129 / 341
武装する巨人山賊
第127話 山 賊
しおりを挟む
まったく、あの戦いのあと、逃げるようにロクソム城を去ったから、人事やら編成やらの報告が後から来てしまい、旅路が少し遅れてしまった。
それに、本来なら直接オルコ帝国領へ進入する予定だったが、密偵《みってい》と思っていたキニーレイ少尉を振り切ろうとして、進路を西から北へ変えてしまった。
このまま北へ進めば、北の隣国フキアエズ王国領へ進入してしまう。
しかしこれは案外、怪我の功名で、直接オルコ帝国領へ進入し、捕獲された時に、我々がドットスから来た事が安易に露呈《ろてい》するが、フキアエズ王国経由なら、俺たちはフキアエズの民とも、エフライムの民とも誤魔化すことが出来る。
それであれば、険悪なムードのオルコ領内へ直接進入するよりもフキアエズは幾分か友好関係だから、まあ少しは安全だろう。
、、、、、そう思って、俺たちはフキアエズ王国領へ入った訳だが、この国では、今少し問題が発生していた。
それは、巨人族の一部が群れを離れ、一部が山賊化《さんぞくか》しているとのことだった。
それは最初に入った宿場町でのことだった。
「お客さんがた、旅のお方?それとも冒険者御一行で?」
「ああ、一応、冒険者をやっているが、今は金銭的な問題は無いから基本的に仕事は受けていないな」
宿の主人は、それを聞くと少し残念そうな顔をした。
それと、くれぐれもここの地域では、野宿をしないよう注意された、その理由が、例の巨人騒動の始まりだった。
「カシラビ、巨人族って知り合いにいるか?」
「ああ、ごく稀ではあるが、一応いるぞ、興味あるのか?」
「今、宿の主人から、この辺で野宿は絶対にするなって言われたんだ、巨人が山賊化しているらしい」
「ええ、それはヤバいですぜ、巨人相手に武器が使えないからな」
巨人って、単純に俺たちより身長がデカいだけじゃないの?
「カシラビとムスキは銃を持っているし、いくいらなんでも銃で撃たれたら倒れるだろ」
「ユウスケは巨人の怖さを知らないからそう思うんだろうな。あいつら、巨人って言いわするが、基本的に人間じゃあない、どちらかと言えば象に近いかな」
ああ、銃が利きそうもないな、しかし、ムスキや玲子君が持っているのは自動小銃だから、単発のカシラビより、有利に戦えるんじゃないかと俺は思った。
そんな時、宿に警察が訪ねてきた、俺たちは少し動揺した、警察がわざわざこんなところに来るなんて、、、身分がバレたか?
友好関係があるとしても、一国の王女がお忍びで越境だからな。
「ノアンカ、ウクルキ、カシラビ、いいか?」
3人は、無言で頷くと、小さくだが、抜刀の構えで警察が来るのを待った。
警察官に、宿の主人は俺たちを指さす、密告か?この国は秘密警察方式なのか?
全員息を飲む、、、、
しかし、警察官は、少し意外な事を俺たちに話た。
「冒険者の方々ですね、我々は警察の者ですが、最近この付近に巨人の山賊が出現しまして、手を焼いております」
どうやら、冒険者パーティだと思った警察は、俺たちに巨人の対処を依頼したいようだった。
、、、と言ってもなあ。
「失礼ですが、フキアエズの軍隊は出動出来ないのですか?」
「お恥ずかしい話なのですが、通常攻撃では全く歯が立ちません、討伐隊を編成してはいますが、国としては、できるだけこの討伐隊に多くの冒険者を参加させ、確実な対応をしたいと考えているようでして、、、」
警察官たちの口調は、どこか歯切れの悪いものだった。
そりゃ、そんな化け物相手じゃ、無理もない。
基本的に、この世界では火力というツールが無いため、人同士の戦いには軍隊、亜人相手の戦いには専門の冒険者、というのがスタンスらしい。
いや、巨人って、人同士にはならないのか?
