152 / 341
帝国の激震
第150話 貴殿の妙案を信じて
しおりを挟む
俺はベナル達ドットス王国帰還組、そしてエガ達フキアエズ首都帰還組を見送った。
エガのプロポーズをどうするかは、マキュウェルに委ねられ、この騒動が終わったら、あらためて返事をする事になった。
ロームボルド准将は、ワイドロア連隊を既に前方へ展開しているので、何かあればすぐに進撃出来ると教えてくれた。
そして、ウクルキには、、、
「まだ、何も終わっていないし、何も始まってはいない、厳しい旅路になると思うが、最後まで諦めるな、俺がきっと、なんとかするから」
「ユウスケ殿、かたじけない、貴殿の妙案を信じて!」
ウクルキはそう言うと、手を大きく降って、迎えに来ていたフキアエズの軍隊と共に首都に向け、新妻と共に去って行った。
17名もいた大きなパーティは、急に少なくなっていた。
俺たちのパーティからもウクルキが抜けて、人員が不足していたし、多分、全員が同じ行動を取ることは出来ないだろう、なぜなら時間がないのだ、全てを同時に進める必要がある。
そして、この世界には、通信手段が伝令しかない。
厳密には狼煙や伝書鳩などはあるのだが、正確性に欠ける。
俺は、ベナルに増員を依頼した、間に合うと良いのだが。
「みんな、これから作戦について話がしたい、集まってくれ」
俺は残った人間を全て広間に集めると、作戦について話を始めた。
「これから先の行動は、グループに分かれてほしい、そこにはルガ ハイヤーさん、あなたも含まれます」
メルガの父親であるルガ ハイヤー氏もここに残っていた。
娘さんと同行しないくていいのか聞いたが、嫁いだ娘に付いてゆくのは野暮だし、今は自分に出来ることをしたい、との申し出であった。
エレーナのパーティは、エレーナと従者の二人がドットス本国へ、メルガがフキアエズ預かりとなったため、父親は一人となってしまった。
しかし、彼の存在は戦力になる、事実上、帝国軍の中枢とパイプを持っているのは彼しかいない。
そして、この世界にはない銃以外の、もう一つのアドバンテージ、それを使うしかないだろう。
「これからオルコ帝国領内に侵入するグループと、エフライム公国へ行くグループに分ける、マキュウェル、ノアンカ、ムスキ、俺と一緒にエフライム公国へ行ってくれ」
それを聞いた玲子君が、少し動揺した。
これまでずっと行動を共にしてきた自分が、俺との同行から外されるとは思っていなかったようだった。
「オルコ領内へは、カシラビ、玲子君《レディー》、オル、ゼンガ、そしてルガさん、お願いできますか?」
ルガさんは快諾してくれた、土地勘のあるルガさんとカシラビ、巨人の二人、そして玲子君、女性一人ですまないが、カシラビも女性には紳士だから問題ないだろう、、、多分。
『雄介様、これはどういうことですか?、私は雄介様と行動を共にします」
『いや、今回に限ってはこれでいいんだ、俺たち二人しか、体内ディバイスを入れていないから、音声通話は二人しか出来ないし、いざとなればシズの部屋で落ち合える、シズ、通信距離は大丈夫か?」
『もちろんです、そんなアナログな通信距離ではありませんよ、地球の反対側でも通信可能ですわ」
さすがだな、どんな方式か知らないが、大したものだ。
「ゼンガ、君の小銃をこちらに預けてくれないか?」
「ああ、しかし、1丁でいいのか?」
「問題ない、戦いに使用するんじゃないからな、代わりと言ってはなんだが、、、」
俺は、対物狙撃銃をゼンガに与えた。
突然こんな長物が出てきたら、色々物理法則上、なんだか問題ありそうだが、先ほどのベナル達が持ってきてくれた、ということで誤魔化す事が出来た。
さすがに巨人族には丁度良い大きさだな、今まで玲子君は、よくこんなの扱ってきたものだとあらためて感じる。
「カシラビ達オルコ領内へ侵入する組は、オルコ帝国内の状況を探ってほしい、俺の予想では、反乱部隊に対抗するレジスタンスのような組織があると考えている」
「なるほど、それは十分にありえますな」
ルガさんは、オルコ帝国は先の皇帝により安定した政治を行っていたため、国内の貴族や軍人は、現反乱勢力に素直に全員が従うとは思えないとのことだった。
そりゃそうだろ、ポッと出の人間に、いきなり全員が付いてゆく事なんて普通はない。
ルガさんには、帝国領内のパイプを使ってレジスタンス活動を煽ってもらうよう指示した。
そして、カシラビの友人、ローハン達も、現場でレジスタンス活動をするメンバーを募るよう依頼した。
ここには、巨人族二人が付いていることで、説得力を得る事が出来るだろう。
この、オルコ軍の分裂に成功すれば、あとは半分の側にドットスとフキアエズの34万が付けば、形勢逆転を狙える、また、それがこのレジスタンス活動の担保となるだろう。
だが、さらなる担保が必要になる。
その鍵が、エフライム公国にあるな。
エガのプロポーズをどうするかは、マキュウェルに委ねられ、この騒動が終わったら、あらためて返事をする事になった。
ロームボルド准将は、ワイドロア連隊を既に前方へ展開しているので、何かあればすぐに進撃出来ると教えてくれた。
そして、ウクルキには、、、
「まだ、何も終わっていないし、何も始まってはいない、厳しい旅路になると思うが、最後まで諦めるな、俺がきっと、なんとかするから」
「ユウスケ殿、かたじけない、貴殿の妙案を信じて!」
ウクルキはそう言うと、手を大きく降って、迎えに来ていたフキアエズの軍隊と共に首都に向け、新妻と共に去って行った。
17名もいた大きなパーティは、急に少なくなっていた。
俺たちのパーティからもウクルキが抜けて、人員が不足していたし、多分、全員が同じ行動を取ることは出来ないだろう、なぜなら時間がないのだ、全てを同時に進める必要がある。
そして、この世界には、通信手段が伝令しかない。
厳密には狼煙や伝書鳩などはあるのだが、正確性に欠ける。
俺は、ベナルに増員を依頼した、間に合うと良いのだが。
「みんな、これから作戦について話がしたい、集まってくれ」
俺は残った人間を全て広間に集めると、作戦について話を始めた。
「これから先の行動は、グループに分かれてほしい、そこにはルガ ハイヤーさん、あなたも含まれます」
メルガの父親であるルガ ハイヤー氏もここに残っていた。
娘さんと同行しないくていいのか聞いたが、嫁いだ娘に付いてゆくのは野暮だし、今は自分に出来ることをしたい、との申し出であった。
エレーナのパーティは、エレーナと従者の二人がドットス本国へ、メルガがフキアエズ預かりとなったため、父親は一人となってしまった。
しかし、彼の存在は戦力になる、事実上、帝国軍の中枢とパイプを持っているのは彼しかいない。
そして、この世界にはない銃以外の、もう一つのアドバンテージ、それを使うしかないだろう。
「これからオルコ帝国領内に侵入するグループと、エフライム公国へ行くグループに分ける、マキュウェル、ノアンカ、ムスキ、俺と一緒にエフライム公国へ行ってくれ」
それを聞いた玲子君が、少し動揺した。
これまでずっと行動を共にしてきた自分が、俺との同行から外されるとは思っていなかったようだった。
「オルコ領内へは、カシラビ、玲子君《レディー》、オル、ゼンガ、そしてルガさん、お願いできますか?」
ルガさんは快諾してくれた、土地勘のあるルガさんとカシラビ、巨人の二人、そして玲子君、女性一人ですまないが、カシラビも女性には紳士だから問題ないだろう、、、多分。
『雄介様、これはどういうことですか?、私は雄介様と行動を共にします」
『いや、今回に限ってはこれでいいんだ、俺たち二人しか、体内ディバイスを入れていないから、音声通話は二人しか出来ないし、いざとなればシズの部屋で落ち合える、シズ、通信距離は大丈夫か?」
『もちろんです、そんなアナログな通信距離ではありませんよ、地球の反対側でも通信可能ですわ」
さすがだな、どんな方式か知らないが、大したものだ。
「ゼンガ、君の小銃をこちらに預けてくれないか?」
「ああ、しかし、1丁でいいのか?」
「問題ない、戦いに使用するんじゃないからな、代わりと言ってはなんだが、、、」
俺は、対物狙撃銃をゼンガに与えた。
突然こんな長物が出てきたら、色々物理法則上、なんだか問題ありそうだが、先ほどのベナル達が持ってきてくれた、ということで誤魔化す事が出来た。
さすがに巨人族には丁度良い大きさだな、今まで玲子君は、よくこんなの扱ってきたものだとあらためて感じる。
「カシラビ達オルコ領内へ侵入する組は、オルコ帝国内の状況を探ってほしい、俺の予想では、反乱部隊に対抗するレジスタンスのような組織があると考えている」
「なるほど、それは十分にありえますな」
ルガさんは、オルコ帝国は先の皇帝により安定した政治を行っていたため、国内の貴族や軍人は、現反乱勢力に素直に全員が従うとは思えないとのことだった。
そりゃそうだろ、ポッと出の人間に、いきなり全員が付いてゆく事なんて普通はない。
ルガさんには、帝国領内のパイプを使ってレジスタンス活動を煽ってもらうよう指示した。
そして、カシラビの友人、ローハン達も、現場でレジスタンス活動をするメンバーを募るよう依頼した。
ここには、巨人族二人が付いていることで、説得力を得る事が出来るだろう。
この、オルコ軍の分裂に成功すれば、あとは半分の側にドットスとフキアエズの34万が付けば、形勢逆転を狙える、また、それがこのレジスタンス活動の担保となるだろう。
だが、さらなる担保が必要になる。
その鍵が、エフライム公国にあるな。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
『おっさんが二度も転移に巻き込まれた件』〜若返ったおっさんは異世界で無双する〜
たみぞう
ファンタジー
50歳のおっさんが事故でパラレルワールドに飛ばされて死ぬ……はずだったが十代の若い体を与えられ、彼が青春を生きた昭和の時代に戻ってくると……なんの因果か同級生と共にまたもや異世界転移に巻き込まれる。現代を生きたおっさんが、過去に生きる少女と誰がなんのために二人を呼んだのか?、そして戻ることはできるのか?
途中で出会う獣人さんやエルフさんを仲間にしながらテンプレ? 何それ美味しいの? そんなおっさん坊やが冒険の旅に出る……予定?
※※※小説家になろう様にも同じ内容で投稿しております。※※※
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
マッドハッターの気ままな事件簿~ドSな帽子屋は一人の少女を溺愛する~
狭山ひびき@バカふり160万部突破
ミステリー
★第1話★「フランソワーズちゃんがいないの!」――シルクハットにハムスターと鳩をのせた情報屋ヴィクトールは、国王オルフェリウスに王太后の猫フランソワーズがいなくなったから探せと命じられる。どうやら、行方のわからなくなった猫はほかにもいるようで――。★第2話★溺愛するスノウを連れて、シオンから借りた別荘にやってきたヴィクトール。1ヶ月、スノウと楽しくイチャイチャしてすごす予定だったのに、別荘付近の湖には魔物が出るという噂があってーー。
少しニヒルでドSな帽子屋《マッドハッター》の、いちゃいちゃ×ブラック×ミステリーコメディです。
【作品構成】
★第1話★お猫様はどこに消えた!?
★第2話★湖には魔物がすんでいる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる