何も解決の見込みのない、厳しい旅路ではあったが、それは一縷の望みであり、細い希望の糸であった。
メルガを乗せた反乱軍の護送部隊の前に、騎兵と思われる数十騎ほどが峠の上から護送部隊を見下ろしていた。
「おお、ようやく増援部隊のお出ましか、合流地点は聞いていた地点よりも幾分か手前か?」
護送を指揮していた隊長が、騎兵を確認し合流しようとしていた。
その時である。
突然車列の左真横から、30騎の襲撃部隊が襲いかかる。
駿足を活かした奇襲作戦であった。
「おい何をしている、皇女は必ず守り切れ、あいつ、先頭の男は皇女と共にいたウクルキとか言う男だったな、あいつを討ち取れ、騎数はそれほど多くはない、増援部隊を含めれば、こちらが圧倒的有利!」
しかし、峠の上に集結している騎兵部隊は、襲撃を受けている護送部隊を助ける気配がない。
これに憤慨した護送部隊の指揮官が、増援部隊に怒鳴り声を挙げる。
「何をしている!バカなのか貴様ら!、早く合流して匪賊を討伐せんか!」
すると、峠の上にいた騎兵は、ゆっくり護送部隊の方へ進みだす。
普段は冷静にして駿足が自慢のウクルキ中隊長であったが、この時は鬼の形相で護送部隊を襲撃していた。
先頭を行くウクルキが車列に接触すると、彼は大声で叫んだ。
「ドロエ!、突撃だ!」
すると、それまでゆっくり近づいていた峠の騎兵が、突然土煙を上げながら突進してくるではないか。
「おい、どうした、、、、味方ではないのか?」
護送部隊の指揮官がそう言い終わる前に、ウクルキの鋭い剣は、護送部隊指揮官を捕らえた。
ヤップ曹長が、馬車に乗っていたメルガに駆け寄り鍵を破壊すると、馬車の中から美しい皇女に扮したメルガの姿を確認した、、、、その美しさに、ヤップ曹長は一瞬、息を飲んだ
「どうしたヤップ、、、」
ヤップ曹長にエスコートされ、メルガがウクルキの元へ近づいてくる、しかし、メルガの表情は些か硬かった。
「あなた、、どうして、、、手紙お読みにならなくて?、、どうか私の事は、、、」
メルガがそう言い終わる前に、駆け寄ったウクルキは全力でメルガを抱きしめた。
「馬鹿を申すな、私の生涯の妻は、君一人なのだ、それを忘れてくれるな!」
硬かった表情のメルガの顔は、その言葉を聞いてすぐに紅潮し、目には涙で溢れた。
「なんてことを、なんてことを、あなたまで、、、こんな無茶を、、」
古参のヤップ曹長が、メルガを諭す。
「そう言わんでやって下さいまし、中隊長は単騎で乗り込むおつもりだったのです、こうして再会できたのですから、、、」
正面から迫っていたドロエ中尉率いる主力部隊は、四散する護送部隊の残兵を次々と討ち取り、ウクルキ中隊長とメルガが抱き合う姿を視認すると、勝鬨の雄叫びを高々と響かせた。
「メルガ、彼らが私の部下達だ、この窮状を見かねて駆け付けてきてくれたんだ」
「まあ、、、まあ、、なんという事でしょう、、」
メルガが泣きながら、砂塵にまみれた騎兵隊を嬉しそうに見つめる。
つい先ほどまで処刑を待つ身であったことを考えれば、それは信じられない光景であった。
しかし、感動の再会も束の間、本物の増援部隊が峠の向こうから迫って来るのが見張り役により確認されると、
「隊長!、オルコ反乱軍部隊、増援がこちらに向かってきます、おおよそ50騎程度!」
「よし、わかった!、それでは作戦Bだ、ヤップ、みんなに伝えてくれ!。メルガ、申し訳ないが、もう一度馬車に乗ってくれないか、敵中を突破する」
「はい、あなた!」
メルガの表情に、もはや曇りは無かった。
もしかしたら、自分は再びウクルキと共に行けるのではないかという希望が湧いていた。
もちろん、まだ何も解決の見込みのない、厳しい旅路ではあったが、それは一縷の望みであり、細い希望の糸であった。
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