それに、本来なら直接オルコ帝国領へ進入する予定だったが、密偵《みってい》と思っていたキニーレイ少尉を振り切ろうとして、進路を西から北へ変えてしまった。
このまま北へ進めば、北の隣国フキアエズ王国領へ進入してしまう。
しかしこれは案外、怪我の功名で、直接オルコ帝国領へ進入し、捕獲された時に、我々がドットスから来た事が安易に露呈《ろてい》するが、フキアエズ王国経由なら、俺たちはフキアエズの民とも、エフライムの民とも誤魔化すことが出来る。
それであれば、険悪なムードのオルコ領内へ直接進入するよりもフキアエズは幾分か友好関係だから、まあ少しは安全だろう。
、、、、、そう思って、俺たちはフキアエズ王国領へ入った訳だが、この国では、今少し問題が発生していた。
それは、巨人族の一部が群れを離れ、一部が山賊化《さんぞくか》しているとのことだった。
それは最初に入った宿場町でのことだった。
「お客さんがた、旅のお方?それとも冒険者御一行で?」
「ああ、一応、冒険者をやっているが、今は金銭的な問題は無いから基本的に仕事は受けていないな」
宿の主人は、それを聞くと少し残念そうな顔をした。
それと、くれぐれもここの地域では、野宿をしないよう注意された、その理由が、例の巨人騒動の始まりだった。
「カシラビ、巨人族って知り合いにいるか?」
「ああ、ごく稀ではあるが、一応いるぞ、興味あるのか?」
「今、宿の主人から、この辺で野宿は絶対にするなって言われたんだ、巨人が山賊化しているらしい」
「ええ、それはヤバいですぜ、巨人相手に武器が使えないからな」
巨人って、単純に俺たちより身長がデカいだけじゃないの?
「カシラビとムスキは銃を持っているし、いくいらなんでも銃で撃たれたら倒れるだろ」
「ユウスケは巨人の怖さを知らないからそう思うんだろうな。あいつら、巨人って言いわするが、基本的に人間じゃあない、どちらかと言えば象に近いかな」
ああ、銃が利きそうもないな、しかし、ムスキや玲子君が持っているのは自動小銃だから、単発のカシラビより、有利に戦えるんじゃないかと俺は思った。
そんな時、宿に警察が訪ねてきた、俺たちは少し動揺した、警察がわざわざこんなところに来るなんて、、、身分がバレたか?
友好関係があるとしても、一国の王女がお忍びで越境だからな。
「ノアンカ、ウクルキ、カシラビ、いいか?」
3人は、無言で頷くと、小さくだが、抜刀の構えで警察が来るのを待った。
警察官に、宿の主人は俺たちを指さす、密告か?この国は秘密警察方式なのか?
全員息を飲む、、、、
しかし、警察官は、少し意外な事を俺たちに話た。
「冒険者の方々ですね、我々は警察の者ですが、最近この付近に巨人の山賊が出現しまして、手を焼いております」
どうやら、冒険者パーティだと思った警察は、俺たちに巨人の対処を依頼したいようだった。
、、、と言ってもなあ。
「失礼ですが、フキアエズの軍隊は出動出来ないのですか?」
「お恥ずかしい話なのですが、通常攻撃では全く歯が立ちません、討伐隊を編成してはいますが、国としては、できるだけこの討伐隊に多くの冒険者を参加させ、確実な対応をしたいと考えているようでして、、、」
警察官たちの口調は、どこか歯切れの悪いものだった。
そりゃ、そんな化け物相手じゃ、無理もない。
基本的に、この世界では火力というツールが無いため、人同士の戦いには軍隊、亜人相手の戦いには専門の冒険者、というのがスタンスらしい。
いや、巨人って、人同士にはならないのか?
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
『おっさんが二度も転移に巻き込まれた件』〜若返ったおっさんは異世界で無双する〜
たみぞう
ファンタジー
50歳のおっさんが事故でパラレルワールドに飛ばされて死ぬ……はずだったが十代の若い体を与えられ、彼が青春を生きた昭和の時代に戻ってくると……なんの因果か同級生と共にまたもや異世界転移に巻き込まれる。現代を生きたおっさんが、過去に生きる少女と誰がなんのために二人を呼んだのか?、そして戻ることはできるのか?
途中で出会う獣人さんやエルフさんを仲間にしながらテンプレ? 何それ美味しいの? そんなおっさん坊やが冒険の旅に出る……予定?
※※※小説家になろう様にも同じ内容で投稿しております。※※※
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる