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武装する巨人山賊
第128話 大きな間違いを犯して
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「玲子君、手持ちの武器で、象を倒せそうなものって、何だろう?」
俺たちは、作戦をたてながら、巨人のいると噂されている山岳地帯へ向けて進んでいた。
「そうですね、基本的に本物の象であれば、ムスキや私が装備している小銃弾でも数発急所に入れば倒せると思うのですが、少し彼らが言っていた、倒せないの真意が気になるところですね」
そうなんだ、俺たちが現世から持ち込んだ武器で、恐らくこの世界の生き物は大体倒すことが出来る、対戦車ミサイルなどで、生き物を倒せない訳がない。
しかし、いきなり徒歩の旅路に、降って沸いたように対戦車ミサイルが出てくれば、それは何処から?ということになるから、今回は今現在の手持ちの武器で戦うしかない。
それにしても、ムスキは元々魔法使い枠のような立ち位置だったから、以前は杖を持っていたのは解るけど、何で小銃装備となった今現在でも、魔法の杖を持ち歩いているんだ?
「なあムスキ、その魔法の杖って、どんな魔法が使えるんだ?」
「え、ああ、この杖ですか?、これは魔法の杖ではありませんよ」
「ん?、魔法の杖じゃないの?」
「はい、少し似ていますが、これは魔法も一応少しは使えますが、照明器具ですよ、見た事ありませんでしたか?」
照明器具?、見た事無かったぞ、そんなもの。
ムスキは、今夜野宿の際に見せてくれるとのことだった。
今夜は火を絶やすことの出来ない夜になる。
俺たちは、ここで野宿をしながら、巨人の襲撃にい備える、それが大まかな作戦だ。
その際に、威力の強い小銃を持っているカシラビ軍曹の狙撃銃で夜陰に紛れて待ち伏せし、一体づつ倒す、という方法が第一の作戦だった。
第2案は、あまり良いやり方ではないが、玲子君に空中待機してもらい、最悪は砲弾を空中から落としてもらう。そのため、待ち伏せと称して玲子君は一時的にシズと合流する手筈となっている。
という訳で、今夜は宿の主人が絶対にしてはならない、と言っていた野宿にトライすることとなった。
本来であれば、日中に巨人族を探して撃退する方法を考えていたが、肝心の巨人族とどう接触するかの案がどうしても出てこなかった。
俺たちは巨人を撃退するのが使命ではないし、王女であるマキュウェルを危険に晒すわけにはいかない。
そんな状況を打破したのは、他ならぬマキュウェルだった。
もちろん、ノアンカ少佐とウクルキ少佐は猛反発した、自らを危険に晒すようなことは容認できないと。
まあ、そりゃそうだ、さすがに危険すぎる。
しかし、相手が象と同等レベルであれば、この7人で対応可能だろうと、俺は思った。
そして、いよいよ野宿のための準備が始まった。
基本的に、巨人族の好物は野生動物の肉とのことだった。
そして、野菜を食べる習慣が無いのだそうだ、、、健康に悪そうだが。
そんな時、やはり頼りになるのはカシラビだ、器用に罠を仕掛けて、ウサギや鹿などを捕らえて行く。
さすがはハイハープの民、野生動物の少ない、高地での生活が彼らをサバイバルで強く鍛えて行ったのだろう。
そこへ行くと、俺や貴族の将校たちは何とも不甲斐ない、調理はムスキが担当し、その日の夕食は、これら肉のスープに直火で焼いた肉料理と、今日は肉のオンパレードだった。
カシラビは、小型動物の他、野生の鹿を二頭も捕獲したため、加工には男手が必要だったが、これがかなりの重労働で、更に言うなら、この量は7人で食べきれるような量では無かった。
現世ならジビエ料理として、喜ばれるだろうが、口に入るまでにこれほどの労力があったとは意外だった。
しかし、野生の動物の肉とは、これほどまでに美味いだろうか、この世界に来てから、料理は美味いと感じていたが、素材の良さもあったのだろう、家畜の肉よりも脂身は少ないが、うまみが芳醇だと感じる。
そして問題の夜が来た。
巨人族は夜行性ではないものの、人間同様に夜目も効き、文化も十分に持っている、人間よりも鼻は良く、嗅覚と焚火の火でここまで十分に来ることが出来るだろう。
、、、俺はここで、大きな間違いを犯していることに、気付いていなかった、、、巨人族と言う言葉に、先入観が入っていたのだ。
俺たちは、作戦をたてながら、巨人のいると噂されている山岳地帯へ向けて進んでいた。
「そうですね、基本的に本物の象であれば、ムスキや私が装備している小銃弾でも数発急所に入れば倒せると思うのですが、少し彼らが言っていた、倒せないの真意が気になるところですね」
そうなんだ、俺たちが現世から持ち込んだ武器で、恐らくこの世界の生き物は大体倒すことが出来る、対戦車ミサイルなどで、生き物を倒せない訳がない。
しかし、いきなり徒歩の旅路に、降って沸いたように対戦車ミサイルが出てくれば、それは何処から?ということになるから、今回は今現在の手持ちの武器で戦うしかない。
それにしても、ムスキは元々魔法使い枠のような立ち位置だったから、以前は杖を持っていたのは解るけど、何で小銃装備となった今現在でも、魔法の杖を持ち歩いているんだ?
