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旅立ちの朝に
第126話 ワイドロア連隊
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ロームボルド准将 ↓
マキュウェルが不在のロクソム城では、その権限と指揮系統について、大いに揉めていたらしい。
しかし、マキュウェルは、その根源に自身の采配ミスがあったことを認め、キニーレイ少尉に使者としての任務を与えた。
こういうところ、さすがは血統だと感じる、まだ若いのに、即断即決、よくもまあ、考えたものだ。
マキュウェルが考えた、新編成はこうだ。
〇 ロクソム城城主(マキュウェル)
↓↓
↓〇 城主直轄大隊 500名規模
〇 ロクソム旅団(3個連隊を隷属 7500名規模)
↓
・ ロームボルド連隊(2500名規模)
・ ハイハープ連隊(2500名規模)
・ ワイドロア連隊(2500名規模)
これを聞いた一同は、「おお」と納得の声を上げた。
これは良く考えられている。
そして、人事に切り込んだ。
「ワイアット・メイ・ロームボルド准将は、ロクソムの名を冠《かん》する旅団長《りょだんちょう》として改めて就任させる。ロームボルド連隊は現状を維持、ハイハープ連隊長は、今回の武功により王都司令部へ栄転、本国の第3連隊を、地域の地名を冠するワイドロア連隊と呼称、ロクソム旅団へ正式に編入とする。」
ワイドロアって、この旅で最初に着いた宿場町だよな。
これには少し考えがあってのことのようだった。
ハイハープの次に来る土地の名前は港町「ケシャ」だろう、実際に城下と言えるほど近い。
しかし、今回の件から、連隊を常駐させるには、北西に位置するワイドロアに1個連隊を駐屯させた方が、軍事的には好都合と考えての事だろう、ロクソム城も手狭だしね。
そして、俺たちに何かあった時、少しでも早く駆け付けられる連隊がいてくれるのは助かる。
これでワイドロアの町も賑わうな。
そして、マキュウェルは最後に一言付け加えた。
「最後に、城主直轄《じょうしゅちょっかつ》大隊長へ、シードット・メイ・マキヤ中佐を着任させる」
おお、マキヤ、やったな!、いきなり直轄大隊長なんて、大出世だな、、、ってか、それってベナルの出世コース、そのまんまだな。
「なあノアンカ、そう言えば、今、マキヤの事「シードット・メイ・マキヤ中佐」ってマキュウェル言っていたけど、あの「メイ」ってマキュウェルも確か付いていたよな、あれは何だ」
「え、知らないの?マキュウェル様はマキュウェル・メイ・ドットス、国王陛下はマッシュ・メイ・ドットス、要するに、国王陛下に近しい家系の貴族によく付く名前だよ。」
「え、、じゃあ、マキヤって、家柄いいの?」
「ええっ、今まで知らないで付き合ってたの?そうですよ、あの方、マキヤ家の御嫡男、マキヤ公爵家の御子息ですよ、本来なら、マキヤ家の名前ではなく、シードット様と言わなければいけないクラスの高級貴族なんだから」
そうすると、ロームボルド准将も、本来はワイアット様ってわけか。
どうやら、この国の身分精度で行けば、貴族階級や王族となると、名前の方に階級が付くらしい。
なるほど、つまり、マキュウェルを求婚出来る射程圏内に居るってわけね。
なんだか、嬢王蜂との関係みたいだな。
キニーレイ少尉、君のライバル達は手ごわいのが揃ってるな。
「ただいまの仰せ、直ちに戻り伝達し、編成を急がせます。」
そう言うと、キニーレイ少尉は一目散に白馬を走らせ去っていった。
考えてみればキニーレイ少尉だって士官学校を出ているんだからもう20歳超えているくらいだよな、マキュウェルが17歳だったか、、、、案外、丁度いい年の差なんだよな。
彼は、彼なりに悩んでいるんだろうな。
がんばれキニーレイ少尉、お互い、煩悩退散だな!
