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自称「未来人」との逃避行
第15話 そこに横になりなさい
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辺りはすっかり夜になっていた。
長いドライブは、とりあえず、どこだか解らない田舎道を進み、林道に入った奥で停車された。
「ここがその目的地なのか?」
「いえ、実はここではありません。一旦敵を攪乱させるために、無関係の林内に身を隠します。ここなら周囲に電源のない地域ですから」
どうも、彼女と、彼女の敵には、何かルールがあるらしい。
それでも、恐らく彼女が一番最初に目指していた目的地ではないことは明白だ。
彼女を覗き込むと、、、あーやっぱり、彼女はかなり疲労している。
と言うより、顔面蒼白だな、薄暗くても解るほどだ。
、、、多分彼女はかなり無理をしている。
よし、わかった、わかったよ、もう君を一旦、未来人として認定しよう。
だから、これ以上、もう無理をしないでくれ、見てられない。
「美鈴さん、まずは上着を脱いで、そこに横になりなさい」
彼女は一瞬、、、、警戒した。
いや、違うって、横になれって、、、違うって。
「、、、その、美鈴と呼ばれましたのが少し驚きまして、、、」
ああ、そう言えば、彼女を名前で呼んだのは、これが初めてか、そんなリアクションされると、こっちまで恥ずかしくなるじゃないか、、、あ、やべえ、本当に恥ずかしくなってきた。
「もし、GFがよろしければですが、、その、下の名前でお呼びください。」
んんん? シタノナマエー 、ですか?
何、俺との距離を縮めようってが?ちょっと急じゃない?
「、、、、えー、あー、玲子、、、君」
何なんだ、このプレイは。
ほらほら、玲子君も恥ずかしくなって、さっきまで青かった顔が、ちょっと赤くなっちゃったじゃない。
「これでいいのだろ、玲子君、さあ、上着を脱ぎたまえ」
あれ、俺、エロ男爵に戻ってない?
いや、だってさ、女性の上着をとって、傷の手当なんて、ないじゃん、普通に20年男の子やってたら、ないじゃん。
ですから照れる訳ですよ、照れ隠しな訳ですよ。
でも、彼女は俺がそう言うと、薄暗い車内で黒いスーツの上を脱いで、横になった。
、、、、あー、銃創はたしか右肩だったよな、、、、あれ、本当にかすり傷だな。
じゃあ何で、顔面蒼白だったの?
「申し訳ありませんGF、さすがに最初のミッションで、かなり緊張しておりまして、、、正直申しますと、ここから目的地まで運転を継続する余裕がありませんでした、少々お休みすれば復旧しますので、、、」
しかし、そうは言っても、彼女は本当にキツそうだった。
まあ、単なる銃撃戦ではない、彼女の言う通り、未来からのタイムトラベラー同士による銃撃戦なら、本当にこの宇宙が消滅しかねないからな。
「それなら、運転を私が代わろうか?」
この無防備な状態で長く居るよりは、少しはマシな提案かと思ったのだが、、、。
長いドライブは、とりあえず、どこだか解らない田舎道を進み、林道に入った奥で停車された。
「ここがその目的地なのか?」
「いえ、実はここではありません。一旦敵を攪乱させるために、無関係の林内に身を隠します。ここなら周囲に電源のない地域ですから」
どうも、彼女と、彼女の敵には、何かルールがあるらしい。
それでも、恐らく彼女が一番最初に目指していた目的地ではないことは明白だ。
彼女を覗き込むと、、、あーやっぱり、彼女はかなり疲労している。
と言うより、顔面蒼白だな、薄暗くても解るほどだ。
、、、多分彼女はかなり無理をしている。
よし、わかった、わかったよ、もう君を一旦、未来人として認定しよう。
だから、これ以上、もう無理をしないでくれ、見てられない。
「美鈴さん、まずは上着を脱いで、そこに横になりなさい」
彼女は一瞬、、、、警戒した。
いや、違うって、横になれって、、、違うって。
「、、、その、美鈴と呼ばれましたのが少し驚きまして、、、」
ああ、そう言えば、彼女を名前で呼んだのは、これが初めてか、そんなリアクションされると、こっちまで恥ずかしくなるじゃないか、、、あ、やべえ、本当に恥ずかしくなってきた。
「もし、GFがよろしければですが、、その、下の名前でお呼びください。」
んんん? シタノナマエー 、ですか?
何、俺との距離を縮めようってが?ちょっと急じゃない?
「、、、、えー、あー、玲子、、、君」
何なんだ、このプレイは。
ほらほら、玲子君も恥ずかしくなって、さっきまで青かった顔が、ちょっと赤くなっちゃったじゃない。
「これでいいのだろ、玲子君、さあ、上着を脱ぎたまえ」
あれ、俺、エロ男爵に戻ってない?
いや、だってさ、女性の上着をとって、傷の手当なんて、ないじゃん、普通に20年男の子やってたら、ないじゃん。
ですから照れる訳ですよ、照れ隠しな訳ですよ。
でも、彼女は俺がそう言うと、薄暗い車内で黒いスーツの上を脱いで、横になった。
、、、、あー、銃創はたしか右肩だったよな、、、、あれ、本当にかすり傷だな。
じゃあ何で、顔面蒼白だったの?
「申し訳ありませんGF、さすがに最初のミッションで、かなり緊張しておりまして、、、正直申しますと、ここから目的地まで運転を継続する余裕がありませんでした、少々お休みすれば復旧しますので、、、」
しかし、そうは言っても、彼女は本当にキツそうだった。
まあ、単なる銃撃戦ではない、彼女の言う通り、未来からのタイムトラベラー同士による銃撃戦なら、本当にこの宇宙が消滅しかねないからな。
「それなら、運転を私が代わろうか?」
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