「なあムスキ、その魔法の杖って、どんな魔法が使えるんだ?」
「え、ああ、この杖ですか?、これは魔法の杖ではありませんよ」
「ん?、魔法の杖じゃないの?」
「はい、少し似ていますが、これは魔法も一応少しは使えますが、照明器具ですよ、見た事ありませんでしたか?」
照明器具?、見た事無かったぞ、そんなもの。
ムスキは、今夜野宿の際に見せてくれるとのことだった。
今夜は火を絶やすことの出来ない夜になる。
俺たちは、ここで野宿をしながら、巨人の襲撃にい備える、それが大まかな作戦だ。
その際に、威力の強い小銃を持っているカシラビ軍曹の狙撃銃で夜陰に紛れて待ち伏せし、一体づつ倒す、という方法が第一の作戦だった。
第2案は、あまり良いやり方ではないが、玲子君に空中待機してもらい、最悪は砲弾を空中から落としてもらう。そのため、待ち伏せと称して玲子君は一時的にシズと合流する手筈となっている。
という訳で、今夜は宿の主人が絶対にしてはならない、と言っていた野宿にトライすることとなった。
本来であれば、日中に巨人族を探して撃退する方法を考えていたが、肝心の巨人族とどう接触するかの案がどうしても出てこなかった。
俺たちは巨人を撃退するのが使命ではないし、王女であるマキュウェルを危険に晒すわけにはいかない。
そんな状況を打破したのは、他ならぬマキュウェルだった。
もちろん、ノアンカ少佐とウクルキ少佐は猛反発した、自らを危険に晒すようなことは容認できないと。
まあ、そりゃそうだ、さすがに危険すぎる。
しかし、相手が象と同等レベルであれば、この7人で対応可能だろうと、俺は思った。
そして、いよいよ野宿のための準備が始まった。
基本的に、巨人族の好物は野生動物の肉とのことだった。
そして、野菜を食べる習慣が無いのだそうだ、、、健康に悪そうだが。
そんな時、やはり頼りになるのはカシラビだ、器用に罠を仕掛けて、ウサギや鹿などを捕らえて行く。
さすがはハイハープの民、野生動物の少ない、高地での生活が彼らをサバイバルで強く鍛えて行ったのだろう。
そこへ行くと、俺や貴族の将校たちは何とも不甲斐ない、調理はムスキが担当し、その日の夕食は、これら肉のスープに直火で焼いた肉料理と、今日は肉のオンパレードだった。
カシラビは、小型動物の他、野生の鹿を二頭も捕獲したため、加工には男手が必要だったが、これがかなりの重労働で、更に言うなら、この量は7人で食べきれるような量では無かった。
現世ならジビエ料理として、喜ばれるだろうが、口に入るまでにこれほどの労力があったとは意外だった。
しかし、野生の動物の肉とは、これほどまでに美味いだろうか、この世界に来てから、料理は美味いと感じていたが、素材の良さもあったのだろう、家畜の肉よりも脂身は少ないが、うまみが芳醇だと感じる。
そして問題の夜が来た。
巨人族は夜行性ではないものの、人間同様に夜目も効き、文化も十分に持っている、人間よりも鼻は良く、嗅覚と焚火の火でここまで十分に来ることが出来るだろう。
、、、俺はここで、大きな間違いを犯していることに、気付いていなかった、、、巨人族と言う言葉に、先入観が入っていたのだ。
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