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怒号と雄叫び
第113話 情熱のロクソム城
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その日の夜、ロクソム城は、城下町の隅まで聞こえるほどの興奮で満たされた。
中庭に集められた兵士は、マキュウェルの訓示の一つ一つに歓声をもって答えた。
公約通り、兵士たちには城の酒保を開放して、思う存分に祝杯を上げさせた。
普段は、ライバル同士であまり仲の良くない各連隊の兵士達も、今日は同じ勝者の仲間である意識が芽生え、8000名の将兵と、城内は一体感をもって飲み明かした。
その頃、ロクソム城内、謁見の間において、各級指揮官が集められ、マキュウェル王女と至近距離で話が出来る機会を得た、、、こりゃ、若い将校はイチコロだな。
最後にマキュウェルは、将校団に対して演台からこう話をした。
「先ほど、国王陛下から使者が訪れ、此度の勝利に対する並々ならぬお褒めの言葉と、処遇に対するお話を賜りました」
場内がどっと沸き上がる。
今回の戦勝は、近年希な大戦であるとともに、3万の敵を相手に、僅か8千の兵で敵を撃退しての勝利であり、その英雄的行為は武功として比類ないものになるだろう。
そして、この戦いの中心にいた軍人達、特に軍師のベナル、ロームボルド連隊長、A中隊長のマキヤ少佐、B中隊長のノアンカ大尉、C中隊長のウクルキ大尉は、確実に昇格だろう。
ベナルは晴れて将軍職確定だろうな、やったなリラル。
マキュウェルの演説中も、リラルは列中で、瞳を潤ませて微笑んでいた。
そして、マキュウェルは突然、ベナルを壇上に呼ぶと「リラルに言うべきことがあるでしょう」と、彼に水を向けた。
「リラル、、、この勝利を君に捧ぐ。、、、我が妻となってほしい。」
一瞬、城内の全員がキョトンとした。
何しろ、戦勝の興奮に包まれた会場に、それ以外の要素が入り込むなんて、だれも考えていなかったからだ。
しかし、あの堅物、ベナル軍師の突然の告白に、それまでの事情を知らない各級指揮官の興味は、大いに奮い立ったようだった。
そして、そんな均衡を最初に破ったのは、意外にもロームボルド大佐だった。
「今日の良き日に婚姻の誓とは、なんと縁起の良い!、立会人の名誉を我に頂ければ光栄ですぞ」
会場が再び歓喜に包まれる。
珍しく赤面するベナル、、、幸福そうなリラル、、、感動する玲子君、、、、玲子君?
おいおい、また、真っ先に泣いているよ、本当に女性は友人の結婚に弱いんだな。
、、、俺もいつか、玲子君と、そんな関係になれるだろうか。
もう、心の奥にあるものを隠さず晒すならば、俺はもう玲子君に求婚したいほど、普通に惚れている。
、、あまり玲子君の事を言えないな、俺もすっかりここの空気に飲まれている、うっかり玲子君にプロポーズしてしまいそうだ。
で、その玲子君は、さっきから紅潮しながら、俺の方をチラチラと見ている。
、、、、大丈夫か?この状況。
今夜だけは、一緒に寝られない。
彼女を自分のものにしてしまいたくなる。
でも、それは今ではない。
俺たちは、再び危険な旅に出る。
その時、妻となった玲子君が近くに居れば、俺はきっと判断を誤る。
だから、、、この気持ちは、もう少し我慢だ。
見れば、悪乗りした小隊長クラスの青年将校たちが、ベナルを担いでそこら中を練り歩いている。
それを見て、会場は笑と歓声に包まれている。
幸福な情景だ。
俺にもこの幸福を守る一翼を担いたいという願望が顔を出す。
そうだな、この幸福な時間を守らなければいけないな。
中庭に集められた兵士は、マキュウェルの訓示の一つ一つに歓声をもって答えた。
公約通り、兵士たちには城の酒保を開放して、思う存分に祝杯を上げさせた。
普段は、ライバル同士であまり仲の良くない各連隊の兵士達も、今日は同じ勝者の仲間である意識が芽生え、8000名の将兵と、城内は一体感をもって飲み明かした。
その頃、ロクソム城内、謁見の間において、各級指揮官が集められ、マキュウェル王女と至近距離で話が出来る機会を得た、、、こりゃ、若い将校はイチコロだな。
最後にマキュウェルは、将校団に対して演台からこう話をした。
「先ほど、国王陛下から使者が訪れ、此度の勝利に対する並々ならぬお褒めの言葉と、処遇に対するお話を賜りました」
場内がどっと沸き上がる。
今回の戦勝は、近年希な大戦であるとともに、3万の敵を相手に、僅か8千の兵で敵を撃退しての勝利であり、その英雄的行為は武功として比類ないものになるだろう。
そして、この戦いの中心にいた軍人達、特に軍師のベナル、ロームボルド連隊長、A中隊長のマキヤ少佐、B中隊長のノアンカ大尉、C中隊長のウクルキ大尉は、確実に昇格だろう。
ベナルは晴れて将軍職確定だろうな、やったなリラル。
マキュウェルの演説中も、リラルは列中で、瞳を潤ませて微笑んでいた。
そして、マキュウェルは突然、ベナルを壇上に呼ぶと「リラルに言うべきことがあるでしょう」と、彼に水を向けた。
「リラル、、、この勝利を君に捧ぐ。、、、我が妻となってほしい。」
一瞬、城内の全員がキョトンとした。
何しろ、戦勝の興奮に包まれた会場に、それ以外の要素が入り込むなんて、だれも考えていなかったからだ。
しかし、あの堅物、ベナル軍師の突然の告白に、それまでの事情を知らない各級指揮官の興味は、大いに奮い立ったようだった。
そして、そんな均衡を最初に破ったのは、意外にもロームボルド大佐だった。
「今日の良き日に婚姻の誓とは、なんと縁起の良い!、立会人の名誉を我に頂ければ光栄ですぞ」
会場が再び歓喜に包まれる。
珍しく赤面するベナル、、、幸福そうなリラル、、、感動する玲子君、、、、玲子君?
おいおい、また、真っ先に泣いているよ、本当に女性は友人の結婚に弱いんだな。
、、、俺もいつか、玲子君と、そんな関係になれるだろうか。
もう、心の奥にあるものを隠さず晒すならば、俺はもう玲子君に求婚したいほど、普通に惚れている。
、、あまり玲子君の事を言えないな、俺もすっかりここの空気に飲まれている、うっかり玲子君にプロポーズしてしまいそうだ。
で、その玲子君は、さっきから紅潮しながら、俺の方をチラチラと見ている。
、、、、大丈夫か?この状況。
今夜だけは、一緒に寝られない。
彼女を自分のものにしてしまいたくなる。
でも、それは今ではない。
俺たちは、再び危険な旅に出る。
その時、妻となった玲子君が近くに居れば、俺はきっと判断を誤る。
だから、、、この気持ちは、もう少し我慢だ。
見れば、悪乗りした小隊長クラスの青年将校たちが、ベナルを担いでそこら中を練り歩いている。
それを見て、会場は笑と歓声に包まれている。
幸福な情景だ。
俺にもこの幸福を守る一翼を担いたいという願望が顔を出す。
そうだな、この幸福な時間を守らなければいけないな。
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