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自称「未来人」との逃避行
第10話 逃避行
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俺は、訳が解らないまま、彼女が運転する大きなワゴン車の助手席に座りながら、これまでの経緯を思い直してみた。
100年後の未来から訪れたと言う彼女の主張が、正しいはずがない。
これまで彼女が俺に説明してきたタイムトラベル理論は、その証明が困難であることは明確だ。
、、、、ここまでで、俺が唯一解けない疑問が「西園寺彩音」に関する知識だけだ。
そう、それ以外は、詐欺であってもまだ成立する、、、この銃撃騒動についても。
、、、そうなのだ、あの銃撃自体が、彼女と彼女の仲間によるものであれば、わざわざ未来人を引っ張り出してこなくても、出来ることではある。
あの銃撃自体、おれは射撃音を聞いていない、つまり、狙撃銃でなくとも別の何かで金属弾丸を発射することが出来る。
もちろん、彼女が発射した拳銃もそうだ、拳銃自体が映画撮影などで使われるプロップガンで、弾丸効果をそれらしく演出することは出来なくはない、、、かなり難しいが。
、、、、いや、今はそう信じたい。
こんな急に、俺の人生が激変するなんて、おかしいではないか。
今にも、変な看板を持った人が現れて「これはドッキリでした!」なんてオチになるのではないか、いや、きっとそうに違いない、、、そう信じたい。
そうなると、西園寺彩音の件が解明されれば、今の異常事態が本物の未来人による行動でないと証明できる。
いや、そうなってもらわなければ、本当に困る。
確かに刺激には飢えていたかもしれない、それでも同じ未来から来る新しい可能性ならば、学習机の引き出しから出てくる青くて丸いロボットの方が何倍もマシだ。
、、、少なくとも、いくら隣に美人秘書がいたとしても、実弾で命を狙われる未来が理想ではないはずだ。
だから、、、西園寺彩音は、俺の脳内以外のどこかに、それが人の目に触れるような環境にあった、そう考えるのが無難だろう。
よし、もうそれでいい、それで行こう!
そうしなければ、多分、俺は正気を保てない、俺の正気レベルは勇者のそれとは異なり、それほど寛容ではないのだ。
「少し聞いてもいいか?」
「何でしょう、GF」
「この車は、今どこへ向かっている?」
「先ほどの銃撃をした者たちから、一旦距離を置き、GFを保護出来る場所へご案内します。」
やっぱりそうだよな、、、、
「しかし、このまま目的地に到達しては、先ほどの狙撃犯に場所を教えるようなものではないか」
そうだ、この話の流れなら、もう、ドッキリでした、とゴール出来るんじゃないか、、、よし、行ける!
しして、彼女はそれらを否定するような一言を、なんの躊躇もなく放つのであった。
100年後の未来から訪れたと言う彼女の主張が、正しいはずがない。
これまで彼女が俺に説明してきたタイムトラベル理論は、その証明が困難であることは明確だ。
、、、、ここまでで、俺が唯一解けない疑問が「西園寺彩音」に関する知識だけだ。
そう、それ以外は、詐欺であってもまだ成立する、、、この銃撃騒動についても。
、、、そうなのだ、あの銃撃自体が、彼女と彼女の仲間によるものであれば、わざわざ未来人を引っ張り出してこなくても、出来ることではある。
あの銃撃自体、おれは射撃音を聞いていない、つまり、狙撃銃でなくとも別の何かで金属弾丸を発射することが出来る。
もちろん、彼女が発射した拳銃もそうだ、拳銃自体が映画撮影などで使われるプロップガンで、弾丸効果をそれらしく演出することは出来なくはない、、、かなり難しいが。
、、、、いや、今はそう信じたい。
こんな急に、俺の人生が激変するなんて、おかしいではないか。
今にも、変な看板を持った人が現れて「これはドッキリでした!」なんてオチになるのではないか、いや、きっとそうに違いない、、、そう信じたい。
そうなると、西園寺彩音の件が解明されれば、今の異常事態が本物の未来人による行動でないと証明できる。
いや、そうなってもらわなければ、本当に困る。
確かに刺激には飢えていたかもしれない、それでも同じ未来から来る新しい可能性ならば、学習机の引き出しから出てくる青くて丸いロボットの方が何倍もマシだ。
、、、少なくとも、いくら隣に美人秘書がいたとしても、実弾で命を狙われる未来が理想ではないはずだ。
だから、、、西園寺彩音は、俺の脳内以外のどこかに、それが人の目に触れるような環境にあった、そう考えるのが無難だろう。
よし、もうそれでいい、それで行こう!
そうしなければ、多分、俺は正気を保てない、俺の正気レベルは勇者のそれとは異なり、それほど寛容ではないのだ。
「少し聞いてもいいか?」
「何でしょう、GF」
「この車は、今どこへ向かっている?」
「先ほどの銃撃をした者たちから、一旦距離を置き、GFを保護出来る場所へご案内します。」
やっぱりそうだよな、、、、
「しかし、このまま目的地に到達しては、先ほどの狙撃犯に場所を教えるようなものではないか」
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