自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した

独立国家の作り方

文字の大きさ
上 下
79 / 390
改変世界の作戦会議

第78話 作戦会議

しおりを挟む
「ベナルはこの兵力比で戦うとしたら、具体的にどう戦う?」

「この兵力だからな、常識的には現状維持と言いたいところだが、ケシャの町までのルートを塞がれると、この城の補給線が絶たれる、オルコの軍勢は、そこを確保する行動に出てくるだろう」

「そうだな、この唯一の補給線を放置してはいないよな、いつ頃に仕掛けてくると思う?」

「うん、もう今夜にも来てもおかしくない状況だ」

 まあ、そんな時間感覚なんだろうな、なにしろお姫様を緊急召還させるほどのレベルだからな。
 
『シズ、タイムマシーン内の弾薬はどのくらいある?」

『はい、小銃弾5000発、機関銃弾35000発、手榴弾200、携帯ミサイル10発、小型の迫撃砲が3門、弾薬300発、これだけです」

 これだけですって、結構持ってきたね。
 1コ中隊が数日間は戦えそうなレベルだな。
 しかし、銃を使えるのは俺と玲子君だけ、しかし、銃のないこの世界では、この「銃」というアドバンテージはかなり高い、意外とやれるか?

「ベナル、俺に考えがある。攻撃に撃って出たい、兵力の一部を俺の配下に置けないか?」

「何を言っている、ユウスケ、君はもう少し軍事に明るい人物かと思っていたんだが、、」

「いや、俺には奇策がある、俺たちの国にはこの兵力比をひっくり返すだけの技術があるんだ」

「ほう、そのようなものが、、、」

 俺は、簡単にこの「銃」の概念を、魔法を言い訳にして説明した。

「そのような魔術が、本当に存在するのか?それが本当であれば、この世界の軍事バランスが大きく変化してしまうぞ」

「本来、ここで使用すべきではないかもしれない、しかし、この状況を打開しなければ、ロクソム城だけではなく、ドットスの未来も無いんだろ、それが理解出来ているからこそ、ベナルはリラルを娶ると宣言したように感じたのだが」

「、、、まったく、なんでもお見通しなんだな、君にその気があるのなら、私は君をこの国の軍師に推薦するが、どうだ?」

「いや、我々は旅の者、一国に留まることはない、今は少しでもいいから、兵を俺に割いてもらえればそれで十分だ」

 数名でもいい、俺の直轄を得られれば、この戦いを勝利へ導くことが出来る、どうするベナル。

「わかったユウスケ、君の元に少ないが1コ大隊を預けよう」
 
 ん? 今、1コ大隊って言った? いや、そんなには要らないんだけど。
 大隊って、300人くらいいない?
 そんなに仕切れるか?、まあ助かるけど。

「どうしたユウスケ、大隊では不十分か?」

「いや、十分だ、助かる」

「いや、こちらこそだ。旅のお方を戦に巻き込んでしまって、すまないと思っている。勝利の暁には、必ず報いるので」

 いや、君たちが勝ってくれないと、こちらが困るからね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちゃぼ茶のショートショート 「フラッシュモブ」

ちゃぼ茶
ミステリー
あなたの人生はあなたのもの、私の人生は私のもの……とは限らない人生も面白い

それは奇妙な町でした

ねこしゃけ日和
ミステリー
 売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。  バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。  猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

『量子の檻 -永遠の観測者-』

葉羽
ミステリー
【あらすじ】 天才高校生の神藤葉羽は、ある日、量子物理学者・霧島誠一教授の不可解な死亡事件に巻き込まれる。完全密室で発見された教授の遺体。そして、研究所に残された謎めいた研究ノート。 幼なじみの望月彩由美とともに真相を追う葉羽だが、事態は予想外の展開を見せ始める。二人の体に浮かび上がる不思議な模様。そして、現実世界に重なる別次元の存在。 やがて明らかになる衝撃的な真実―霧島教授の研究は、人類の存在を脅かす異次元生命体から世界を守るための「量子の檻」プロジェクトだった。 教授の死は自作自演。それは、次世代の守護者を選出するための壮大な実験だったのだ。 葉羽と彩由美は、互いへの想いと強い絆によって、人類と異次元存在の境界を守る「永遠の観測者」として選ばれる。二人の純粋な感情が、最強の量子バリアとなったのだ。 現代物理学の限界に挑戦する本格ミステリーでありながら、壮大なSFファンタジー、そしてピュアな青春ラブストーリーの要素も併せ持つ。「観測」と「愛」をテーマに、科学と感情の境界を探る新しい形の本格推理小説。

未来から来た美女の俺

廣瀬純一
SF
未来から来た美女が未来の自分だった男の話

エリカ

喜島 塔
ミステリー
 藍浦ツバサ。21歳。都内の大学に通う普通の大学生。ただ、彼には、人を愛するという感情が抜け落ちていたかのように見えた。「エリカ」という女に出逢うまでは。ツバサがエリカと出逢ってから、彼にとっての「女」は「エリカ」だけとなった。エリカ以外の、生物学上の「女」など、すべて、この世からいなくなればいい、と思った。そんなふたりが辿り着く「愛」の終着駅とはいかに?

少年館

華岡光
ミステリー
とあるヨーロッパのある国の田舎街には上中流階級の男性の欲望を満たすための秘密の場所があった。彼等からは"蜜の園"と呼ばれるその場所はおぞましい社性交界の場でもあった。

処理中です...