マキュウェルが不在のロクソム城では、その権限と指揮系統について、大いに揉めていたらしい。
しかし、マキュウェルは、その根源に自身の采配ミスがあったことを認め、キニーレイ少尉に使者としての任務を与えた。
こういうところ、さすがは血統だと感じる、まだ若いのに、即断即決、よくもまあ、考えたものだ。
マキュウェルが考えた、新編成はこうだ。
〇 ロクソム城城主(マキュウェル)
↓↓
↓〇 城主直轄大隊 500名規模
〇 ロクソム旅団(3個連隊を隷属 7500名規模)
↓
・ ロームボルド連隊(2500名規模)
・ ハイハープ連隊(2500名規模)
・ ワイドロア連隊(2500名規模)
これを聞いた一同は、「おお」と納得の声を上げた。
これは良く考えられている。
そして、人事に切り込んだ。
「ワイアット・メイ・ロームボルド准将は、ロクソムの名を冠《かん》する旅団長《りょだんちょう》として改めて就任させる。ロームボルド連隊は現状を維持、ハイハープ連隊長は、今回の武功により王都司令部へ栄転、本国の第3連隊を、地域の地名を冠するワイドロア連隊と呼称、ロクソム旅団へ正式に編入とする。」
ワイドロアって、この旅で最初に着いた宿場町だよな。
これには少し考えがあってのことのようだった。
ハイハープの次に来る土地の名前は港町「ケシャ」だろう、実際に城下と言えるほど近い。
しかし、今回の件から、連隊を常駐させるには、北西に位置するワイドロアに1個連隊を駐屯させた方が、軍事的には好都合と考えての事だろう、ロクソム城も手狭だしね。
そして、俺たちに何かあった時、少しでも早く駆け付けられる連隊がいてくれるのは助かる。
これでワイドロアの町も賑わうな。
そして、マキュウェルは最後に一言付け加えた。
「最後に、城主直轄《じょうしゅちょっかつ》大隊長へ、シードット・メイ・マキヤ中佐を着任させる」
おお、マキヤ、やったな!、いきなり直轄大隊長なんて、大出世だな、、、ってか、それってベナルの出世コース、そのまんまだな。
「なあノアンカ、そう言えば、今、マキヤの事「シードット・メイ・マキヤ中佐」ってマキュウェル言っていたけど、あの「メイ」ってマキュウェルも確か付いていたよな、あれは何だ」
「え、知らないの?マキュウェル様はマキュウェル・メイ・ドットス、国王陛下はマッシュ・メイ・ドットス、要するに、国王陛下に近しい家系の貴族によく付く名前だよ。」
「え、、じゃあ、マキヤって、家柄いいの?」
「ええっ、今まで知らないで付き合ってたの?そうですよ、あの方、マキヤ家の御嫡男、マキヤ公爵家の御子息ですよ、本来なら、マキヤ家の名前ではなく、シードット様と言わなければいけないクラスの高級貴族なんだから」
そうすると、ロームボルド准将も、本来はワイアット様ってわけか。
どうやら、この国の身分精度で行けば、貴族階級や王族となると、名前の方に階級が付くらしい。
なるほど、つまり、マキュウェルを求婚出来る射程圏内に居るってわけね。
なんだか、嬢王蜂との関係みたいだな。
キニーレイ少尉、君のライバル達は手ごわいのが揃ってるな。
「ただいまの仰せ、直ちに戻り伝達し、編成を急がせます。」
そう言うと、キニーレイ少尉は一目散に白馬を走らせ去っていった。
考えてみればキニーレイ少尉だって士官学校を出ているんだからもう20歳超えているくらいだよな、マキュウェルが17歳だったか、、、、案外、丁度いい年の差なんだよな。
彼は、彼なりに悩んでいるんだろうな。
がんばれキニーレイ少尉、お互い、煩悩退散だな!
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