自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した

独立国家の作り方

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新たな仲間

第138話 どっちが好み?

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「ねえ、ミスズ達は、一体どこから来た冒険者なの?」

 女性陣の夕食準備中に、エレーナが玲子君に聞いて来た。
 玲子君は少し困ったようではあったが、メルガが同じように興味を示して来たため、答えないわけにはいかなかった。

「私達は、東の果ての国からです」

「東って?、どれくらい?」

「そうですね、もう、本当に大陸の一番東の、更に東の島国ですわ」

「随分遠くから来たのね、私はてっきり、エガと同じ地方から来たのかと思ったわ、だいたい、似てるわよね、あんた達」

 玲子君は、自分と俺が似ていると言われたのかと思い、少し頬を赤らめた。
 そんな表情を見て、エレーナはイタズラ心を覗かせた。

「ねえ、あんた、実際のところさ、どうなの?あのユウスケって男と、エガ、どっちが好み?」

「いえ、雄介様は、その、違います!」

「へー、じゃあ、あんた、エガの方が好みってわけ?」

「、、、それも違います、私は雄介様にお仕えする者ですから」

「あんた、あのユウスケの従者なの?、随分パッとしないのに仕えてるわね」

「雄介様は、パッとしたお方です!」

 何だよパッとした男って、照明器具か俺は。

「、、、ああ見えて、いつもお優しく、時には勇敢で、頭の回転も速いですし、何より誰に対しても平等に愛情を注がれるお方なのです、ちょっと優柔不断なところはありますが」

 優柔不断、、、ああ、そう言う意味ね、いやあ、本当は玲子君一筋なんだが、言ったことは無いけどさ。

「じゃあさ、マキュウェルはどっちが好み?」

「おい、何で選択肢があの二人なのよ!、まあ、どちらも素敵だと思うけど、、、」

 少しあきれ顔のエレーナは「あんた達の好みって、ちょっと寄ってない?」と、変な突っ込みを入れた。
 、、、なあ、俺たちって、ちょっと寄ってんのか?、どう思うよエガ?
 そして、最後にマキュウェルが意外な言葉を発した。

「でも、ちょっと、エガさんは、、、、気になるかな」

 おいおい、女子の恋話駄々洩れなんだが、大丈夫か?
 そんでもって、なに、マキュウェル、ちょっと新しい恋に目覚めちゃったのか?


 、、、、ちょっと前まで、俺に結構、アプローチしてたよな、、君。
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